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「骨の袋」
評価:E
歌舞伎の累物や四谷怪談の例を持ち出すまでもなく、恨みを残して死んだ者の魂魄が復讐を遂げるという物語には、通り一遍の怖さよりも弱者を踏みにじって恥じることのない<悪>に対する激しい怒りが先んじてあるべきだ。そりゃあ子供には罪はないけれど、末代まで祟られるようなことをする方が悪い。因果応報だ。街ぐるみ地獄に落ちたって文句はいえない。しかし、理不尽な最期を遂げた者が邪悪な悪霊に仕立て上げられて、退治されるというのも随分な話である。いくらなんでもこれでは未来永劫浮かばれまい。きっとまた化けて出る。他の女性に鼻の下を伸ばす亭主に、嫉妬もしない<彼女>もどうかと思う。東西の文化の違いだろうか。違和感だけが残った。
【新潮社】
スティーヴン・キング
本体 (上)2,800円
(下)2,700円
2000/07
ISBN-4105019058 / ISBN-4105019066
●課題図書一覧
「あやし 〜怪〜」
評価:A
江戸を舞台にした怪奇譚集。私は、こういう小説に出会えたときだけ、日本語圏の国に生まれてよかったと心底思える。当時の習俗とか制度はなんとか説明できても、翻訳ではこの作品世界のしっとりとした空気まではとても伝わらないだろうからだ。まことに理にかなった鬼の解釈に思わずうなずく「安達家の鬼」、悪霊との闘い方も出色なら人情話としても一級品の「女の首」、この世の奈落に生きる女の凄みにぞくりとする「時雨鬼」など、いずれも常民と<魔>との関わりを描いた名品だが、殊に印象深かったのは「布団部屋」である。奇しくも先立った者の霊が愛する者を守るために<魔>に立ちはだかる物語だ。是非「骨の袋」を書いた御大キングにも読ませたい。
【角川書店】
宮部みゆき
本体 1,300円
2000/07
ISBN-4048732382
●課題図書一覧
「マンチェスター・フラッシュバック」
評価:B
三十年以上前、ピンキー&フェラスが「マンチェスターとリバプール」という歌をヒットさせた。マンチェスターとはその後なんの付き合いもない。だからこの街がこれほど病んでいたことも知らなかった。アメリカだったらなんとなくわかるのだが、結局世界中どこへ行ってもこんな調子なのか。なんだか気が滅入ってくる。現在わが国では、多発する少年犯罪を「世情」ではなく「個」の責任に帰結しようとする胡乱な論調が高まりつつある。馬鹿と思われるかもしれないが私は性善説派だ。虐待、貧困、差別‥‥袋小路に追いやられたら誰だって前には進めないし、神の鉄槌が振り下ろされる日まで待っていられない。私はこの作品が完全なフィクションであることを切に願う。
【文春文庫】
ニコラス・ブリンコウ
本体 657円
2000/07
ISBN-4167218690
●課題図書一覧
「ディレクターズカット」
評価:B
マンチェスターも相当なものであるが、新宿だって負けていない。競ってる場合ではないのだが本当は。「不夜城」でも描かれていたが、なんなんだこの街は一体。無法地帯か。人間が選択可能なありとあらゆる醜さがここにはある。けど真水ではないから毒だと括るのもフェアじゃない。東京はれっきとした国際都市である。人種の坩堝が嫌なら鎖国でもすればいい。もし新宿がこのまま犯罪都市として定着するのなら、東京ひいては日本がそれだけの器だということだ。無法地帯といえば、一見良識を装いながら催眠商法まがいの手管で、視聴者の知性を確実に衰退させているTV業界の実情も侮れない。もはやメディアによる立派なテロである。TV中毒よりも活字中毒のほうがよほど罪がない。
【講談社】
秋庭俊
本体 1,800円
2000/07
ISBN-4062101467
●課題図書一覧
「DIVE!!」
評価:AA
読んでいて気恥ずかしい。自分の過去を振り返っても等身大で考えられる部分はまったくなかった。主人公にもさほど魅力がない。むしろ、弟の弘也やクラブメイトの陵にシンパシーを感じた。一芸に秀でる者の内面なんて所詮凡人には理解が及ばないということなのか。いや、どうもそうではないような気がする。多感な少年時代に<何か>を見つけられたかどうか、そのために<それ以外のすべて>を犠牲にできたかどうか。答えは言わずもがなである。ともすれば知季を無味無臭に思えるのは、私自身が<何か>を選ぶことも超える努力もしなかったからだ。流されるほうが楽だったしね。読み終わる寸前にやっとそれがわかった。途端にレプリカントのようだった知季の脈動が伝わってきた。早く続きが読みたい。
【講談社】
森絵都
本体 950円
2000/04
ISBN-4062101920
●課題図書一覧
「のら犬ローヴァー町を行く」
評価:AAA
「ホームズ」と「シートン」。いかにも陳腐だが私の読書習慣の原体験である。その後ミステリ方面のみに耽溺していき動物小説とは疎遠になった。だが娘が幼稚園に通いだす頃から<動物もの>がやたらに出現し始めた。出版業界が動物を子供向けだと決め付けているのか、それともうちの娘がたまたまそんなのばかり借りて来ていたのかは定かではない。でも読んでみると面白いのだ。絵本にだって教えられることがいくらでもあった。私の不見識のせいもあるがこの<ローヴァー>は一般読者を対象にした動物小説としては「かもめのジョナサン」以来だった。私が不快感を覚えるのは動物の目を通して文明批判を試みる手法だ。この本にはそれが感じられなかった。そもそも犬にそんなことをさせるなんて人間の怠慢以外の何物でもない。幸か不幸か地球上では人類が主導権を握っている。いつか立場が逆転したときにシニカルな犬たちが私たちをどう扱うかとても興味がある。私は犬派ではないが断固この本を一押しにする。たとえ近い将来、彼らに断罪される時が来るとしてもだ。
【早川書房】
マイクル・Z・リューイン
本体 1,900円
2000/06
ISBN-4152082879
●課題図書一覧
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