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唐木 幸子の<<書評>>
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「ビタミンF」
評価:A
『小説新潮』に連載された短編7編。どの作品も重松清ならではの心に沁みる話立てだ。 特に『セッちゃん』がせつない。中学生の一人娘は優等生で明るい性格。娘によると、同級生セッちゃ んがクラスでイジメにあっているらしい。が、その話の裏の真実を思いがけなく父親は知ってしまう、、、。 私、少女時代についた苦しい嘘を沢山思い出してしまった。ああ、この著者、少女の心も描けるのだ! でも、私は『小説現代』連載系の、定年前後の疲れた寂しい男や小学生の男の子が主人公の方が好き。 本書の主人公たちは、まだ自分にも他人にも仕事にも家庭にも恋愛にも未練がある30〜40代。子供も 成人していない。同世代の私としては、身につまされ過ぎて読んでいて辛い辛い。 この本、ビタミンFというよりダイエット中に食べてしまった甘いお菓子という感じだった。
【新潮社】
重松 清
本体 1,500円
2000/08
ISBN-4104075035
●課題図書一覧
「せん−さく」(上下)
評価:C
真面目な少年にひそむ狂気、登校拒否、ひきこもり、家庭内暴力、インターネットを介した動機、親殺 し、あてのない逃走、、、。最近の少年事件の要素をてんこ盛にした感があるが、著者がこれを書いた時点 では恐らく起きていなかっただろう事件もあるので、その想像力とプロットの着眼点には驚く。 少年事件に加わる形で、内気な主婦・典子がストーリーに迷い込む。彼女が何者だったかがわかる瞬間 がこのミステリーの頂点だが、これにはドキっとする。ええっ?!とあちこちを読み返してようやく納得。 しかしなあ、避けられるべき傷害が安易に繰り返される割に、罪に対する咎が不足してないか?リアリ ティの衣がはげて、作り話の無責任さだけが心に残ってしまう。『せんーさく』という題名も今ひとつだ。
【幻冬舎】
永嶋恵美
本体 1,700円
2000/09
ISBN-4344000153
●課題図書一覧
「師匠」
評価:B
面白いと噂には聞いていたが、この著者の作品は初めて読んだ。上手い!座布団5枚!!! 5編の短編それぞれに、全くタイプの異なる落語の師匠が描かれる。『すず女の涙』の糖尿病師匠、『講 師混同』の女好き師匠や、『先立つ幸せ』の同性愛師匠、みんな人情に溢れて魅力的だ。(エイズウイルス に感染しても2年ではまず死なないけど)また、その師匠たちを慕い、大事に思う弟子の素直な心持に打 たれる。他人を大好きだと思う気持ちは人間が生きていく上で何よりの励み、宝だと気付かされる。 最後の『はんちく同盟』だけは、内容構成ともに少し読みにくかったのでA落ちでB。 この著者は落語ばかりを背景にしてなくても、スポーツ、例えば相撲小説とか書けないかしら。
【新潮社】
立川談四楼
本体 1,300円
2000/08
ISBN-4104247022
●課題図書一覧
「川の深さは」
評価:B
この著者にはオリジナリティがある。というのが読み終えての第一の感想だ。ヤクザと宗教を巻き込ん だ国家権力の企みの真相は、規模が大きいにも拘わらず、話に破綻がない。最後の1ページにまで、感動 のドンデン返しが盛り込まれていて飽きない。登場人物の一人一人が主役を張れる信念を持っており、そ れぞれの誇りに溢れる行動には手垢にまみれぬ人間性、個性を感じる。後半の都市テロの緊張感はハリウ ッドの超大作アクション映画に匹敵するスケールだ(『マトリックス』風の雰囲気!)。 じゃあ、なんでAじゃないの?というと、それは好みの問題としか言いようがない。私は政治や宗教に 関わる事件には事実を求めたいので、これらを素材にして膨らみきった虚構の世界は楽しめないのだ。 そういうのが気にならない人には、間違いなくお勧めの1冊だ。
【講談社】
福井晴敏
本体 1,600円
2000/08
ISBN-4062102846
●課題図書一覧
「新宿鮫 風化水脈」
評価:B
私は新宿鮫シリーズはおろか、この著者の作品には一切、触れたことはなかった。本作が初めて。 そういう読者に対しては本書はかなり不親切だ。恋人の晶が男なのか女なのかも暫くは不明だし、(最 近はわからないからなあ)鮫島の過去も全然知らないので、大して凄い刑事だとは思えないまま話は進ん でしまう。前半でやたらと新宿史や犯罪構造など、森村誠一ばりに背景説明があって退屈で眠くなった。 本作品は新聞連載だったそうだが、新宿鮫ファン以外はここら辺で脱落するのではないか。 が、これを乗り切って流れに乗ると後半は一気だ。40年前の屍蝋化した死体が発見されたあたりから、 それまで意味ありげでバラバラだった話が俄然、繋がってくる。一応、読まず嫌いは返上したぞ。
【毎日新聞社】
大沢在昌
本体 1,700円
2000/08
ISBN-4620106151
●課題図書一覧
「フォー・ユア・プレジャー」
評価:B
元刑事の保育園園長にして私立探偵の花咲慎一郎の正義感あるキャラクターが実に好感が持てるが、彼 が命をかけて救い出そうとする最愛の女性、理紗が人の世話になりっぱなしの女性で、なんだこいつ。元 妻の弁護士・麦子や女医の奈美の方がずっと良い女なのになあ。まあ、世の中、そういうもんだけど。 この著者のホームページを覗いたら、私と同じ40代女性だったのでビックリ。どうりで保育園の話や 赤ちゃんの世話など真実味があるわけだ。でも一切のオバサン臭のない切れ味にはつくづく感心した。同 僚殺しだという花咲の背景が未だ全部は明らかにならず、今回は顔見世で登場した感じの過去の愛人等も いるので、これからシリーズ化されるのだろう。このまま土曜ワイド劇場に持っていかれそうな気もする。
【講談社】
柴田よしき
本体 1,800円
2000/08
ISBN-4062097974
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「悪魔の涙」
評価:AA
この夏、映画『ボーン・コレクター』を見ようかなあ、と思いつつ、『リプリ−』や 『パーフェクトス トーム』に走ってしまって見逃したのだが、しまった、残念!! 同じ著者の本作が こんなに興奮の1冊 なのだったら、『ボーン・コレクター』もさぞかし面白かったに違いない。 いやはや、トイレに行くのも我慢して読み切った至福の4時間だった。 まず筆跡鑑定人(こんな職業って本当に犯罪捜査にあるの?)のキンケイドのキャラ クターが真摯で鋭 くて好ましい。たった1通の脅迫状から隠された真実を次々に浮かび上がらせて真犯 人を追い込む手腕に は冷徹な女FBIのルーカスさえ心惹かれていく。その辺の描写も実に自然で無理が 無い。 いよいよクライマックスかと息を詰めて読み進んでも、そこから更に二転三転。 幾度ギョっとしたかわからなくなった頃、遂に驚愕の魔の手がキンケイドに 襲い掛かる。映画だったら両手で何べんも顔を覆うところだ。 真犯人が余りにも意外で、こんなの久しぶり。きっと映画になるんだろうなあ、待ち 遠しいなあ。
【文春文庫】
ジェフリー・ディヴァー
本体 848円
2000/09
ISBN-4167218712
●課題図書一覧
「水の棺の少年」(上下)
評価:B
料理の上手い殺人鬼、って今までいたかなあ。学校の食堂で感謝祭に彼が作ったのは、七面鳥のキャセ ロール、インゲン豆と山盛りのマッシュポテトにグレービーソース。温かいパンとリンゴとシナモンの香 りのする出来立てのパイ、、、。この裏で殺人と暴力を繰り返すアンバランスが実に病的で怖い。 主人公のホーソンは悪の溜まり場のような学校に校長として赴任してくるが、病んでいるのは生徒では なくゴシップと汚職に慣れきった教師たちだ。渦巻く悪だくみに敢然と立ち向かうホーソンが自分の命を 捨てているところが泣かせる。でも、この事件の後、学校はどうなったのか、とか、腹が立ったら言い訳 無用でアイスピックで脳を串刺しにする殺人鬼が何故、特定の人には手を下さなかったか、とか、結局わ からず終いのことが多いので、B。でも、上下巻、長さを感じずに読みきれる上等のサスペンスだ。
【ハヤカワ文庫】
スティーヴン・ドビンズ
本体 680円
2000/08
ISBN-4150409579
ISBN-4150409587
●課題図書一覧
「少年たちの密室」
評価:C
著者は31歳と若いのに、どことなく何十年も昔に読んだ推理小説の雰囲気が漂う作品だ。 性格が異なる六人の高校生と事無かれ的担任教師が、突然の大地震で倒壊した地下駐車場に閉じ込めら れて、という状況設定にまず、ぐんと引き込まれる。イジメ暴力に屈しない少年や素顔の見えない担任教 師など、登場人物の個性が生きていて、真相が段階的に明らかになってくる構成もよく出来ている。 でも、余りにも何枚にも折りたたまれすぎて、肝心の本当の中味が見える頃には私は疲れちゃって、、、、、 どうでも良くなってしまった。私のタイプの、一番魅力的な男の子が冒頭で死んでしまってるしなあ。そ れに、真暗闇で誰にも気付かれずに暴力生徒を一撃で殴り殺すのは、やっぱり無理があると思うが。
【講談社ノベルス】
古処誠二
本体 820円
2000/09
ISBN-4061821474
●課題図書一覧
「この世の果て」
評価:D
出来の悪い兄を探しに出かけてヒッチハイクする主人公ジョーを怪しげな男女二人連れが拾って、あっ という間に殺人事件に巻き込んでしまう、、、、という出だしはなかなか面白かったのだが、どうも、登場 人物が全員、つかみどころがないのだ。悪役も中途半端で直ぐに負傷するし、宗教家も大してカリスマ性 はなさそうだし、美しい女性信者もどこまで信心深いのか曖昧だ。みんな本心は不明で居場所が無くて、 終いには追いかけていた捜査官まで右往左往し始める。サンクチュアリに辿り着くまでに、活劇あり大波 乱ありで結構すごい展開なのだが、何故か、『朝起きて顔を洗って歯を磨いて、、、、』みたいな感じで迫力 がないのだ。ホールデン、無理してアクションを取り入れなくても良かったんじゃないかと思う。
【扶桑社ミステリー】
クレイグ・ホールデン
本体 838円
2000/08
ISBN-4594029574
●課題図書一覧
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