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└2001年5月
「パヴァーヌ」
【扶桑社】
キース・ロバーツ
本体 1,429円
2000/07
ISBN-4594029434
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原平 随了
評価:A
今は亡きサンリオSF文庫の中でもひときわ評判が高く、入手困難な幻のSFと言われていた作品の再刊だそうで、なるほど、噂に違わぬ傑作である。いわゆる〈改変歴史もの〉というヤツで、この手の話はちょっと苦手かも……と危惧しつつ読み始めたのだが、ねじれた歴史の中を爆走する路上蒸気機関車〈レディ・マーガレット〉と出会った途端、まるで底無しの穴に落っこちたかのごとく、ストンと一気に引き込まれてしまった。架空世界の細部は実に精緻に組み立てられていて、各章はそれぞれ独立した短編としても堪能できるし、章を重ねるごとに、世界の核心へと近づいていく構成も絶妙。実質的な最終章である〈第六旋律〉に至っては、そのあまりの高密度なおもしろさに、ページを繰る手が止まらない。それなのに、悲劇に突き進んでいくその展開に堪えきれず、本を伏せたくなるのだから、ホント、困ってしまう。
おもしろさの質、語り口の上手さ、似たような構成という点で、ダン・シモンズの『ハイペリオン』を思い浮かべたが、『パヴァーヌ』は『ハイペリオン』より 20年以上も前の作品である。それにしても、サンリオSF文庫は、当時、けっこう熱心に読んでいたはずなのに、こんな傑作を読み逃していたとは……。再刊に拍手!
小園江 和之
評価:A
さてタイトなスケジュールだと分かっていながら、つい「これを入れてくんなまし」と言ってしまったらほんとになっちまったのが『パヴァーヌ』なんだけど、キングの後に・キース・という作家名の本を読むってのは何だか因縁めいているなあ(その理由は『骨の袋』を読めば分かります、はい)。こっちは改変世界SFの傑作といわれながらも、最初の邦訳版は出版されて二カ月後の87年8月、サンリオ文庫廃刊に伴い幻の名作となってしまい、古書店でもまず見かけない存在になっていたもの。エリザベス一世の暗殺により、世界はカソリック教会の支配するところとなり、科学技術はその使用を制限され、物語の舞台となるイングランドの路上を走るのは蒸気機関車、有人の信号搭の腕木による遠隔通信、ときに感じられる「古い人々」の存在。これら中世的ともいえる風景の中で懸命に生きる人々の姿、そして世代交代していくうち、世界がついに大いなる変革のときを迎えるまでが丹念に描かれる。繊細な筆致はまるで映画を観ているかのようで、当初「な、長いな……」とあせったのが嘘のように引きずり込まれ、あれよという間に読み終えてしまった。このジャンルが好きなむきなら、入手せねば死ぬまで後悔すること間違いなし。あ、それから前菜として『イギリス怪奇探訪』(出口保夫/PHP文庫)に軽く目を通しておきますと、よりいっそう美味しく召し上がれます。それにしても余計なことを言ったために、かような長編が入ることになっちまいましてすんませんでした>他の採点員のみなさま。
松本 真美
評価:C
中盤までは睡魔誘発本だった。歴史の何かが少しズレたら実在したかもしれない路上蒸気車や信号塔の描写は濃く深いと思ったが、わくわく感は誘発されなかった。が、第六旋律あたりから面白くなり、終盤はパラレルワールドもの特有のせつなさを堪能。人生は意味のない孔雀の舞のステップのようなのか、意味の集まりの糸で織り上げられた布なのか…はたしてどっちだ?物語の軸となる、教会の弾圧とそれのもうひとつの意味とか、時空を超えた「古い人々」の存在はさすがにスケールがでかく、こっちまでちょっと歴史を俯瞰した気にさせられた。
石井 英和
評価:B
宗教が原因となって科学技術の進行が阻害された、「もう一つの世界」を描く、歴史改変もののSF。冒頭の、路上走行型蒸気機関車の描写が美しい。また、手動遠隔通信器具にもSF心が騒ぐ。それらの部分の筆の充実具合で、この作品を評価したい。これは実は人間が等身大で対峙可能だった頃の「機械」たちへの頌歌を奏でた、「時に置き忘れられたテクノロジ−」への偏愛小説なのではないか?作品の表面を貫く「テ−マらしきもの」や、最期に現れる「科学の進歩と環境問題」への言及は、「文学たれ!」との内心の声に応えた作者のアリバイ工作に思える。彼は実はその裏で、使い慣れた木工用品の握り具合への愛を歌っているのだ。
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