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【講談社】
薄井ゆうじ
本体 1,900円
2000/09
ISBN-4062103133
今井 義男
評価:AAA
かつてこの人の文章に出会ったとき、ひどく突き放されたような感じがしたことに加えて著者近影もすこぶる愛想がなく、あまり好感は持てなかった。雑誌で連載されていた当時、エンタテインメントとしてはテーマが地味だし、改題前はなんと芸のないタイトルだと思った。というわけで先月の反省もすっかり忘れて本を手にしたのだったが、この小説の強力な磁界に引込まれてしまうのにさほど時間はかからなかった。義父とは経営理念が相容れず、断ち切ったはずの家族との関わりは意に反して蘇る。日本的なビジネス方式を忌み嫌い、冷徹な正論を鎧のごとく身にまとった武藤の心性が微妙に揺らいでいく過程が良質の教養小説を彷彿とさせる。行間から立ち上る知的興奮、頁を繰るごとにいや増す嵐の予感。小説を読む悦びがこの本には満ち溢れている。活字の迷宮で新たな鉱脈を掘り当てた。そんな気分に浸れるのはそうざらにあることではない。私の偏った読書傾向を軌道修正する時期がきているのかもしれない。
原平 随了
評価:C
薄井ゆうじがこんな話を書いているということに驚いてしまった。コンニャク製造会社の社長である養父によって帝王学を叩き込まれた青年が、養父に反発しながらも、倒産しかけた会社を立て直すというお話である(この作品の前に『社長物語』というのがあるらしいが……)。
物語そのものがつまらないという訳ではない。けっこう楽しめるのではないかと思う。主人公が養父の家に対して抱き続ける違和感や、ラスベガスでブラックジャックの奥義を極め、荒稼ぎするシーンなど、薄井ゆうじらしさを感じさせてくれる部分もしっかりとある。が、後半、日本に帰ってきてからの展開にはかなりの違和感を抱かざるを得ない。
薄井印のファンタジックでハイセンスな話じゃないからという、そんな意味ではなく、基本的な物語の構造が、会社の経営とか、株がどうとか、配当がどうとか……という日常的で窮屈なルールに縛られて、本来の奔放さが感じられないのだ。薄井ゆうじは、こういった話から最も遠い場所に立っている作家だと思っていたのだが……。
小園江 和之
評価:C
青年実業家の成長譚です、じゃしょうがないか。義理人情が絡むかわり潰れりゃ社長の一族郎党にまで累が及ぶ日本的経営とビジネスはゲームであり途中放棄したのでなければ負けても恥ではないとする米国的合理主義のたたかい。とまあテレビドラマなんかによくある図式なんだが、本書はもっと深いところまで斬り込んでいる。主人公は「なんのために会社をやるのか」との問いに「金を得るため」と答えるが、だからといってその金をどう消費するのかには興味がない。金で買えないものはないが「すべてのものは、手に入れたとたん腐っていく」と言うのだ。そんな青年がラスベガスで出会った人物と交流するうちに、会社とそれが生みだす金銭の効用に気づいていくわけ。皆さん、レッドフェイス・テストやってます?
松本 真美
評価:C
江戸川区の図書館で棚が充実している地元作家薄井ゆうじ。今までかなり読んでいるつもりだったが、ちょっとご無沙汰しているうちに作風が変わった気がする。でも、感想を述べにくい話を書くところは相変わらず(?)。
『ナニワ金融道』小説版か?KSDに関わっちゃうような中小企業の社長さんが読んだらかなり勉強になるんじゃなかろうか。ある意味、入子(いれこ)の帝王学小説という気もするが、そういう方面にシンクロしなかった私は、ひとりの青年の成長小説として読んだ。が、残念ながら、最後までその青年に魅力を感じなかった。終盤、彼が美砂に言う長科白が始まったときは「よし!ここでグッときてえ!」と身を乗り出したが、目の前に本人がいるのに「ある女性が…」とか語られて興醒め。こんな箇所で醒めてゴメンネ、だけど。
石井 英和
評価:B
とにかく、著者の意見を2分割して登場人物AとBに割り振った、そんな会話がやたらと繰り返されるので、この調子で「経済学入門」を読まされるのは?と危惧したが、その経済論をきちんとドラマとして展開してくれたので、最後まで興味を失わず読むことができた。が、主人公が「経済」によって世界のすべてを読み解けると信じた結果、恋愛不能症、というか、ある種の人間関係不全に陥っている内面が明かされながら、それが掘り下げられずに放り出されたまま話が終わってしまうのはいかがなものか。その辺をコロッと忘れて「良質の事業が成功すれば、全ては丸く納まるのさ。わはははは」と、主要登場人物全員集合で青空を見上げて、爽やかに笑いつつエンドマ−クを出されてもなあ。
中川 大一
評価:E
作者はよく勉強している。舞台となる蒟蒻(こんにゃく)会社の業態。主人公が資本を稼ぐ、ラスベガスのカードゲームの内幕。中盤に出てくる自己啓発セミナーの実情。だけど、どれもそれぞれの情報や資料を引き写しにしたようで、小説の描写としてこなれていない。一方、会話もかなりの説明調。「 」を外せばそのまま地の文になるんじゃないかと思えるくらい。ああ、石井採点員のしかめっ面が目に浮かぶ(会ったことないけど)。タイトルから分かるように、作者あるいは主人公は、ビジネスや人生をゲームに喩えようと懸命だ。しかし、その比喩自体は陳腐なものだし、会社経営と賭博を重ねることで何が見えてくるのかが伝わってこないんだ。前作『社長物語』(講談社)を評価してた人、どう思います?
唐木 幸子
評価:C
小説現代に連載中に読んでいた一作だ。去年の『社長物語』もそうだったが、第1回はとても面白いのだ。状況設定が独創的で、これは先が楽しみ!だと思っていると、中盤、必ずダレる。経済の仕組みとか会社経営などに知識も経験もない人間にとってはビジネスゲーム的な話はつまらなくて、私は読みかけた連載はまず放り出さないほうだが、その限界辺まで来てしまう。分野に素人の読者の興味をどのくらい引き付けるか、という点で不足があるように感じる。後半、自己啓発セミナーに集団で参加する頃から再び人間同士の関わりが焦点に戻って読みやすくなる。でも、脇役の登場人物達は生き生きしているのに主人公の武藤だけが生命力や人間性が感じられないのは残念。もう少し温かみを持たせても良かったのでは。
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