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「百年の恋 」
評価:E
美貌で有能なキャリアウ−マンと、身分不相応にも(?)彼女に惚れた男の結婚物語。気になる「意外にも恋が成就した理由」だが、これは恋愛小説ではなく、著者の「女性と社会・論」を展開するための書ゆえ、重要事項とは認められず省略されたようだ。登場人物は、例えば「家事や育児に追われ、夫の浮気に翻弄される女の気持ちにもなりなさい」との、男への叱責の具現化である「家事に追われる夫」やら、「出来る女の意外な内実」の戯画化である「妻」やらを演じるロボットであり、「形通り」以上の人間的感情は、実は付与されていない。また、スト−リ−も、著者の「論」の展開のためにだけ存在しているようで、私は小説を読む楽しみを見つけ得なかった。多分著者は「良い小説」を生み出すよりも、「正義」を世に知らしめる道を選んだのだろう。
【朝日新聞社】
篠田節子
本体 1500円
2000/12
ISBN-4022575573
「岬へ」
評価:C
いまさら「巨人の星」に感動してみろ!と言われても困るよなあ・・・少年が、様々な人や事件と出会い、成長してゆく、いわゆるビルドゥングス・ロマンという奴。するする読めるのだが、どうもこちらの魂には響いてこない感動だ、という気がする。映画化の際には「男が男らしく、女が女らしかった時代、本物の感動があった」とか宣伝されそうな物語だが、結局、「親父の昔の自慢話」に過ぎないのではないか?そうなってしまったのは、この、過去が舞台の物語を書き上げる際、著者が、自身の視点もまた過去に置いてしまっているせいだ。ために、読んでいても、浮かび上がってくるのは「本物だった時代」への懐旧の念ばかりで、著者の今を生きる息吹きが感じ取れない。なんだか「印刷されたばかりの古本」を手渡されたような気分になってしまうのだ。
【新潮社】
伊集院静
本体 2000円
2000/10
ISBN-4103824034
「涙」
評価:D
なんだ、こりゃ?結婚式を目前にして突然、殺人の疑惑を被せられ、姿を消した婚約者を捜し回る女の物語。昔、昼下がりのTVでよくやっていた「すれ違い系メロドラマ」を思わせる。しかし、このヒロインによる探索行は、どこか名所案内的で、切実な筈がそうも読めなかったり、逆に最後の島巡りに至ってはパラノイア的に見えてきたりで、具合がよろしくない。その上、終局でなされる、婚約者の失踪の理由説明もすっきり納得できるものではなく、スト−リ−展開の都合上、登場人物を強引に失踪させてしまった著者が、失踪を読者に「必然的!」と納得させるために悪戦苦闘している感じだ。怪作。唐沢俊一氏がよく紹介している「昔描かれたヘンテコな少女マンガ」に近い手触りもあり、「結構笑えたから採点A!」とやろうかとも思ったが。
【幻冬舎】
乃南アサ
本体 1800円
2000/12
ISBN-4344000412
「心では重すぎる」
評価:B
マンガ界裏事情プラス渋谷の若者事情、主にドラッグ関連。それを、お得意 の裏社会事情で締めて、携帯の呼び出し音を至る所で鳴り渡らせた作品。物語の前半で提示される「失踪したマンガ家」や「女子高生」に関する謎は、終局に至って(以下、これから読む人の興味を削がぬよう、削除)が、ファンの人達は、謎解きのカタルシスより、そこに至る過程で語られる「大沢節」に、まるで音楽を聴くように酔わんがために、彼の著作を手に取るのだろう。そう、小説というよりは、おそらく音楽なのだ。今回は内省傾向の作品なので、ある種の懐メロ的感覚がある。私もペ−ジを繰りながら、結構その気で「歌って」いたので悪い点は付けずらいが、しかしこれが小説の本道になるのは困る。あと、登場人物が座り込んで長話をするシ−ンが頻繁にあるのは、やっぱり納得できない。
【文藝春秋】
大沢在昌
本体 2000円
2000/11
ISBN-4163197303
「アニマル・ファクトリー」
評価:E
それでどうした、と言えば、どうもしないのであって・・・なんか、退屈しちゃったなあ。いや、中身は激烈なことが書いてあるんですよ、アメリカの刑務所内の目を覆う惨状を。しかも、その中で囚人の成長?物語りあり、人種対立あり。でも、それを読まされたこちらは、「ああ、そんな現実があるんですか、大変ですねえ」みたいな生返事しかする気にはなれない。結局、この著者が、その激烈な現実から「ドラマ」を読み取り物語りに紡ぎあげる独自の視点を持たないまま、小説を書いてしまったって事じゃないだろうか。激烈な現実をそのまま写生すれば激烈な小説が出来上がると、安易に信じ込んで。逆に、その「視点」さえ持てば、退屈な日常生活だって、過激なドラマになりうるのに。この小説は、その「ドラマたり得る視点」が欠けているんじゃないだろうか。
【ソニー・マガジンズ】
エドワード・バンカー
本体 1800円
2000/10
ISBN-4789716171
「岡山女」
評価:A
西欧文明の侵入としての「文明開化」が、各地方都市にも当たり前の風景として定着した頃。「心中騒ぎ」に巻き込まれ片目の視力を失った女は、その代償として、「霊」を見る能力を得る。それはまるで、太古のカミからもたらされた聖痕のようだ。西洋の唯一神の命ずるままに厳しい競争社会に現実が変わり行く、その狭間で、老いたる地母神は囁く。「そのような争いから逃れ、私の元で安らぐがいい」と。それはしかし、大地の底に死体として横たわり腐敗して行く、そんな「安楽」なのだが。勝負は始めからついている。生ある者はいつか死し、土へ帰るのだ。大地の底の死者の、束の間の夢としての現世。そんな現実が見えてしまう女の物語りが妖しく美しい。「開化」の中から庶民が気まぐれに選び取った「新時代の呪物」たるコ−ヒ−液や彩色写真やハレ−彗星が儚く哀しい。
【角川書店】
岩井志麻子
本体 1300円
2000/11
ISBN-4048732633
「八月の博物館」
評価:B
この小説、「あの夏の日の幻想の博物館の向こうに広がっていた、時空を越えたアドベンチャ−」と「創作に関する、著者の私小説的独白」の二つの部分に分けられるけれど・・・う−ん、後者はいらなかった!外では、きらめく陽光が少年を一夏の冒険行に誘っているのに、何が悲しくて、作家の「書くとは?」なんて内省に付き合わねばならないんだい?秀逸なアイディア、「同調」で、素敵にSFな風景が描けているじゃないか。そのまま余計な思いを捨てて全力疾走する、それが著者が目指すべき革命だったと思うぞ。とりあえず、「文学コンプレックスなんてぶっ飛ばせ!目指そう、ワイドスクリ−ン・バロック!」とエ−ルを送っておこう。採点対象本には珍しいSF作品だから、Aを付けたかったんだけどなあ、私の思い入れとしては。
【角川書店】
瀬名秀明
本体 1600円
2000/10
ISBN-4048732595
「終極の標的」
評価:B
ポンポンとたたみかける文章が快く、また、短く章を切る場面転換もスピ−ディで、その疾走感に煽られ、一気に読まされてしまう。普通のアクション小説なら銃撃の応報で済むところが市街戦の様相を呈したり、ミサイルが担ぎ出されたりの「やり過ぎ傾向」には笑ってしまったが、戦闘場面の迫力はさすがだ。銃器、あるいは科学捜査の現場など、メカニックに係わる描写も恰好いい。すべては「戦場の論理」で描かれており、登場人物が肉親の死に涙する場面はあれど、戦闘場面における死は記号に過ぎず、ためにバタバタ人は死んで行く。文学コンプレックスのかけらもない、その姿勢がいさぎよい。(身も蓋もない、という話もあるが)なお、中身は希薄なくせに量だけはある辞書的厚みの小説本の氾濫する昨今、本書の「薄さ」は、爽やかだ。支持する。十分だよ、これで。
【早川書房】
J・C・ポロック
本体 1800円
2000/12
ISBN-4152083212
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