1位は『展望塔のラプンツェル』に決定! 「本の雑誌」が選ぶ2019年度ベスト10を発表! 

文=本の雑誌特派員

  • 本の雑誌439号2020年1月号
  • 『本の雑誌439号2020年1月号』
    本の雑誌編集部
    本の雑誌社
    896円(税込)
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 来年創刊45周年を迎える書評誌「本の雑誌」が、毎年年末に社員の偏愛と激論により決定している本の雑誌が選ぶベスト10。2019年度のランキングが発表となりました。

 第1位に選ばれたのは宇佐美まこと『展望塔のラプンツェル』(光文社)。児童相談所の職員と虐待される子どもたち、不妊治療を受ける主婦、荒んだ街の行き場のない少年たちの、苦しい3つの話が並行していくその先に、魔法のような仕掛けによる大きな感動が押し寄せる傑作小説。読んだ人は必ず感想を語り合いたくなること間違いなし。



 2位は、造本の美しさも素晴らしい、鳥の羽の盗難を追ったノンフィクション『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件』カーク・ウォレス・ジョンソン(化学同人)、3位には淡々と描かれるのが返って恐ろしい『あちらにいる鬼』井上荒野(朝日新聞出版)。以下の順位は下記に。



 また「本の雑誌」2020年1月号では、各評者によるジャンル別ベストテン(SF、ミステリ、時代小説、ノンフィクション、エンターテインメント)や作家、評論家、翻訳家など総勢32名が選ぶ「私のベスト3」も掲載されている。

〈本の雑誌が選ぶ2019年度ベストテン〉

1『展望塔のラプンツェル』宇佐美まこと/光文社
2『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件』カーク・ウォレス・ジョンソン/化学同人
3『あちらにいる鬼』井上荒野/朝日新聞出版
4『偶然の聖地』宮内悠介/講談社
5『森瑤子の帽子』島崎今日子/幻冬舎
6『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団/森功/講談社
7『東海道ふたり旅 道の文化史』池内紀/春秋社
8『太陽のかけら ピオレドール・クライマー谷口けいの青春の輝き』大石明弘/山と溪谷社
9『進化の法則は北極のサメが知っていた』渡辺佑基/河出新書
10『私の家』青山七恵/集英社



『本の雑誌 2020年1月号』

A5判並製 160ページ 定価(本体815円+税)

ISBN978-4-86011-501-2

2019年12月10日発売

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