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2016年2月 鬼も笑うよ春待ち号 No.392

偉い人も偉くない人も、誰の人生もやっぱり面白い。自分の人生は一度しか送れないけど、本の中なら天才科学者だって金メダリストだって、いろんな人の人生を送ることができるのだ! というわけで、本の雑誌2月号の特集は「全日本評伝グランプリ!」。21世紀の評伝全集を作る座談会から、スポーツ、政治、芸能各ジャンルのベスト評伝、髙山文彦の評伝作家の喜びと哀しみに、宮里キャンドル潤が編集者の自伝を読んで真編集者に生まれ変わろうというチャレンジ企画、そして読者の好きな伝記まで、英傑偉人奇人変人の人生が満載の27ページ。読めば人生が変わる(かもしれない)評伝特集だあ!

 新刊めったくたガイドは酒井貞道が《嫌な予感》溢れるシーラッハの独壇場に酔いしれれば、都甲幸治は地球の片隅で起こった出会いと再生の物語に納得。大森望が話題満載の傑作宇宙SF『叛逆航路』で新春読書開幕を寿げば、円堂都司昭は企みに満ちた野心作『新カラマーゾフの兄弟』に驚嘆。沢田史郎が中山智幸『暗号のポラリス』をとっておきの「ひた向き小説」だと宣言すれば、青木大輔はカマツカ愛があふれる『湿地帯中毒』にうっとり。そして北上次郎は"あの人"の行方が気になって澤田瞳子『師走の扶持』がスリル満点。さあ、20年ぶりに現れたかどうか、あの人の行方にドキドキしよう!

 今月は「本屋大賞で買った本」で上橋菜穂子が登場! 副賞の10万円分の図書カードで買いまくった46冊を一挙公開すれば、読み物作家ガイドでは日下三蔵がスタイリッシュな作家・都筑道夫の多彩な10冊の読み方を伝授。そして特別企画「わたしのお散歩本」では柴崎友香と岡崎武志が散歩のお供に必携のうろうろ本を紹介! 北風ぴーぷーもなんのその、心ぽかぽか庭駆け回る、本の雑誌2月号は今年もよろしくのあけましておめでとう号なのだあ!

目次

本棚が見たい!

2月の書店 伊野尾書店/2月の書斎 北原尚彦
新旧いろいろ面白本/地図から始まる世界の重要問題 椎名 誠 
着せ替えの手帖/広大なるスーツ宇宙 内澤旬子 

特集:全日本評伝グランプリ!

座談会/21世紀評伝全集を作ろう! 東 えりか・内田 剛・佐久間文子 
クセモノのヒーロー『ベーブ・ルース自伝』 荻原魚雷 
政治の裏を読んで日本の未来を考える 神谷竜介 
珍・伝・記 とみさわ昭仁 
評伝を書くということ 髙山文彦 
編集者の自伝に学ぶ仕事術 宮里 潤
おじさん三人組、菊池寛賞授賞式に行く! 
読者アンケート/この伝記が好きだ! 

本屋大賞で買った本/「打ち出の小槌」が与えてくれた本 上橋菜穂子
ユーカリの木の蔭で/鵜呑みにしない 北村 薫
本と街をうろうろさまよう 柴崎友香
散歩のお伴に『東京 山手・下町散歩』 岡崎武志

新刊めったくたガイド

《嫌な予感》溢れる シーラッハの独壇場だ! 酒井貞道
地球の片隅で起こった出会いと再生の物語 都甲幸治
話題満載の傑作宇宙SF『叛逆航路』で新春読書開幕! 大森 望
企みに満ちた野心作『新カラマーゾフの兄弟』 円堂都司昭
中山智幸『暗号のポラリス』はとっておきの「ひた向き小説」だ! 沢田史郎
カマツカ愛があふれる『湿地帯中毒』が楽しい! 青木大輔
“あの人”の行方が気になる澤田瞳子『師走の扶持』 北上次郎

犯罪のプロフェッショナルが不可能ミッションに挑む! 宇田川拓也
困ったときは〇〇に頼れ!? 小野一光
物件探し 堀部篤史
SF史を変えた傑作『デューン 砂の惑星』が新訳で! 山岸真
月下の一群 秋葉直哉
小林信彦熱烈復刊希望 彩古
自動運転と地図 今尾恵介
校閲ハイの喜び 栁下恭平

吉野朔実劇場/毒を食らわば 吉野朔実
サバイバルな書物/アルバーノフ 服部文祥
読む京都/キャラが滲みだす京料理人の著書 入江敦彦
坪内祐三の読書日記/二〇〇一年五月六日の佐久間さんって、「文ちゃん」じゃなくて「マイちゃん」のことだよ 坪内祐三
連続的SF話/完成主義の人 鏡 明
南の話/変身の半世紀(承前) 青山 南
そばですよ/夜明け前、がつんと一杯の応援歌 平松洋子
カップヌードルの湯気で凍った鼻毛を溶かしたい 中場利一
いない、いない、の本 円城 塔
七十年をへて蘇る高田義一郎の姿 風野春樹
『スカトロジア』で“本好きの病”を読む 若島 正
偽物造りの専門家は本物の男だった 矢口 誠
ホリイのゆるーく調査/『吾輩は猫である』を注だけで読む! 堀井憲一郎
今月書いた人 
今月本の雑誌に遊びに来た人
掲載図書索引 

続・棒パン日常/当事者 穂村 弘
三角窓口/「映像化不可能」の惹句はネタバレ同然だ!? 他
本屋の帰り道 徳永圭子

歩く旅/コロンス島めぐり 沢野ひとし 
都筑道夫の10冊/スタイリッシュな作家の多彩な十冊 日下三蔵 
後記

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