打倒!本の雑誌!! 『とつげき!シーナワールド』編集部緊急コンニャロ対談 シーナとニシザワが吼える!! 最終回 目黒さんに聞く「またシーナさんがおっぱじめましたが......」

文=本の雑誌特派員

  • 飲んだビールが5万本! (とつげき! シーナワールド! ! 1)
  • 『飲んだビールが5万本! (とつげき! シーナワールド! ! 1)』
    椎名 誠
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まもなく発売となります『飲んだビールが5万本!』の見本ができあがったので、さっそく編集部員ニシザワ氏が目黒考二さんのところへ届け、その感想を伺ってきました。果たして「本の雑誌」をケトばすことができるのか。(11月某日 池林房にて)


ニシザワ:『本の雑誌血風録』で、目黒さんがチンチロリンにどっぷりとハマってしまうくだりがありますが、いまわしらも年末恒例の雑魚釣り隊合宿でチンチロリンご開帳しております。目黒さんみたいに目が虚ろになるほどじゃありゃしませんが......。


目黒:ふーん。ま、チンチロリンも面白いけどさ、「テホンビキ」やったら?これは究極のバクチだよ。やり方教えるから。


ニシザワ:コワイな......。さて、この緊急インタビュー連載も最終回です。今回は、「本の雑誌」をシーナさんと一緒に立ち上げた目黒さんがこの『飲んだビールが5万本!』をどう捉えるか、とても知りたくてお時間いただきました。


目黒:シーナは克美荘からはじまって、怪しい探険隊、本の雑誌、ホネ・フィルム、浮き球▲ベースボール、それにいまの雑魚釣り隊か......、いつの時代もその時々の仲間と何か楽しいことをやるのが本当に好きな男だよね。それが今回は、あなたたちと作るこの『飲んだビール~』なんだろうけど、さらにひとつ言えるのは、シーナはやっぱり雑誌が好きなんだなあ、ということだね。ただ、『本の雑誌』の頃とは違って、シーナ本人が前面に立って編集をしたりするだけの時間も余力もないだろうから、今回のようなプロデューサー的な立場でいるんだろう。俺はそれでいいと思う。


ニシザワ:いま、お手元に見本刷りがある訳ですけど、内容についてはどうですか?


目黒:はっきり言っちゃっていいの?


ニシザワ:え?......。なんか相当マズイ感じですか?


目黒:いや、マズくはない。まず、一番面白かったベスト2。これはね、サイトウカイジンのエッセイと、天野哲也のマンガ盛りの話。これが図抜けて面白かった。でね、問題はなぜこの2本が面白かったかっていうことなんだけど、酒の雑誌で酒の話でないことが新鮮だったということもあるけども、それだけではなくて、例えばこの2本の次に面白かったのは、近藤加津哉と竹田聡一郎の旅モノ、次いで河内マキエイのアラスカ話。つまりさ、すべて雑誌後半部分の人たちの記事なんだよ。


ニシザワ:それは本人たち、涙流して喜びますよ。


目黒:俺がこの人たちを知らないだけなのかも知れないんだけど、つまりは、はじめて触れたこの連中の文章がとても新鮮だった、ということだと思う。逆に言えば、シーナやいやはや隊の著名なメンバーの記事ってのはさ、構成も文章も上手い。こういうのは単行本とかで読みたいわけよね。あと、シーナが出すぎだよ。前半だけで記事3本に出てきてる。


ニシザワ:やっぱりシーナさんのことをみんな見たい、読みたいかなあ...と。これは編集担当の僕の発想なんですけどね。


目黒:30年前、「本の雑誌」の営業で京都に行ったんだよ。その京都の書店で同人誌を手に取ったんだけどさ、これがオモシロかった。京都市内をラッタッタで6つの大学が駅伝的に競争する、ただそれだけの企画なんだけどさ、この無意味な面白さったら無かった。バカバカしいけど、本人たちはいたって真面目というね。無意味な面白さというのはさ、いつの時代でも支持されるものだと思う。この『飲んだビール~』はそれをドンドン追求していって欲しい。


ニシザワ:はい。制作予算はぜんぶシーナさん負担なので、ヒトのフトコロで無意味道を邁進していきます。


目黒:では、テホンビキの話に移ろうか。


ニシザワ:いや、それは......。

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