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「パヴァーヌ」
評価:A
今は亡きサンリオSF文庫の中でもひときわ評判が高く、入手困難な幻のSFと言われていた作品の再刊だそうで、なるほど、噂に違わぬ傑作である。いわゆる〈改変歴史もの〉というヤツで、この手の話はちょっと苦手かも……と危惧しつつ読み始めたのだが、ねじれた歴史の中を爆走する路上蒸気機関車〈レディ・マーガレット〉と出会った途端、まるで底無しの穴に落っこちたかのごとく、ストンと一気に引き込まれてしまった。架空世界の細部は実に精緻に組み立てられていて、各章はそれぞれ独立した短編としても堪能できるし、章を重ねるごとに、世界の核心へと近づいていく構成も絶妙。実質的な最終章である〈第六旋律〉に至っては、そのあまりの高密度なおもしろさに、ページを繰る手が止まらない。それなのに、悲劇に突き進んでいくその展開に堪えきれず、本を伏せたくなるのだから、ホント、困ってしまう。
おもしろさの質、語り口の上手さ、似たような構成という点で、ダン・シモンズの『ハイペリオン』を思い浮かべたが、『パヴァーヌ』は『ハイペリオン』より 20年以上も前の作品である。それにしても、サンリオSF文庫は、当時、けっこう熱心に読んでいたはずなのに、こんな傑作を読み逃していたとは……。再刊に拍手!
【扶桑社】
キース・ロバーツ
本体 1,429円
2000/07
ISBN-4594029434
●課題図書一覧
「マンチェスター・フラッシュバック」
評価:A
体裁は一応ミステリーだから、ラストで一応の結末をむかえるし、謎も明らかにされる。が、何ともそっけなくて、とっつきの悪い小説。クライム・ノヴェルと紹介されているが、エルモア・レナードのような爽快感は皆無だし、ジム・トンプスンの狂気とも、エルロイの絶望ともまた違う、全編、雨が降りしきり、じっとり湿った、実にイギリス的とでもいうしかない、底深い虚無と倦怠が漂っている。それなのに、ひりひりと胸に迫ってくるものがある。バス発着所で男に買われるのを待っている少年達の描写など、ビビットで、切なく、痛々しい。その上、怒りに満ちていて、トニー・リチャードソンの古い映画なんかが想起させられる。〈怒れる若者たち〉の伝統は、その形を変えながらも、しっかり生き残っていた。そんな感慨を抱かせる、これは英国ミステリーの異色の傑作だ。
【文春文庫】
ニコラス・ブリンコウ
本体 657円
2000/07
ISBN-4167218690
●課題図書一覧
「DIVE!!」
評価:B
ダイビングでオリンピックを目指す少年が主人公の人気〈スポ根〉マンガのノベライズ……ではない。れっきとした、オリジナルの児童文学作品である。しかし、そんな印象を受けるのは確か。読んでいて、ダイビングのシーンが絵として鮮やかに浮かんでくるし、迷ったり、ケンカしたり、失恋したりしながら、少しずつ成長していく少年達の様子が実に生き生きと捉えられている。スポーツとしてはマイナーな〈飛び込み〉という競技が舞台設定に奥行きを与えているし、颯爽と登場する美人コーチや、ライバルの出現、不可能としか思えない超絶技への挑戦……など、ストーリー展開は波乱に満ちていて、ワクワク、ドキドキ、第二巻が待ち遠しくてならない。そこでふと気づくのだが、どの部分も、おもしろさの質が極めてマンガ的なのだ。ここでいう〈マンガ的〉とは、もちろん、褒め言葉である。ただ、物語が、ここまできっちりと〈少年スポ根マンガ〉の枠に収まってしまっているというのは、どうなんだろうか。抜群にうまい作家であるということがとてもよく判るだけに、何だか釈然としない気分が残る。児童文学がマンガをライバル視したり、競い合ったりする必要なんて全くないと思うのだが……。
【講談社】
森絵都
本体 950円
2000/04
ISBN-4062101920
●課題図書一覧
「あやし 〜怪〜」
評価:C
宮部みゆきだもの、おもしろいに決まっている。人情の機微を見事に捉え、江戸情緒をたっぷりと匂わせて、あいかわらず、ほろりとさせてくれる。鬼やら霊やらの出てくる怖い話も、情のこもった語り口でしみじみと聞かせてもらえるから、ホラー長編なんかとはまた違う、小粋な怪異譚が味わえる……。それはもう、間違いのないところなのだが、ただ、なんかこう、今ひとつ物足りないものがあるのだ。そもそも、鬼とか霊とかというものは、捨てられた女の怨念やら、理不尽な仕打ちに耐えかねた遺恨怨恨やらが形を変えて、化けて出てきたものではなかったのか。にしては、積み重なった恨み辛みの、ギランと光る凄味がない。ヒヤッとさせる怖さがない。きれいにまとまって破綻がない。とはいうものの、どんな物語であれ、人情の側に大きく傾くのは宮部みゆきという作家の得難い個性なわけで、これはもう、読み手のわがままでしかないのだが……。
【角川書店】
宮部みゆき
本体 1,300円
2000/07
ISBN-4048732382
●課題図書一覧
「骨の袋」
評価:C
実のところ、キングはもう過去の人なんじゃないかと、密かに危惧していた。あんな出がらしっぽい『グリーン・マイル』なんかにゃごまかされないぞと思っていた。で、新作の『骨の袋』なのだが、いつにもまして饒舌で、その点で不安はあったが、まあ、出だしはそんなに悪くない。実際、物語は快調に進み、トレーラーハウスのパーティのシーンでそのピークを迎える。このシーンのヒロイン・マッティの可憐さは、これはもう感涙もの。そして惨劇のクライマックスが始まり、う〜む……と何だか拍子抜け。このラスト、きれいにまとまっているだけに、妙な小粒感が漂っている。キング作品のラストが弱いのは、これはもう、『IT』なんかもそうなのだが、しかし、揺るぎない豊かな物語性ががっしりと全体を支えていた。この『骨の袋』、語り口に騙されて、ぐいぐい読んではきたが、結局のところ、これは、せいぜい中編級のアイディア。この程度のアイディアで、大長編を仕立て上げてしまうパワーの持ち主は、やはりキングくらいのものだろう。しかし、饒舌が過ぎれば物語は痩せてしまう。それを補うために、ますます饒舌になる。キングの不調は、まだまだ続くのか……。
【新潮社】
スティーヴン・キング
本体 (上)2,800円
(下)2,700円
2000/07
ISBN-4105019058 / ISBN-4105019066
●課題図書一覧
「深爪」
評価:C
あまりにも激しく、あまりにも性急な恋愛小説なので、読んでいて、息苦しい。一旦好きになると、もう、待ったなし、行き着くところまで一気に昇りつめてしまうというのは、やはり、同じ性同士の恋愛だから?しかし、そもそも、未知なる存在である相手を、互いに手探りで確認し合う過程が、あるいは確認し合えないということが、恋愛小説の最大のテーマだと思うのだけれど、そんな部分をすっ飛ばして、勝手にどんどん盛り上がられても、読者としては困惑するばかりだ。そういうわけで、最後の夫の章で、ようやく、少しだけ救われた気がするのだが、これってやっぱり、この恋愛に偏見を持っているせいなんでしょうかね? ああ、それなのに、濃厚な性愛描写の部分で、ちょっと興奮しちゃいました。
【朝日新聞社】
中山可穂
本体 1,500円
2000/08
ISBN-4022575271
●課題図書一覧
「ディレクターズカット」
評価:D
テレビ業界の内幕暴露を売りにしたミステリー。テレビ業界の傲岸で愚劣な本音の部分がグロテスクなまでに戯画化されていて(あるいは、超リアルに描写されていて)、読んでいて、実に痛快……、じゃなかった、実に不快。この作家、何かとんでもなく勘違いしてやしないか?
テレビの現状を告発してるつもりで、自らがそこにどっぷり浸っていることに、ぜんぜん気づいていない。撮影か救助か……なんて手垢にまみれたカメラマンのジレンマを後生大事に抱えていても、結局のところ、この主人公も、ただ居直っているだけ。夜の新宿百人町界隈の描写や、外人娼婦達の描き方などに丁寧さが伺えるだけに、何だかやけにしらじらしい一冊。
【講談社】
秋庭俊
本体 1,800円
2000/07
ISBN-4062101467
●課題図書一覧
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