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【文藝春秋】
桐野夏生
本体 1,619円
2000/09
ISBN-4163194800
今井 義男
評価:C
チームによるものづくりのバランスが互いの譲歩ではなく、往々にしてその場の力関係で左右される側面が生じるのは想像に難くない。度を過ぎたエゴがもたらす緊張もまた、芸術を完成させる原動力になり得る。だからこの小説に真の悪役はいない。それぞれが立場に応じた正論を持っている。撮影現場で次々に持ち上がる軋轢の場面はとても面白かった。<選ばれし者の恍惚と不安>の正体は存外、嫉妬と打算なのかもしれない。そこが人間くさくていい。ただ、あまりに多視点で語られているために一人一人の抱えるドラマが稀釈された感は否めない。光源が多すぎて濃度が色あせてしまった。後日談で綴られる結末もいやにそっけない。一人勝ちした俳優がバニシング・ポイントに突っ込む姿は無理やりすぎて気の毒である。
原平 随了
評価:D
一本の映画の制作に携わったスタッフ・キャストたちが、それぞれ自分の主張を押し通そうと、腹を探り、力関係を計り、突っ張り合い、いがみ合う、そんな映画制作現場の様子を克明に描いたのがこの作品だ。
しかし、この連中の作ろうとしている映画の何と魅力のないことか。何と貧相なことか。桐野夏生の皮肉な眼差しは、彼らの肥大した自尊心を見事にあぶり出してはいるものの、その一方で、彼らが魅入られて止まぬ肝心の映画の魔力というものを捉え損なっている。
例え、これが、実際の映画制作現場のリアルな再現であるとしても、あるいはまた、日本映画の現状であるとしても、これでは、ボスの地位を争う猿山の猿の生態を描いたのと何ら変わりがないのではないか。
小園江 和之
評価:C
ある独立プロの映画制作の顛末とそれに関わる人々の行動と心理が描かれています。はいおしまい。全部で五章からなるお話なんだけど、折り返し地点のあたりまで読んで、ほんとうにそう書いてすませちゃおうかと思いました。でもまあ暇だから我慢して読み進めたら、なんと三章の終盤から俄かに転がりだして面白くなるじゃないの。いま掴んでいるものを手放さなけりゃ得られないものって確かにあるんだけど、天秤にかけたあげく退屈だが無難な方向を選ぶのが世間の常識。その常識なんぞほっぽり投げてしまえそうになる瞬間が、誰にでも一生のうちに何回かはあるんでしょうな。撮影監督・有村の「夢を押さえ付けたり絞り出したりして生きて行かなくてはならないのだ」という台詞が脳にしみました。
松本 真美
評価:B
今月は妙に帯が気になるが、この帯もよけいだと思う。光の当て方によって、登場人物の過剰さや欠落感がいろんな形に見え隠れするさまがすっごく魅力的な小説だと思うのに、玉置優子=裏○り、とか断定されてるとな。先入観もって読んじゃうじゃん。森エリが無○気だとも思わなかったし。それとも、この帯自体が光源に対する煙幕なの?あ、ちょっと鋭い?…こともないか。
それにしても、さすがに『OUT』を書いた人だけある。ぐいぐい読ませるし、苛ついて屈折した、独自の遮眼帯をつけた人間を描かせたらホント巧いなあ。彼女の小説の人間達って、どこかかなわないって感じだもん。何がかなわないのかはわかんないけど。怒らせたら怖そうだしな。いや、作者じゃなく登場人物が、ですけど念のため。
石井 英和
評価:B
私事で恐縮ですが・・・青春時代、シンガー・ソングライターとしてのデビュー話が反故になった(笑ってくれていいよ)際の古傷がピリピリ刺激された。こんな事って、普通にあるんだよ。「表現という事業」の現場における「夢の実現」は、ゼニカネの都合や、それに係わる人々、それぞれの思惑によって、思ってもいなかった方にねじ曲げられ、ついえる。そんな虚実皮膜のトワイライト・ゾーンにこそ浮かび上がる人間たちの儚い内実を描いて、著者の筆はリアルだ。それにしても、このラストはどうかなあ?どうもスッキリしないけど。ところで著者の名は、流行りの性別不明名。<恥ずかしい写真を撮らせる女を男たちは「馬鹿だな」と嘲笑う>との記述があるが、男たちは「嘲笑」ってなどいないのであって、それを「嘲笑」と取るのは、やはり女性の世界理解だろうなあ。
中川 大一
評価:C
この小説には主人公がいない。映画製作をめぐって、新人監督・撮影監督・俳優・女優・プロデューサーが、等分に描かれる。だから、一人の人物から見た印象が、次の描写ではひっくり返されることになる。薄っぺらなアイドル崩れだと思ってた女優が、意外に思慮深かったり。高慢に見える俳優が、実は小心者だったり。こういう書き方は、描写が一本調子になるのを避ける利点があるだろう。けれど、くるくる視点が変わるぶん、読者の個々のキャラクターへの思い入れも浅くなる。結局、「私の一冊」にはなりづらいのではないか。『OUT』の著者だけに、こっちの期待も大きく、評価も辛くなりがち。まあ、この本は、近鉄の中村紀洋が打ったシングルヒットみたいなもんやね。
唐木 幸子
評価:B
最初は、40半ばの女性が主人公なんて珍しい、これはAだと思って興奮して読んでいたのだが、後半の後日談と幕切れが今ひとつだ。我儘な俳優・高見のアメリカ在住の妹の話は不要なんじゃないか。最後まで傲岸不遜でいてくれた方がわかりやすい。それよりもっと大事なことが残っているだろう。帯に『こんな勝手な奴ら見たことない』というコピーで作中の登場人物が紹介されているが、それに言葉を借りるなら、優子の裏切りも有村の狷介も高見の我儘も薮内の傲慢さも佐和のしたたかさも皆、それほどではないのだ。しかし実際の人間の心理って強い面だけでは押し通せなくて妥協がつきまとうものだろうし、そういう意味で、著者の描く駆け引きはいつもながら真実味があって一気読みさせられてしまった。
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