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2018年8月 麦茶ぐびぐび特大号 No.422

造本・装丁の美しさ、出版への理念やこだわりなどから熱烈な読者に愛されつつも、様々な事情で姿を消した出版社は少なくない。では、そんな出版社は何を残し、なぜ消えていったのか...というわけで、本の雑誌8月号の特集は「消えた出版社を探せ!」。高崎俊夫と坪内祐三の消えた出版社総まくり対談から、書店から見た出版社の倒産に、書肆ユリイカ、昭森社、リブロポートとトレヴィル、そしてSF、ミステリーの消えた出版社、らさに出版社社長必読「出版社の『正しい』終わらせ方」まで、記録より記憶に残る出版社の行方と伝説に迫るレガシー特集。本の雑誌社が消える準備ではないので、心配しないで読んでくれぃ!

 新刊めったくたガイドは、♪akiraが家族も生活費もスリリングなスパイ小説『要秘匿』に同情しきりなら、江南亜美子は極限状態の人間を描くフラナガン『奥のほそ道』をイチ押し。大森望が巨大ロボから異界ものまで色とりどりの終末SF揃い踏みを寿げば、若林踏は完全復活粘膜全開の『粘膜探偵』に唖然茫然! 大塚真祐子が朝吹真理子『TIMELESS』の不可思議な世界をただよえば、仲野徹は高野秀行と清水克行の縦横無尽読書合戦に感嘆! そして北上次郎は人々がつながっていく大河物語『チンギス紀』の開幕に欣喜雀躍。さあ、おじさんをどこまで連れていってくれるのか。完結までじっくり付き合おう!

 そして今月はお待たせの上半期ベスト1も発表。独断と偏見の上半期エンターテインメント・ベスト10座談会で、2018年6月までに出たエンターテインメントのおすすめ本が揃い踏み。神保町さくら通りの洋食店でビールぐびぐび激論3時間の末に決定したベスト1は直木賞をとるはずだった(?)『〇〇〇、〇〇〇は〇〇れた』! さあ、読み逃し本をチェックしたら、団扇にスイカに蚊取り線香を用意して、読書三昧のニッポンの夏を満喫しよう!

 今月の図書カード3万円使い放題の挑戦者は本誌の表紙デザイン担当、クラフト・エヴィング商會の2人。神保町東京堂書店で3フロアをじっくり眺め、手触りやデザインを楽しみつつ選んだ11冊に注目だ。そして本誌初登場・国樹由香が読み物作家ガイドにチャレンジ。「煌めく切ない季節に、もう一度会える」辻村深月の10冊を紹介するぞ。さらに宮田珠己が10億円長者になるまでを伝授するドキュメント連載が待望のスタート。読者アンケート「私の上半期ベスト1!」も見逃すな、の本の雑誌8月号は増ページ特大号でちょびっと高いが、中身はますます充実一途。これ一冊あれば、どなたさんも夏休み読書計画は万全だあ!

目次

本棚が見たい!

8月の書店 真光書店 調布本店/8月の本棚 牧眞司
図書カード三万円使い放題!/ゴジラを買って、ちょうど三万円 クラフト・エヴィング商會 
私がロト7に当たるまで/働いてるのに食うべからず 宮田珠己 
黒い昼食会/リバイバルブーム来る!?
新旧いろいろ面白本/300回アマゾンに行ったナマズ博士の探検行 椎名 誠 
ユーカリの木の蔭で/rolling stoneが聞きたい 北村 薫 
一私小説書きの日乗/新起の章(二十四) 西村賢太 
着せ替えの手帖/求むエレガントな貫禄  内澤旬子 

特集:消えた出版社を探せ!

対談/函入り本を出すと出版社は消える? 高崎俊夫vs坪内祐三 
書店から見た出版社倒産 田口久美子 
書肆ユリイカの造本美 田中 栞 
昭森社のこと 内堀 弘 
リブロポートとトレヴィル 永江 朗 
消えたSF出版社 高橋良平 
版元消えても本は残る 新保博久 
出版社の「正しい」終わらせ方 大塚啓高 

特集:上半期ベスト1
エンターテインメント・ベスト10座談会
読者アンケート/私の上半期ベスト1!

新刊めったくたガイド

家族も生活費もスリリングなスパイ小説『要秘匿』 ♪akira
極限状態の人間を描くフラナガン『奥のほそ道』 江南亜美子
巨大ロボから異界ものまで色とりどりの終末SFだ! 大森 望
完全復活粘膜全開の『粘膜探偵』に唖然茫然! 若林 踏
朝吹真理子『TIMELESS』の不可思議な世界をただよう 大塚真祐子
高野秀行と清水克行の縦横無尽読書合戦がすごい! 仲野 徹
人々がつながっていく大河物語『チンギス紀』開幕! 北上次郎

巧さと旨味が詰まった藤田宜永『彼女の恐喝』に脱帽!  宇田川拓也
油断も隙もない新版ラッシュだ! 内田 剛
心斎橋アセンスの「考える棚」 島田潤一郎
宇宙進出に賭ける人類の物語 山岸真
舞台も楽しい『ハイキュー!!』がいいぞ! 岡部 愛
古本心を打つ名店「秀文堂書店」 小山力也
酒と鉄道と筑摩書房コレクション 鎌倉幸子
アクセルべた踏みシニアの欲望探求マガジン 原カントくん

サバイバルな書物/アウシュヴィッツを生き残ったイタリア人 服部文祥 
酔いどれ文学紀行/弁天島の舞ちゃん音頭 太田和彦 
モーター文学のススメ/東に行く男と西へ向かう女 速水健朗 
マルジナリアでつかまえて/残響のマルジナリア 山本貴光 
坪内祐三の読書日記/『日本駅弁図鑑』の大揃いはいくらするだろう 坪内祐三 
連続的SF話/本の整理 鏡 明 
南の話/フェイク、フェイク、フェイク(承前々) 青山 南 
そばですよ/山谷の労働者も骨抜き。すべて計算尽くだった 平松洋子 
鬼花──鬼刑事・花篤好美 父帰る 中場利一 
文字の歴史と広がり 円城 塔 
戦火のセルビアの料理の記憶 徳永圭子 
夏の日の午過ぎ時刻 秋葉直哉 
「私」をむしばんでいく病 風野春樹 
ホリイのゆるーく調査/70年代京都の書店を懐かしむ  堀井憲一郎 
歩く旅/茶館の女 沢野ひとし 
辻村深月の10冊/煌めく切ない季節に、もう一度会える 国樹由香 

続・棒パン日常/作家への感情 穂村 弘 
三角窓口/新幹線ほど読書に不向きな空間はない!? 他
今月の男前/矢部潤子 

今月書いた人 
今月本の雑誌に遊びに来た人
掲載図書索引 
後記 

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