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「のら犬ローヴァー町を行く」
【早川書房】
マイクル・Z・リューイン
本体 1,900円
2000/06
ISBN-4152082879
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>> 本やタウン
今井 義男
評価:AAA
「ホームズ」と「シートン」。いかにも陳腐だが私の読書習慣の原体験である。その後ミステリ方面のみに耽溺していき動物小説とは疎遠になった。だが娘が幼稚園に通いだす頃から<動物もの>がやたらに出現し始めた。出版業界が動物を子供向けだと決め付けているのか、それともうちの娘がたまたまそんなのばかり借りて来ていたのかは定かではない。でも読んでみると面白いのだ。絵本にだって教えられることがいくらでもあった。私の不見識のせいもあるがこの<ローヴァー>は一般読者を対象にした動物小説としては「かもめのジョナサン」以来だった。私が不快感を覚えるのは動物の目を通して文明批判を試みる手法だ。この本にはそれが感じられなかった。そもそも犬にそんなことをさせるなんて人間の怠慢以外の何物でもない。幸か不幸か地球上では人類が主導権を握っている。いつか立場が逆転したときにシニカルな犬たちが私たちをどう扱うかとても興味がある。私は犬派ではないが断固この本を一押しにする。たとえ近い将来、彼らに断罪される時が来るとしてもだ。
小園江 和之
評価:A
ローヴァーは義侠心にあふれた男盛りの自立した犬である。彼が町を行く先々で遭遇するさまざまな犬や人間達とのやりとりがユーモアと皮肉をちりばめた軽妙な文章で綴られる。ただし、この犬、決して某清涼飲料水のTVCMに出ている高倉健のようにカッコ良くはない。それどころか、みょうに理屈っぽく、説教くさい変なやつなのだ。すくなくとも「人生がおれたちに与えてくれるものがもしあるとしたら、それは選ぶのに苦労するくらいある悲しい日々だ」なんてことを健さんは言わないと思う。それでも、安定供給されるねぐらと食事を切り捨て、自立して生きていく態度はなかなかイイ。失うものが何もない自立などこの世には有り得ないのさ---たとえそれが人間たちの世界でも。 なあんて、ローヴァーの口調が感染っちまったぜ。でもこの本、日本の大多数の犬好きにとっては皮肉以外のなにものでもないような気がするんだけど、考えすぎだろうか。
石井 英和
評価:C
弱きを助け悪を挫くハ−ドボイルド犬、ロ−ヴァ−に惚れた!というのが正常な反応なのだろうが、そして私も初めの内は、そんな感想を持って読んでいたのだが・・・読み進むうち気分が変わった。他の犬の苦境を救い、助言を与えるロ−ヴァ−が、なんだか独善的なお節介野郎に思えてきてしまったのだ。 「確かにお前は立派な生命体だろうよ。高校の時のクラス委員のNに良く似てるぜ」 代わりに、ロ−ヴァ−が「面倒を見てやってる」かたちの、他の頼り無い犬たちの失敗だらけの人生が愛しく思えてきた。どうか奴等にも相応の敬意を。ロ−ヴァ−、君のとは別種の人生観も、認めてあげる訳には行かないんだろうか?
中川 大一
評価:B
小説を読む楽しみの一つに、異なる視点の獲得、というのがあるだろう。違った眼で眺めてみると、馴染んだ世界が途端に姿を変えて見せる、というやつだ。だから作家は語り手に工夫を凝らす。マイクル・Z・リューインは、在英の作家らしく犬に透徹した知性を与え、人間社会をシニカルに描写させている。まあ、犬というのは透明人間(H.F.セイント)やゴキブリ(北杜夫)と比べるとそれほどひねった語り手とは言えない。視線をぐっと低くすることで人間を突き放して観察し、日々の暮らしに多少のワサビを効かす、といった風合いだ。平均7、8ページの短編集だからそのあたりが適切。凝りすぎはいけません。通勤中や病院の待合室、職場の昼休みや寝そびれた夜などに、ちょっとずつ読むのにもってこいだ。
唐木 幸子
評価:C
放浪暮らしの犬、ローヴァーが、町で出会う様々な出来事を通して、人間社会を客観的に切ってみせる。
かなり説教がましいけれど、これがなかなか鋭い犬なのだ。「人間は確かに前足は器用だ」(『リーダーに従う』)
「何時間も話し合っておきながら、結局、彼ら(人間)は何もしないのよ」(『伝説のレディ』)など、キラリと光る言葉が各話毎にあって、それなりに楽しめる。犬を飼っていたことのある人は皆、その顔を思い浮かべて、あいつもこんなことを思ってたのかなー、と懐かしんでしまうだろう。と、最初は面白く読み始めたのだが、その後の展開が高まるわけではなく、同じ調子で最終話まで行くので多少飽きてしまう。この著者はミステリやハードボイルドも書く人らしいので、私にはそっちの方が面白いかも知れない。
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