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「ジャンゴ 」
評価:A
一歩一歩階段を降りるたびに日常をはなれ、地下の扉をあけたときには別の世界がひろがっている。そんな風にして花村萬月の世界に引き込まれていく。地下の穴ぐらで展開されているのは、生と死の匂いが濃くからみあった背徳の旋律。ハードボイルドと言ってしまうと、何やら乾ききった異国の物語になってしまうが、『ジャンゴ』は高温多湿の中で汗がじわりとにじみ出でてくる日本の風土にぴたりとあったもの。シュールな世界での性と暴力を描いた芥川賞受賞作とはあきらかにタッチが異なっている。残念ながら一部の人には「えぐい」と思われるかもしれないが、それをのりこえたところに花村ワールドのおもしろさが待っている。
【角川文庫】
花村萬月
本体 552円
2000/10
ISBN-4041898072
「春風仇討行」
評価:A
司馬遼太郎を大河ドラマとするなら、宮本昌孝はもっと気軽なテレビ時代劇。登場人物をやたらアップでとらえる表現方法は実にテレビ的だ。と言っても、「水戸黄門」のような、最後にカタルシスのおとずれる展開ではない。むしろ月9ドラマのように、冒頭から見るものをつかんではなさない演出がたくみに施されている。江戸時代がけっして形式ばった堅苦しい時代ではなくて、現代人と同じように、ひょっとしたら現代人よりも生き生きと人生を謳歌していたことが伝わってくる。最近視聴率が低迷しているというテレビ時代劇の関係者には、ぜひとも宮本昌孝を読んで研究してもらいたいものです。
【講談社文庫】
宮本昌孝
本体 533円
2000/10
ISBN-4062649926
「絶景、パリ万国博覧会」
評価:A
タイトルを見たときから読みたくてうずうずした。万博の基礎となったのは、1798年の第一回フランス内国博覧会。政府が産業振興のために、実用商品のみをコンクール形式で展示するために催した。当時は、売りつけられる心配をすることなく商品を見物できる機会はほかになく、そのうえ散歩好きのフランス人が散歩しながら見物できて、アトラクションやスペクタクルも用意されていたから、大評判となった。これが発展して万博となったのだが、もともとの姿はモーター・ショーのようなものだったことがわかる。企業だけで「博覧会」のようなものができてしまう昨今、万博が急に魅力を失ってしまったのも無理はないと納得させられてしまった。
【小学館文庫】
鹿島茂
本体 752円
2000/11
ISBN-4094047727
「酸素男」
評価:B
忙しくて時間のない方には、あまりおすすめできません。たっぷりと時間をとって、かみしめるように読んでください。「高校時代は甲子園にも出たけど、今はしがないサラリーマンさ。ふっ」という人は泣けてくるかもしれません。「学生時代はオレの方がアタマよかったのに、なんでアイツがオレの上司なんだ!」と憤るあなたの心も、やさしく癒してくれるでしょう。そんな話ですから、冒頭からおもしろおかしく話がすすむなんてことはありません。むしろさえない今のじぶんを見せつけられているようで嫌になるかも。それをぐっとこらえて読みすすめていくと、じわじわっと人生の味がひろがりますよ。
【ハヤカワ文庫NV】
スティーブ・ヤープロ
本体 840円
2000/10
ISBN-4150409684
「ジンジャー・ノースの影」
評価:B
アメリカ西部の田舎町にある競馬場で働く厩務員たちの姿を淡々と、かつテンポよく描いていく筆のさえは、どこかウイリアム・フォークナーを思い起こさせる。フォークナーの製材所が、ジョン・ダニングでは厩舎にかわったというところだ。これだけ力量のある作家なら、孤児院で育った男の母親さがしというテーマだけでも十分に文学として成り立つはず。それが102ページにして起こった殺人事件のために、ストーリーは急展開してサスペンス・ドラマとなっていく。(サスペンス・ファンとしては、もっと早く事件を起こしてくれよと言いたくなるかもしれないが)しかし第一発見者が警察に追われるというのは、ちょっとパターン化しすぎているのではないか。
【ハヤカワ・ミステリ文庫】
ジョン・ダニング
本体 740円
2000/10
ISBN-4151704051
「アンダードッグス」
評価:C
舞台はアメリカ・シアトルだが、著者はイギリス人。イギリスの作家は導入部を長くつづる傾向があるが、ロブ・ライアンも例外ではない。ひとりの男を警察、ベトナム帰りの元兵士、対テロ特殊部隊そしてマフィアが追いかけることになるのだが、それら一つひとつを丹念に描いていくものだから、50ページをすぎても事件が始まらない。役者も全部出そろってはいない。この長い導入部をのり切れるかどうか。マリナーズの話は欠かせないシアトルの気風はわかるけど。長いといっても、映画のように短いカットをつみ重ね、話のテンポもいいので、さほど気にはならない。通勤電車の中で読むのにいい作品です。
【文春文庫】
ロブ・ライアン
本体 733円
2000/10
ISBN-4167527618
「2000年のゲーム・キッズ」
評価:A
タイトル、表紙絵はともにB級だけど中身はA級。本気で売る気があるんかいな?この本の編集者は。椎名誠のファンというだけでこのホームページを開いたあなた。読んでごらんよ、この本。おもしろいよう。ショートショートってのはね、ひとつのお話が5ページくらいで終わってしまうの。読むのがおっくうになる前におわってくれるんだ。おまけに最後にかならずオチがある。だからこの本1冊で34回の「くすっ」を楽しめちゃうんだ。しかも読み終わったときには「臓器培養」だの「バイオ・ファクトリー」だの最新ハイテク用語の意味がすっかり頭に入っている。それでこのお値段!お買い得だよ!
【幻冬舎文庫】
渡辺浩弐
本体 533円
2000/10
ISBN-4344400399
「ジグザグ・ガール」
評価:A
優秀なマジシャンのショーは、幕のあがった瞬間から観客の目をひきつけてはなさない。イギリスの作家はイントロ(導入部)が長いなんて言ったのは誰だ!? あ、オレか(笑)。40ページにして事件がおこり、68ページにして訊問が始まる展開のはやさ。いくらなんでもはやすぎると思ったら、イギリスでは自殺か他殺かの認定も裁判所で陪審団がきめるのね。評決は「死因不明」。警察はもっとよく調べなさいってことで、正式に事件として認められたことになる。死んだのは主人公の同棲相手。主人公は一年も暮らしていながら、この女のことを何も知らない。この設定は、アンドリュー・デイヴィスの「B.モンキー」に似ている。と思ったら、話の合い間あいまに死んだ女の独白が入ってくるパターンまでいっしょ。主人公はまじめだけど、女の方はちょっとあぶないってところもね。おい、マネしたんじゃないのか!?って思ったけど、おもしろいから許す。
【創元推理文庫】
マーティン・ベットフォード
本体 920円
2000/10
ISBN-4488207022
「変人島風物語」
評価:D
評者には初対面の作者だが、評者の父は多岐川恭の名前を知っていた。なんで?と思って奥付を読んだら1961年と’60年に出た作品を1冊に復刻したものだった。とても40年もまえの作品とは思えないほど文体は今日的で、内容も色あせていない(ごく一部に今では「不適切な表現」と言われるものはあるけど)。表題作は探偵役の主人公が読者に語りかける形で進行し、登場人物はテレビの2時間ドラマのように動く。そして漢字は少ない。冒頭に著者からの挑戦状がのっているが、テレビゲーム感覚で謎解きに挑んでみるのもいいだろう。でも、がしがし読みたい人にはちと物足りんかも。
【創元推理文庫】
多岐川恭
本体 880円
2000/10
ISBN-4488429017
「千年紀末古事記伝 ONOGORO」
評価:B
鯨統一郎という作家になじみのない読者はまず解説を読むべし。彼がいかに歴史に造詣が深く、それでいて歴史の常識をひっくり返す「ミステリー」を発表してきたかがわかる。「*古事記の真相に触れています。」という扉書きや「後悔は致しませぬか」の稗田阿礼の言葉は、歴史ファンをわくわくさせるだろう。神話から前史時代の実情をさぐる考古学者もいるが、鯨氏の「古事記」は反対に実情とはまったく切りはなされたファンタジーのようだ。詩のように短文での行がえがくり返されるので、歴史小説になじみのない若い読者にも楽々と読みすすむことができる。それがいつのまにか鯨ワールドに迷いこむことになるのだが。
【ハルキ文庫】
鯨統一郎
本体 640円
2000/10
ISBN-4894567695
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