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【新潮社】
立川談四楼
本体 1,300円
2000/08
ISBN-4104247022
今井 義男
評価:AAA
正直に告白する。本の包みを解いた瞬間、未読候補の筆頭だった。どうしてもミステリを優先してしまうので『ビタミンF』と本書が残り、さてどちらを読むかと考えて重松清を選んだときも、ペナントレースで巨人が優勝を決めた後の阪神-広島戦並みの興味しかなかった。元来私は上方落語のマニアである。東京落語はめったに聞かない。大阪には妙な真打制度がなく上下関係も東京ほど折り目が正しくない。何かにつけて適当な感じがいいのだ。そんなわけで、よりにもよって談志の弟子が書いた小説かぁ、とため息をついて読み始めたのである。作中、談志におもねたような文章が一行でも出てきたら即座に本を閉じるつもりだった。前振りはここまで、以下結論。声を大にして言う。これはまぎれもない傑作だ。落語ファンもそうでない人も「先立つ幸せ」と「はんちく同盟」の二編は必読。読書の神様並びに編集部の皆様、そして談四楼さん、すみませんでした。二度とこのような不遜な態度で本には触りません。そう言えば<と学会>方面にも談志門下が一人いた。稀にではあるが、やはりとんびは鷹を生むのだな。
小園江 和之
評価:C
短編が五つ入ってて、どれもそれなりに面白いんだけど、どういう話かって書いたらオチが分かっちゃうから書けない。気に入ったのは『打ちどころ』と『はんちく同盟』で、前者には泣かされちゃったものの何処か確信犯的で、考えてみりゃ古谷三敏『寄席芸人伝』のノリでした。後者のほうがより私の好みだけどオチが少ししつこいかな。さっそく『三人旅』って落語ネタの収載されてる本を探したんだけど空振り。時間がとれたら図書館で調べてみるけど、駄目だったら読書相談室で訊いてみようっと。それにしても、芸人はとりあえず転がってなきゃいけねえンだ、てのはいいなあ。生きることに不器用な師匠の台詞だけに、なおのこと胸が熱くなる。
松本 真美
評価:B
遠目に表紙を見たとき、ビートたけしの絵かと思った。とても中味に合ってる。 ウエちゃんとかのブーイングを覚悟して書くと、私は関西系のお笑いが苦手で、漫才も落語もついでに寿司も江戸前好きである。東京の、親しくても漂う距離感、崖っぷちで見せる余裕--要するに、どっかよそよそしいくらい意地っ張りな笑いが好みなのだ。この5編に描かれた世界はどこを斬っても江戸前だ。師匠を心の芯で案じる弟子、俗っぽさ満載の講師師匠のもうひとつの面、煮詰まった落語家の土俵際の開き直り、孤高の落語家の生きざまと最期、無敵のハンディキャップ演芸版…。どれも一歩間違えばウエットになるところを、ぎりぎりで踏ん張ってドライで明るい。<粋>だ。初心者向けのわかりやすい粋だとは思うけど。
石井 英和
評価:B
ひょっとして落語界は今、絶滅せんとしているのか?そんなことを思ってしまったのだ。よくある芸人談、というか、風変わりな世界に生きる人々の奇矯なエピソ-ド集を想定してペ-ジを繰り始めた。が、一読、伝わってきたのは「滅び」の気配だった。冒頭の作からすでに、その気配は濃厚に立ち込めている。落語界がどうのではなく、著者の、これが文章書きとしての個性なのだろうか?私が想像していたような、芸人たちの飄逸な行動を描いた作品も含まれてはいるのだが、そちらにはあまり閃きは感じられない。むしろ、悲運の内に死んでいった師匠の足跡を訪ね歩く「先立つ幸せ」のような作に、良さがある。最後に収められた、ある意味、只事ではない「はんちく同盟」には、やられた。
中川 大一
評価:B
ブラックで、しかもホロリとさせる笑いって、あり得るんだねえ。最後に収められた「はんちく同盟」にご注目。小児麻痺・アル中・半身不随といった患いを抱えた芸人たちが、チームを組んで老人ホームを回る。同盟の総裁は、膝から下が両足義足の落語家。彼が司会するときの、自分たちの障害を笑いのめす口上がすごい。差別を逆手に取った愛情表現、ではすまされない迫力がある。観客と読者の笑いは、当初凍りつき、やがて溶けだしてじわじわ暖まり、最後に爆発する。他の4篇の中には、少々あざとかったり作りすぎの部分もあるけど、総じて、寝ころんで一気読みの快作集だ。舞台は東京の落語界だから、上方の噺家たちが活躍する、中島らも著『寝ずの番』(講談社)と読み比べてみるのも一興だろう。
唐木 幸子
評価:B
面白いと噂には聞いていたが、この著者の作品は初めて読んだ。上手い!座布団5枚!!!5編の短編それぞれに、全くタイプの異なる落語の師匠が描かれる。『すず女の涙』の糖尿病師匠、『講師混同』の女好き師匠や、『先立つ幸せ』の同性愛師匠、みんな人情に溢れて魅力的だ。(エイズウイルスに感染しても2年ではまず死なないけど)また、その師匠たちを慕い、大事に思う弟子の素直な心持に打たれる。他人を大好きだと思う気持ちは人間が生きていく上で何よりの励み、宝だと気付かされる。最後の『はんちく同盟』だけは、内容構成ともに少し読みにくかったのでA落ちでB。この著者は落語ばかりを背景にしてなくても、スポーツ、例えば相撲小説とか書けないかしら。
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