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【新潮社】
佐藤多佳子
本体 1,700円
2000/09
ISBN-4104190020
今井 義男
評価:AA
少年スリグループとの争いをきっかけに邂逅した、出所したばかりのスリ辻牧夫と中性的な占い師、昼間薫との奇妙な友情物語。幼なじみの咲、家主の三沢医師、薫の姉冬美など脇を固める個性豊かなキャラクターも、酷薄な少年たちとの対比に重要な役割を果たしている。誰もが隠し持っている歪んだ選民意識を代弁するリコの「捕まっちゃいけないのよ。あたしたち」という言葉がうそ寒い。負傷者は続出するし、救いようのない悪党も登場するが、全体のトーンはそれほど暗くはなく、ハッピーエンドとまではいかないまでもなんとか収拾にはこぎつける。生身の人間の弱さと強さを併せ持つ薫の生き方には羨望の念を禁じ得ない。三沢屋敷を吹き抜ける心地のよい風には今日もハーブ・ティーの香りが混じっているのだろうなぁ。そんな柄にもないイメージが読後もしばらく頭から離れなかった。
原平 随了
評価:A
ずっとこの心地よさに浸っていたい、このまま終章を迎えず、永遠に読み続けていたいと思わせる小説。文章もセリフも、登場人物達も、軽快で、軽妙で、とっても爽やかなのに、読み終えた後、何かが深く心に残っている小説。男とか女とかと関係なく、人を好きになることがこんなにも気持ちいいことなんだと気づかせてくれる小説。あの『しゃべれども、しゃべれども』と同じ作家が書いたとはとても思えぬ、似ても似つかぬ物語なのに、受ける感触がとてもよく似ていて、それが嬉しい小説。ハートウォーミングなユーモア小説なのに、思いがけない展開が待っている、一筋縄でいかない小説。少年少女達がリアルに捉えられていて、それなのに深刻ぶった調子を毛ほども感じさせない、後口のさっぱりとした小説。こうやって、この小説の良さを上げていくと切りがない、そんな小説……。
小園江 和之
評価:A
主人公の愛称がマッキー。おいおいマジックインキじゃあるまいに、なんぞと軽く突っ込み入れて読み始めたら面白くてとまらない。前作に比べると起こる事件の数が多いので、こんなに次から次とイヴェントがあるわきゃないよな、と頭の隅っこで考えはすれど、軽快な台詞まわしとしなやかな地の文に乗せられてしまう。登場人物に徹底的な悪人が一人もおらず、唯一それっぽい「ハル」という少年スリも孤高のワルになりきれない弱さを露呈するし、マッキーの育ての親やその周辺の人物達もいかにものキャラクター。でも読んでいるとそうした人達が生きて息をしていそうな気がしてくるし、しまいにゃ敵役のハルの行く末までも心配になってしまう。これはもう『シリアス版・男はつらいよ』ですわな。
松本 真美
評価:B
宮部みゆきとはまた違う意味で作者の清潔な人柄が作品ににじみ出てると思った。前作できっと「健全ねえ」なんてことも言われ、今回は設定も人物も社会から逸脱してみたのかもしれないが、世間的にはいかがわしかったりするスリや占い師という職業も、登場人物の辻も昼間もその周辺の人物も、ちっともうさんくさくなくて、むしろ清廉。若者の迷いやとまどいをきめ細かく描いたまっとうな青春小説だと思う。
けっこう好きだが、唯一留保はハル。出てくるまでは、カリスマぶりや不気味さがよく出ていてカッコよかったけど、実際、登場してからは魅力が半減。最後の辻との勝負も今ひとつ私には中途半端な感じ。すっきりさせて欲しい。つまりは続編希望。
石井 英和
評価:C
合法、違法、あるいは実業、虚業を問わず、特殊技能を中心に据えた物語は面白い。この小説で言えば、スリ。その上この作品は、ありがたい事に登場人物はきちんと動き回り、人間関係を織り成し、スト−リ−を編んでゆく。登場人物の事情説明的セリフに頼りつつ、ではなく。主役も脇役も、そして敵役の秘めた「謎」の提示も、その真相が明らかにされてゆく過程も、十分魅力的だ。が、弱った事に著者は、クライマックスに至って、恋愛やら人と人の絆やらに関する感傷を物語に大量に注入してしまうのだ。湿度過多、ビショビショになった世界で、終局の「対決」もふやけたものに終わってしまう。この終わり方は残念。また、焦点がちょっとはっきりしないので、もっと「スリ」に視点を絞ってみるべきだったのでは?
中川 大一
評価:B
スリと占い師の不思議な友情。ベタつかずそっと見守るような、でも相手のことがとっても気になる感じ。ありそうもない話だけど、読んでて不自然ではない。登場人物の数がちょうどよいから、読者がすみずみまで見渡せる。ただ、この書き出しだと大体結末の予想はつくわけで、もう少し中程をカットしてサッと終わらせた方がよかったかも。それにしても、集団スリってこんなふうにやるのか。内ポケットにボタンを掛けようが鞄のジッパーを確かめようが、これじゃあダメだ。俺なんていっつも注意散漫だし、特に東京出張の時が剣呑。不案内だとすぐ巻かれちゃう。ああ周りが皆スリに見えてくる(東京の人ゴメン)。読んだ人の後の行動に影響を及ぼすなんて、描写にそれだけ真実味があるってことだね。
唐木 幸子
評価:B
スリ・辻牧夫の黄金の右手にかかったら、電車内で数分で10万20万とゲット出来るのだ。本作を読んでいたのが混んだ中央線の中だったので、思わず回りを見渡してしまった。私はスリになんて出会ったことないが、こんな簡単に財布を抜き取れるもんなんだろうか。そりゃ真面目に働く気はしないだろう。辻と女装の占い師・昼間が互いに領域に踏み込むことなく好意を抱きあう経緯は変だけどとても可笑しい。
後半、少年少女のスリ集団が追い詰められていくくだりから、銃をぶっ放すわ、包丁持って病人が助っ人に駆けつけるわ、で荒唐無稽になってくるのが少し残念だ。それと詳しくは言えないけれど、結末で逃げおおせたらしき奴が1名いる。キッチリ物事のケジメが付いてないのは後味が悪いなあ。
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