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【集英社】
天童荒太
本体 1,400円
2000/11
ISBN-408774373X
今井 義男
評価:B
作家にとってはともかく、読者にとってベストセラーの功罪は相半ばしないというのが私の持論である。経済的に成功を収めるとより高みを目指したくなるのか、それまでの経歴を忘れて<文学>に擦り寄ったり、関心があさっての方向にずれていったりする。余裕のあまりいつしか冗漫さと文章力をはき違えてブレーキの壊れたアメリカの作家しかり、類稀なホラーをくだらない続編で台無しにしただけでは飽き足らず、なにを勘違いしたのか育児を語り始めた日本の作家しかり。寡作ながら優れたミステリを書き続けてきた天童荒太がこれからどうなっていくのか少し心配になった。なんか変に生真面目そうだし。作品が一人歩きしてもどうか無用な義務感だけは持たずにいてほしい。<癒し方面>への分水嶺には危険な足場がいくつも口を開けているのだから。
原平 随了
評価:D
タイトルからして、イヤ〜な予感がしていたのだが、これがホントにあの『永遠の仔』の天童荒太の作品? と思わず疑ってしまいたくなる、期待外れの短編集だった。
若い母親が生まれたばかりの娘に手をかけてしまいそうになる話、神経を病んだ男が同病の少女の立ち直りかけた心を壊してしまう話、心に傷のある男女が支え合いながら生きていこうとする話……など。どの短編も実に解りやすく、それなりに胸を打つものがあるけれど、どの短編も、精神科の病理のモデルケースのように類型的で、安直なストーリーのように思う。結局のところ、この作家は長編向きということなんだろうが……。
小園江 和之
評価:B
家族の最小単位とはなんだろう。親子は血の繋がりがあるぶん、もとが他人の夫婦よりも分かりあえるはずだと無意識に思ってしまう油断。幾層ものフィルターで濾過され、滲み出した感情だけを行き交わすだけの無難な関わり合い。ほんとうは濾紙の向こうに残された滓のほうにこそ、本体があるのかもしれないのに。じゃあ、そのフィルターを剥がされてしまった者達はどうなるか。無防備であっという間に傷だらけになってしまう魂同士が、こわごわと確かめ合いながら寄り添い、共有できる外皮をすこしずつ造ってゆくしかないのだろう。心が壊れてはじめて見えてくるものって、決して少なくはないと思う。だから「やすらぎの香り」のようなお話が好きなんである。ちょっと見には日活青春物っぽいけどね。
松本 真美
評価:C
あふれてますよね、愛。傷ついたり傷つけることで壊れかけた人間を描いた世界だが、視点は基本的に優しい。でも作者が描きたい世界というより、<永遠の仔教信者>のために描かされた世界みたい。…妙に腰の低い教祖だけど。
4編とも全然悪くない話だと思う。特に「喪われてゆく君に」の危うさやせつなさは好み。ただ、最後のキメがどうにも信者向けだ。こういうふうに感じる私は心が汚れているんだろうか。でも、「読み手のシンパシーを得るには?」って信者共々リサーチされたような読後感。全員が同じ方を向かされるみたいなのって、小説でも映画でも音楽でも苦手なんだよなあ。『孤独の歌声』のどこか収まりきらなさ、が好きだったんだけど…。大化けしちゃったからな。
石井 英和
評価:D
世に、「難病もの」とでも呼ぶべき実録読み物のジャンルがある。いわく、「ガンに打ち勝った夫婦愛」等々。その種のものの人気の構成要素には、例えば、安直に得られるドラマの感動やら覗き見趣味、等があるのだろう。そのジャンルは「実録」の世界であり、フィクションとして書かれる場合は、難病プラス、例えば「医療現場の実態を突く!」といった別のテーマをも持つケースが多い。では、「心の難病」は?「心を病む人達をフィクションに描き出す」って何だろう?この作品集の中では、その幾つかの症例が描かれ、あるいは患者が発病に至る、人生の軌跡が語られている。「心を病む」状況を解説してみせる事。その現実としての重さを突きつける事。そして文学としての感動。どこか、何かが違うような気がしてならないのだが、私には。
中川 大一
評価:C
浜やんがなかなか課題図書を送ってこないので、近所の図書館に出かけた。そこで本書を検索してみたら、予約待機者106人だって\(◎o◎)/!= おお、おお、観測史上初の3桁、これじゃ今世紀中はおろか、再来年になっちゃうよ。すごすご。さて、本書を読み終えてテレビをつけたら、舟越桂氏が映っていてびっくり。カバーの天使像を作った人だ。前作『永遠の仔』と同じ趣向。この彫刻については、三角窓口でも賛否両論あったはず。人の似姿というのは、確かに不気味で近寄りがたい。しかし、読了後に改めて眺めてみると、じわじわ温もりが伝わってくると思う。四本のうち三編が、心に患いを抱えた人たちの物語。私は、「やすらぎの香り」の香苗を、はらはらしながら応援したい。あなたの回復は、私の癒しでもある。
唐木 幸子
評価:B
今の世の中を生きている人間なら、誰でも知り合いに心を病んだ人がいるのではないか。それは家族だったり友人だったり仕事仲間であったり、自分自身である場合もあるだろう。本書を読んでいる間中、そんな人たちの顔が次々と思い浮かんだ。本書におさめられている4篇の主題は少しづつ異なるが、どれも人間の傷つきやすさ壊れやすさに焦点を当てている。心の奥深くに鋭く切り込むことはしていない。物語をそのまま目の前にそっと置かれた感じだ。答えがないので読後感にはもどかしさが残る。特に、『やすらぎの香り』の病んだ者同士の男女が必死に支えあおうとする危うさは、読むのも苦しい。どちらかというとこういう題材に対して客観的な経験しかない人の方が、素晴らしい!と感動しそうな1冊だ。
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