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ジャンゴ
【角川文庫】
花村萬月
本体 552円
2000/10
ISBN-4041898072
石井 千湖
評価:C
破滅的な人生に憧れた高校生の頃に読んだならきっとはまったはず。悪魔のような美女、指を失ったギタリスト、畸形のオカマ、芸能界を裏で仕切るヤクザ者、ドラッグで転落する女。頽廃的な世界。登場人物中唯一の常識人と思われる芦原の述懐が感想にそのまま当てはまる。「よくもまあ、ここまで自分に溺れることができるものだ」。自分は特別な人間だと錯覚する力が「才能」と呼ばれるものの正体なのか?暴力もエロもてんこもりだが、小説家なんてただの大嘘つきだと妙に醒めているところには好感が持てる。ただし悪魔的美女・麗子の造形の陳腐さが気になる。吐くセリフも自意識過剰でアホっぽい。わざとなのかなあ。オカマのミーナは楽しいのに残念。
内山 沙貴
評価:C
人はみな畸異者なのよ、とミーナは嗤う。人の存在は矛盾に満ちている。その矛盾に気づいた人間、矛盾を認めた人間、そして矛盾そのものである人間……。人々のその矛盾を内包した世界は、いびつな形の石を無理やり積み上げた巨大な砦だ。神は砦の核心となる石をひとつずつ取り除いて、世界を篭絡してしまう。砦が崩れ落ちる時に生じる、一時だけの秩序を求め。神は知っているのだ。どの石を取り除けば世界の形がどのように変わってゆくのかを。矛盾におぼれる人間たちは、それでも誰も悪くはない。だけど世界は畸形である。世界に群がる畸形の者たちよ、人が死んで、初めて世界は秩序に満たされるのよ…そう云って、ミーナは悲しく嗤った。
大場 義行
評価:B
とにかく物足りない。喰い足りないというべきか。腹八分目という感じ。小説として完全に出来上がっているのも判る。が、もっともっと読んでいたい。ブルース、ドラッグ、ピストル、ナルシシズム、性依存、近親相姦、同性愛、自殺願望、嫉妬、復讐。とにかく花村萬月得意のクソッタレな世界が爆裂している。そしてそれが美しい。こんなクソッタレな物語なのに、悲しいブルースにのって展開し、そして完結してしまうなんて。特にラストの壮絶な美しさ。完成されているからこそ、物足りないという不思議な小説だった。確かに何かを足したとしても、それは蛇足だと判っているのだが。
操上 恭子
評価:C
「暴力とセックスとドラッグ」この3つが花村萬月の小説のキーワードだ。いやキーワードというより三題噺といった方が近いかもしれない。裏返せば、花村萬月の小説にはこの3つしかない、ということもできる。だが、「暴力とセックスとドラッグ」だけで、これだけ様々な物語を創りだせるなんて、素晴らしいの一言につきる。
今回の舞台は芸能界。私の苦手な暴力団系はあまり出てこないし、最後のカタルシスまで一気に読ませてしまうものはある。ただ、人物の造形は薄っぺらだ。特に、外見的には完璧な女だという、ヒロイン麗子の魅力が伝わってこない。「暴力とセックスとドラッグ」を求める男たちにとってはそれでいいのかもしれないが、何となく不満が残る。
小久保 哲也
評価:C
読み始めたが最後、一気に最後まで読み終わってしまう。登場人物や、様々なシーンは強烈なイメージを残していくものの、同じ系列の作品をすぐに続けて読む気にはなれない気持ちが残る。残虐なシーンの表現が、あまりにも「匂い」を感じさせるからだ。たとえばそれは、血の匂いであったり、性欲の匂いなのだけれどそういったシーンを頭の中で再構築するのに、何かためらいを感じてしまうような表現を、作者はするのである。では、読むのを止めればよいのだが、なかなかそうもいかない。この作品は、「恐いもの見たさ」のツボをグサリと突いている。
佐久間 素子
評価:A
下劣な暴力と欲望を大きなモチーフとしながら、この気高さは一体何なのか。悪魔そのものの麗子が哀しい神に思えてくるのはなぜなのか。食わず嫌いをしてきたが、なるほどこれが花村萬月の魅力なのであろうと納得。吐き気のするような暴力行為のあとで、同じ人物の繊細な心象がえがかれ、悲痛なドラマのあとで、第三者の醒めた目がその感傷を笑いとばす。そうしたバランスのとれた視点の移動が全編をつらぬき、非現実的なストーリーと登場人物に感情移入を許す。世界の汚いものをすべて浄化したあとの、ちぎれるような痛みを想像させる美しい小説だ。
山田 岳
評価:A
一歩一歩階段を降りるたびに日常をはなれ、地下の扉をあけたときには別の 世界がひろがっている。そんな風にして花村萬月の世界に引き込まれていく。地下の穴ぐらで展開されているのは、生と死の匂いが濃くからみあった背徳 の旋律。ハードボイルドと言ってしまうと、何やら乾ききった異国の物語になってしまうが、『ジャンゴ』は高温多 湿の中で汗がじわりとにじみ出でてくる日本の風土にぴたりとあったもの。シュールな世界での性と暴力を描いた芥川賞受賞作とはあきらかにタッチが異なっている。残念ながら一部の人には「えぐい」と思われるかもしれないが、それをのりこえたところに花村ワールドのおもしろさが待っている。
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