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【新潮社】
リチャード・ノース・パターソン
本体 3,200円
2000/09
ISBN-4105316028
今井 義男
評価:B
話は至ってシンプルである。地上に存在する価値のないゴミのような男が一人殺されただけ。この男の真骨頂は生前にも劣らない死後の迷惑振りだ。男の卑劣な策略によって容疑者の弁護士は思春期の息子ともども窮地に立たされる。離婚に伴い娘の監護権を男と争っていた元妻は弁護士と愛人関係にある。動機は十分だし、目撃者は出るわアリバイはないわで絵に描いたような八方塞がりだ。おまけに政敵までもが一枚噛んでいる。欧米の法廷サスペンスに欠かせない検事と弁護人の芝居がかったやり取りや、陪審員制度を巡るディティールは何度読んでも面白い。作者が置き去りにしたとしか思えない<ある人物>の処遇については大いに不満が残るが、《唾棄すべき男》リカード・エイリアスとその母ソニアを知るだけでも読む価値は十分にある。
原平 随了
評価:B
読み応え十分のリーガル・サスペンスの大作。裁判の経過がとても判りやすく、二転、三転するプロットは手に汗握るし、ラストぎりぎりまで伏せられている事件の真相にも驚かされる。また、アメリカの離婚事情や、その後の子育て、裁判での子供の争奪戦などが詳細に描写されていて、そういった部分が、主役二人の恋愛も含めて、この小説を味わい深いものにしている。
ただ、主要なテーマの一つが、ああ、またか……の幼児虐待もので、しかも、その部分の展開が、やや、ストーリーの都合上のような印象があって、なんだか、後味がよろしくない。それと、もう一点、引っかかるのが、主役があまりにもエリート過ぎるということ。地位も金もあり、女にもてて、かつ、きわめて誠実な男が主人公だなんて、なんだか、ちょっと……。
小園江 和之
評価:D
陪審員制度という言葉は知っていたけど、彼等を選出する時点から駆け引きがはじまるとは知らなんだ。法廷モノだから検察側と弁護側の丁々発止のやりとりが大半を占めるんだけど、決定的な物的証拠が無いだけに証人から引きだす言葉ひとつで有罪と無罪のあいだを行ったり来たりする様子にはらはらさせられる、はずだったが……。それと、いくら自分の亭主が度し難いすっとこどっこいだったとしても、子供の監護権を争ってる最中に新しい恋人と二人だけで旅行に出掛けちゃう神経はどうかと思う。あっちの読者はあんまり気にしねえのかな。舞台の性質上仕方ないんだろうけど、活劇要素はゼロなので法廷マニアのご隠居向きか?。なめくじの這いずるような進行速度とあいまって、地獄のように退屈でありました。
松本 真美
評価:B
とにかく、リッチーの憎たらしさったらない!あんまり不愉快で前半で読むの止めよ うかと思った。今年読んだ本のキング・オブ・ヤなヤツだ。
一方、後半、特に「公判」は一気。陪審員になった気分で証言のたびに翻弄された。『罪の段階』もそうだったが、こういう小説を読むたびつくづく思うのは、アメリカって、ああ言えばこう言う揚げ足取りの国民性だなあってこと。真実なんて二の次なんじゃないの?面白いんだけど、どこか激しく間違っている気もする。そういう意味ではとんでもない女だよな、キャロライン。「大草原の小さな家」のキャロラインはつましい母さんなのに…って関係ないですね。
父子小説としては前作の方がよかったが、「子供の眼」の章、タイトルに二重の意味があって面白かった。でも読後、ちょっと疲労感。
石井 英和
評価:D
長過ぎる・・・帯に、「超弩級サスペンス」とあるが、なにしろ、やっと死体が転がるのが、アメリカではよくあるのであろうと思われる離婚劇内幕の描写が150ペ-ジ続いた後なのだ。「すべての法廷スリラ-を越えた」ともあるが、開廷に向けて準備が始まるのは、この書のちょうど半分あたりまで読み進んでから。そして、この書自体は、辞書くらいの厚みがあるのだ。スト-リ-そのものには、意表を突くどんでん返しも、きちんと含まれてはいるのだが・・・物語の主眼である「法廷」で交わされるのは、論理の展開の面白さというより、主に自らの側を有利な立場に導く駆け引き、テクニックであり、その下にうごめくのは権力欲や、薄汚い下半身事情の描写。どうも読後感もすっきりしない。
中川 大一
評価:A
そうかあ。高給取りの嫁さんと離婚して子供をこっちの手元に置くと、養育費ををたんまりもらってぶらぶら暮らせるんだ。いやあ羨まし……ハッ、いかんいかん。下司野郎の敵役に肩入れしてどうする。やり直しっ。冒頭から、マイノリティの配役・家族の崩壊・主人公のトラウマと、アメリカン・ミステリお約束3点セット(いま考えたの)が登場。先月評価Dの『この世の果て』を髣髴とさせる。いやな予感。だがその杞憂も、陪審員の選定が始まるとぶっ飛ぶ。自殺か殺人か。有罪か無罪か。公判での丁々発止の攻防に、ぐいぐい引き込まれる。絶対確実なはずの証言も、有能な検事の弁舌に攻められると夏の陽炎より頼りない。いかにも無理のある証拠も、手だれの弁護士次第でぐっと現実味を帯びる。量刑のための「真実」って、法律家のパフォーマンスによって「創り出される」んだねえ。巻末に明らかになる真相は意外ではない。でもそれは、本書が、アクロバティックな謎に頼るような際物じゃないことの証左なんだね。
唐木 幸子
評価:AA
2段組600ページ、登場人物27人のリストを見て、かなわんなあ、と最初は思ったのだが、読み始めてすぐに、ダントツで今月のイチ押しはこれだっ!と決定。分厚いので2晩に分けて読まざるを得なかったが、会社を休もうかと本気で考えるくらい面白かった。特に裁判の陪審員を選ぶくだりや公判での弁護士と検事の知力を尽くした攻防(公判だけで延々200ページ続くが全く長さを感じない)は法廷サスペンスものとして最高の切れ味と深みがある。真相が明らかになるのが怖いような哀しいような、極端な意外性はないのだが緊張は最後まで持続する。恋人テリの夫・リッチ-を殺した疑いで起訴される主人公クリスは誠実で考え深くて大変に好感が持てるが、更に鋭いのが彼が雇った女性弁護士・キャロライン。クリスが無実だとは信じていなくとも、手の中にあるだけの材料で弁護の論理を組み立てて行く手腕が圧倒的だ。プロやなあ、、、と感動した。次作は彼女がメインキャラクターらしいので(年に一作しか書かないのね、この人)待ち切れない気分だ。
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