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6月29日(土)

  • ある一生 (新潮クレスト・ブックス)
  • 『ある一生 (新潮クレスト・ブックス)』
    Seethaler,Robert,ゼーターラー,ローベルト,晶子, 浅井
    新潮社
    1,870円(税込)
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    honto

 雨。すっかり梅雨。娘をアルバイト先に送る。今日は3時までで、その後は東京ドームで嵐のコンサートらしい。息子塾に送る。期末テスト対策で夜まで授業らしい。

 今週は遅く帰る日が多かったので、どうやら身体も心も相当疲れていたらしく、何もする気が起きず、ベッドで本を開いてはうたた寝を繰り返す。

『ある一生』ローベルト・ゼーターラー(新潮社)読了。

 装丁に惹かれて購入したが、その装丁どおり、静かに満たされる一冊だった。背伸びをせず、自分にできることで暮らしを営み、悲しみや苦しみを背負い、ほとんど笑いもせず、そうして生きた一生は、まるで自然の中の一つであるようだった。ふとした時に読み直すであろう小説だ。

 夕方、雨がやんだのランニングするも、途中でまた降り出し、ずぶ濡れになって10キロラン。

 夜、娘と息子が同じタイミングで駅に着いたので、迎えは一度で済む。

6月28日(金)

 前夜行われた、走る本屋さん高久書店の高木さんと元さわや書店の田口さんのトークイベントの熱覚めず、ほとんど徹夜のまま出社。

「触っていいんだよ」「読んでみてもいいよ」と走る本屋さん高久書店の高木さんは、無書店地域でお店を開いた際に子供たちに声をかけてらしたが、そういえば那須ブックセンターの谷さんも目の前の学校の子どもたちが本屋さんの使い方を知らなくて本を触っていいのか戸惑ってるから声をかけてるとおっしゃっていた。

 東京で働いていると、本屋さんが身近にあるという前提で多くのことを考えており、あるいは本屋さんがないなんて考えてもいなかったりするのだが、実は日本の大半の地域は本屋さんが歩きや自転車でいけるようなところにはないわけで、立脚点が全然違うのだった。

 遠くを見る人がいて、近くを見る人もいる。本だけじゃダメだという人もいて、本はまだまだ大丈夫という人もいる。それでいいのだと思う。

6月22日(土)

  • 日本の異国: 在日外国人の知られざる日常
  • 『日本の異国: 在日外国人の知られざる日常』
    裕和, 室橋
    晶文社
    1,980円(税込)
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    honto

 父親の車を売りに行く。なぜか娘もついて来てくれたのは娘は娘なりにおじいちゃんを心配しているということなのだろうか。それとも私のことを心配しているのかもしれない。

 その車中、私が何か言うと「それドイツ語でこうやって言うんだよ」とドイツ語を話す。大学に入学してたった3ヶ月でこんなにわかるものなのだろうか。もしかして娘には語学の才能があるのではなかろうか。語学の才能があるということは将来もしかして探検家になったりしないだろうか。未知動物を探しに行ったり、カートに溺れたり、納豆を食べまくったりしないだろうか。娘の将来を心配しているうちに実家につき、すぐに父親の車に家族一同乗せて、中学の先輩が営む中古自動車屋さんへ。

 さて問題です。一台の車に4人乗って中古自動車屋さんに車を売りに行きました。では車を売った後、4人の人たちはどうやって家に帰るのでしょうか? というわけで私は中古自動車屋さんで準備体操したのち、3キロほど走って実家へ。そして私の軽自動車に乗り、再度中古自動車屋さんへ。ランニングしていて良かったと初めて思う。

 車を無事売れたので、両親行きつけのとんかつ屋さんで昼ご飯をご馳走になる。ずっと具合の悪かった父親が、「ここにまた来るのが夢だったんだよ」と店員さんにいうと「そんな大げさな。小さな夢ですよ」と笑われたけれど、日常がままならなくなっていた人にとっては、その日常の中でのちょっとしたスペシャルなことこそ大きな夢になるのだろう。父親は大好物のカツ丼を半分残し、母親が少なめにと頼んだご飯を半分残し、それらすべてを娘が平然と食べる。胃袋こそ人生のバロメーター。

 午後、帰宅するとすっかり疲れてしまったので昼寝。晩御飯で起こされるも、まったくお腹は減っておらず、枝豆と麦茶のみ。

『日本の異国』室橋裕和 (晶文社)読了。

 我が家から近所の蕨がいつの間にかワラビスタンと呼ばれ、多くのクルド人が生活していたりするのだけれど、そう行った各所の在日外国人のコミニティーがどのようにできあがり、また現在どのように暮らしているのか教えてくれる素晴らしいルポ。

 人は一人で生きることはできないからこうして同国の人たちが助け合うわけだけれど、もっと大きな目で見れば国籍など関係なく助け合って行きなければ生活が成り立たなくなっているのが人口減少社会なのだろう。

6月21日(金)

 朝8時、高田馬場駅で待ち合わせし、蔵書整理戦隊・本の雑誌スッキリ隊勝沼に向けて出動。今回で2度目、4軒目のスッキリに向かう。

 葡萄畑の中にある新興住宅地の一軒家には驚きの1万冊以上が蔵書され、この度スッキリ隊はそれら蔵書をスッキリすべく、紐で括って二階から下ろすという作業に昼も食べず勤しむ。作業時間約5時間。スッキリしたのではないでしょうか。

 腹が減ったと泣き叫ぶスッキリブルーの浜本は帰り道の談合坂サービスエリアで笛吹市新ソウルフード「ラーほー」を食すも、これがメニューの写真以上のラーメン二郎のような盛りっぷりでおののく。残せばいいものの完食して、またもや2キロ増か。

6月20日(木)

  • 風に吹かれてII-スタジオジブリの現在 (中公文庫)
  • 『風に吹かれてII-スタジオジブリの現在 (中公文庫)』
    鈴木 敏夫,渋谷 陽一
    中央公論新社
    704円(税込)
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 鈴木敏夫、聞き手:渋谷陽一『風に吹かれてⅡ スタジオジブリの現在』 (中公文庫)読了。相変わらず渋谷陽一の取り調べのようなインタビューが続く。思い込みを正当化すべく誘導尋問が多く、読む熱も冷める。

 追加注文を頂いた御茶ノ水の丸善さんに「本の雑誌」7月号直納。川端賞特集のおかげか多くの書店さんから追加注文が舞い込んでいる。

 その足でフェアの依頼を受けていた赤坂の双子のライオン堂さんへ。うむー。こんな危険な場所に成長してるとは思わなかった。5坪ほどの売り場は自作の本箱が増殖しており、そこには欲しかった本や買おうと思っていた本や気になっていた本が並びまくっており、もしママが「ヨシツグ、欲しいだけ買っていいのよ」と囁いてくれたら、3万円分くらいは軽くレジに持って行ったことだろう。

 それにしても不思議だ。大型書店に行くと事前に欲しかった本一冊手にするだけでレジに行くことが多いのに、このように手の入った小さな本屋さんに行くと、次から次へと読みたい本が見つかるのだ。在庫量と購書欲はいつから比例しなくなったのだろうか。

6月19日(水)

  • 風に吹かれてI-スタジオジブリへの道 (中公文庫)
  • 『風に吹かれてI-スタジオジブリへの道 (中公文庫)』
    鈴木 敏夫,渋谷 陽一
    中央公論新社
    704円(税込)
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    honto

 引き続き、鈴木敏夫。『風に吹かれてI スタジオジブリへの道』(中公文庫)読了するも、人生で初めて触れた渋谷陽一によるインタビューの暑苦しさに驚く。

 夜、埼玉スタジアムへ。AFCチャンピオンズリーグノックアウトステージラウンド16第1戦、対蔚山現代。杉本健勇のゴールに胸熱くするも1対2で敗北。悔しい。しかし蔚山現代の選手は非常に礼儀正しく、試合終了後浦和レッズサポーターに向かって一礼。

6月18日(火)

  • 天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書)
  • 『天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書)』
    敏夫, 鈴木
    文藝春秋
    1,320円(税込)
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  • 仕事道楽 新版――スタジオジブリの現場 (岩波新書)
  • 『仕事道楽 新版――スタジオジブリの現場 (岩波新書)』
    鈴木 敏夫
    岩波書店
    800円(税込)
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    honto

 4時半起床。心がもやもやするのでランニング7キロ。

 いつぞや梅雨入りと言っていたような気がするが、額の汗を拭きながら『下戸の夜』の見本を持って、取次店さんを廻る。

 一旦帰社してから資料を携え、装丁家さんのところへ。内澤旬子さんの「着せ替えの手帖(仮)」単行本化の相談。

 鈴木敏夫『天才の思考』(文春新書)読了。

 自分は、常々プロフェッショナルな仕事に憧れており、だから営業ならば営業に集中したいと思っている。しかし、なぜか本を編集したり、雑誌の企画を立てたり、人前でトークしていたりして、結局ひとつのことに打ち込めず何もかも中途半端になっていて、いったい自分なにやってんだろと落ち込むことが多い。

 それでももうそれは性分というか、会社が小さいから仕方ないと割り切り、本や雑誌が売れて会社に利益をもたらすならばそれもすべて営業なのではないかと考え改め、自分が目指すべき人ってだれなんだろと考えたところ、ジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんなのであった。仕事に行き詰まった時には『ジブリの仲間たち』(新潮新書)や『仕事道楽』(岩波新書)をこれまで何度も何度も読み返してきた。

 そんな中新たに出た『天才の思考』は、ジブリ全作品をひとつひとつ振り返りながら、宮崎駿と高畑勲だけでなく、そのときどきジブリのたくさんのスタッフや取引先の人など誰もが好き勝手もの言う中(おそらく本人も言っている)、いかにして咄嗟のアイディアを出し、目標を遂行するか語られており、まさに私の立場にぴったりハマる書であった。感銘の一冊。

6月17日(月)

 とある百貨店内の書店さんへ。週刊誌がいまだに100冊以上売れるらしい。

 夕方、木村晋介さん来社。同人句会の句集制作の相談を受ける。
 
『下戸の夜』の見本が製本所より届く。初回注文の〆作業に勤しむ。

6月16日(日)

 朝7時、肉離れも肋骨骨折もすっかり回復し、15キロラン。心地よし。

 昼、雑司が谷地域文化創造館へ。わぜぞが主催する、みちくさ市連続トーク「談話室たまりあ~ステージ上の「私事」と「仕事」~」になぜかお呼ばれし、姫乃たまさん、小泉りあさんと地下アイドル対営業という異種格闘技トークに挑む。ゲストなのをすっかり忘れ、別世界で生きているお二人にいろいろと話を伺う。おもしろき世界。

6月15日(土)

 行きつけのパン屋さんに、「雨の日なのに試合するんですか? しかもそれを観に行くんですか!」と驚かれたものの、なぜに雨がマイナス要因になるのかまったく分からず、ポンチョを着て自転車で水しぶきをあげながら埼玉スタジアムへ。J1リーグ第15節サガン鳥栖戦。

 1対1のままロスタイムに突入するも、ここからゴールが決まるのが大槻劇場なんだよと信じて飛び跳ねていたら、なんとマジか?!のマルちゃんことマルティノスのドリブルから浦和のエース興梠慎三が決めて、2試合連続のロスタイムゴール。あやうくまたもや肋骨を骨折しそうになる。久しぶりのホーム埼スタバ勝利に酔いしれる。

6月14日(金)

  • アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます (小学館新書)
  • 『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます (小学館新書)』
    らいかーると
    小学館
    864円(税込)
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 出張明け4日ぶりの出社。何よりも出張費の精算を済ませねばスッキリしないので、領収書やらを整理して経理の小林に提出。

 すぐに会社を飛び出し、池袋でhontoの矢部さんと「コメダ珈琲店」でランチ。名古屋で入らなかったコメダに東京で入るも、なんと大の甘党の矢部さんに渡すべく名古屋で買い求めたお土産、藤田屋の「天ぷらあんまき」を自宅に忘れるという大失態。玄関まで持っていたのに下駄箱の上に起き忘れるとは。やはり疲れているのかもしれない。

 ランチが終わったら会社に戻り、高野秀行さんの講演の依頼にやってきた八重島のSさんと打ち合わせ。実現しますように。そして私も連れていってもらえますように。それが終わると神保町にいらしていたY書店のKさんと「サンマルクカフェ」でお茶。あっという間に1日が終わる。

 夜、往来堂書店さんで行われる『投壜通信』山本貴光さんのイベントは私の疲労を心配してくた事務の浜田が立ち会ってくれるというので、お言葉に甘え帰宅するもその帰路に妻から連絡があり、息子が部活の時にサッカーボールが目にあたり激しく腫れているので病院に行って検査しているとのこと。サッカーをやっていればそんなこともあるだろうが心配は心配なので駆け足で帰る。

 自宅に着いてもまだ妻と息子は帰ってきておらず心配がさらに募るも、30分後に帰宅した息子は開口一番「腹減った」と呻き、検査の結果も問題なかったらしい。ボールをぶつけてしまった後輩が気にしているだろうと思い、すぐに息子に報告に行かせる。

『アナリシス・アイ』らいかーると(小学館新書)を読みながら、22時就寝。

6月13日(木)

 朝イチで新瑞橋の七五書店さんへ。「本の雑誌」連載「本棚が見たい」の撮影。なにげない町の本屋さんに見えるが、浜本が「すごい手が入っている」と驚くほど、きちんと本が並んでいる名店なのだった。

 その七五書店の店長Kさんとも友人の『迷う門には福来る』の著者久田さんと待ち合わせ、名古屋の本屋さんをご案内いただく......はずが、さっそく新瑞橋で迷い、その後も赤池、本山、新守山で方向を見失い、しまいには名古屋駅でも逆方向に歩み出し、まったくガイドの意味がないのであった。そして久田さんは「見えないところへ行くのは難しい」という謎の言葉を残し、雑踏に消えていく。

 午後は別行動をしていた三食命隊のメンバー、浜本と中村カメラマンと「のぞみ244号」で落ち合うとその手にはお弁当がぶら下げられているのであった。ふたりは、結局、台湾ラーメン、味噌煮込みうどん、ひつまぶし、あんかけスパゲッティと名古屋メシをほぼ制覇したのであるが、駅のホームのきしめんを食べ忘れ、新幹線のシートで名古屋再訪を誓いあっていた。

 ちなみに三食命隊のキャプテン・浜本は二泊三日の名古屋出張で2キロ太ったとは知らずに、最も気に入った名古屋メシ「あんかけスパゲッティ」の神保町出店を目論むのであった。

6月12日(水)

 朝イチで、ちくさ正文館さんへ。名古屋を、いや日本を代表する本屋さんだ。店内に入った瞬間に、あっ、本屋さんってこういうところだったと背筋が伸びる。そして棚を見れば、こんな本が出ていたのかという発見の連続。どんなに大きな本屋さんに毎日行っていても気づかぬ本がずらりと並んでいる。

 中村カメラマンに棚すべて撮ってくださいと無理難題を押し付け、私は古田さんからじっくり話を伺う。

 どうやってこういうお店、こういう棚ができていったのかと聞けば、むかしは周りの書店さんもそうだし出版社の営業マンもいっぱいものを知っていて、そういう人と話す時に失礼がないよう勉強していたし、そういう人たちからたくさん学んできたという。そうしてその頃世話になった人たちの名前をあげられたのだけれど、それは私自身もこの業界に入ってたくさんのことを学ばせてもらった先輩営業マンの方々で、古田さんはそういった人たちと酒を酌み交わし、時には旅をし、とことん話をして、本を売ってきたのである。

 私もそうやって、本を、人間らしく売りたい、と思う。

6月11日(火)

  • ご当地グルメコミックエッセイ まんぷく名古屋 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
  • 『ご当地グルメコミックエッセイ まんぷく名古屋 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)』
    森下 えみこ,大竹 敏之
    KADOKAWA/メディアファクトリー
    1,210円(税込)
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「本の雑誌」の巻頭グラビア「本棚が見たい」の取材同行のため発行人浜本、カメラマンの中村さんとともに東海地方へ。新幹線に乗り込むと早速撮影の打ち合わせかと思いきや、浜田から渡された『まんぷく名古屋』(KADOKAWA)を手に食事に就いての激論が始まる。「これ二泊三日で昼夜朝昼夜朝昼じゃ足りないですね」「誰が一日三食って決めたんだよ」さすが〈三食命隊〉の二人。

 田原市で書店さんと蔵書家の本棚を撮影し、夕刻名古屋へ。SNSを見ていると何やら多くの出版営業マンが名古屋に来ており、もしやみんな本棚の撮影なのかと思ったら、取次店さんの集まりがあったらしい。もう一軒撮影に行くという〈三食命隊〉の面々と別れ、私は営業へ。

 22時過ぎ、〈三食命隊〉からこれから晩御飯に台湾ラーメンを食べに行くから一緒に行こうと誘われるものの、21時以降の食事は控えているので断る。「つまらない胃袋のやつだ」と罵られる。

6月10日(月)

 通勤読書は書店員さんの熱意によって奇跡の復刊となった『黄落』佐江衆一(新潮文庫)。

 私小説の傑作といってもいいような著者、佐江衆一氏による両親の介護を記した作品だが、あまりに赤裸々で生々しく、しかしだからこそ心えぐられ、おそらくきっと数年後には私にも襲いかかってくる現実なのであろう。もちろん自分自身も介護される側になる可能性も大なわけで、果たしていったい私はその現実を乗り越えられるのだろうか。

 先週末に飲み会で会った、生まれた時から営業の才能に恵まれているような営業マンの話が脳裏から離れず。日帰り出張でとんでもない冊数の受注を手にし、また各書店さんの経営者とも昵懇の様子。歳も同じなのにどれもこれも私にはできないことばかり。結局、自分は最も自分に向いてない仕事に就いてしまったのだろうと思う。

 嘆いていても仕方ないので、心の中にその営業マンの顔を浮かべながら本日から営業に勤しむ。

6月9日(日)

 父親から相談したいことがあると連絡があり、部活が休みだった息子とともに実家に向かう。その息子が「ジジに会うのは正月以来だな」というので気がついたけれど、いまだに浦和レッズの試合には欠かさずにやってきている母親とは毎週のようにスタジアムで顔を合わせているものの、昨年の胆嚢結石の手術以来観戦をやめてしまった父親とは正月くらいしか会っていなかったのだ。

 実家に着くと父親から最近しょっちゅうめまいがして調子が悪いこと、事故が怖いので免許を返納すること、そして車を処分したいからお前にやると言われる。そう言われても私は今乗っている軽自動車が気に入っているのでいらないというと、車に関してはお前に一存するから売るなり処分するなり好きにしてくれという。本人はそれですっかり面倒事が片付いた気分でテレビに向かうが、こちらはたまったものではない。しかも免許を返納し、車をなくしてしまったら日常品の買い物はどうするのだろうか。

 風呂場のブラインドが壊れているので買いに行きたいという母親をその父親の車に乗せてホームセンターに向かう道すがら、国道沿いに自動車買取の旗を掲げていた中古車屋さんに思い切って飛び込んでみる。値がつこうがつくまいが面倒事を早く片付けてしまいたい一心だったのだけれど、奥から顔を出したのが中学校の先輩で、あっという間に話は進み一件落着。おそるべし地元ライフ。

 それにしてもこれは介護の第一歩なのではなかろうか。

6月8日(土)

 先週の川崎フロンターレ戦で、後半ロスタイム最後のプレーで森脇良太が同点ゴールを決めた時、あまり興奮しすぎてまさかの肋骨骨折。試合に出て怪我するのはわかるけれど、試合を観戦していて怪我するなんてことがあるのだろうか。いや実際にここに肋骨を折っている人間がいるのだからあるのだろう。この骨折は2度も火中の栗を拾ってくれた大槻監督に捧ぐ。

 その脇腹が未だに痛いのでランニングは控える。部活が休みの息子とともに浦和レッズの練習場である大原グラウンドに向かい、ユースチームとの紅白戦を見る。隣に座っていた老父婦が「高い金出してオリンピック見るより、全然こっちの方が楽しいわ」と言う通り、目の前で選手が戦い、その声も、ぶつかる音も聞こえる臨場感あり過ぎの状況に興奮す。オリンピックよりも大原グラウンド。

 午後は本を読んで過ごす。

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