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「百年の恋 」
評価:A
週刊朝日に連載されていた頃、私は毎週、ワハハと笑って読んでいた。私よりひどい妻ぶりじゃん、我が夫よ、これを読んでみろ、コンビニ弁当食べさせられたくらいでムっとなるなよ、と痛快だった。梨香子の駄目妻ぶりを私は異常とは思わない。程度の差こそあれ、仕事の場でこそ思い切り能力を発揮し尽くしている女の家の中ってこんなもんだろう。掃除洗濯、鍋釜の心配に全く価値や意義を見出していないのだからしょうがない。そしてこの種の女は、自分のそういう姿を見せたくない男とは絶対に結婚しない。(松田聖子も郷ヒロミとは結婚しなかったでしょ、って話が違うか)駄目な自分を総ざらえで見せても受け止めてくれる男、それでも愛してくれそうな男を本能的に選ぶ。多くの男が家事万端を妻にやらせて、そして妻を愛しているように、梨香子も彼女なりに要一を信頼し尊敬し愛している。忙しさをおして要一の子供を産むくらいに。この気持ちをわかる男の人ってどのくらいいるんだろう。
【朝日新聞社】
篠田節子
本体 1500円
2000/12
ISBN-4022575573
「岬へ」
評価:AA
私はこの作品を11月の目利き本に選んで心からの書評をよせているので、バックデータを御覧いただけると嬉しい。私はこの著者の最初の本『あの子のカーネーション』からもう、ずっとこの人の書く文章が好きで読み継いでいる。とにかく、私が思い描くところの小説家らしさを隅々まで満足させてくれる人だ。決して器用な人ではないと思うし、作品によって出来不出来の差もあるように感じる。しかし、『海峡』『春雷』と続いてきたこの自伝的と言われる3部作は著者の代表作になるのではないか。慎重に書き連ねられる文章の一つ一つが激しく、時には暖かく胸に染みて、多くの感情を押し流すような深さがある。容赦なく襲う運命的な出来事の奔流の中で立ち尽くす主人公・英雄の姿を思うとき、読む者の心にこみ上げてくるものがある。この、「どのくらいこみ上げるか」という点で、今の時代の作家でこのくらいこみ上げるのは、私はこの人が一番だ。というわけで、当然、今月のイチ押し。
【新潮社】
伊集院静
本体 2000円
2000/10
ISBN-4103824034
「涙」
評価:A
これは静岡新聞に連載された小説だということだが、こんなに起伏に富んだ小説を毎日、ちょびっとづつ1年間にわたって読まされた静岡の人々はさぞかし、大変だったことだろう。私も過去に、『おまえ、他に楽しみないのか』と夫に言われつつも新聞連載にハマッて、毎朝、新聞が届けられる時刻に起き出して玄関先で待っていた小説が幾つかあるが、これはそれらを越える。正月休みに1日で読んでも、途中で止められない面白さだった。筋立ては、挙式直前に消えた婚約者・勝を探しつづける萄子が行く先々ですんでのところで会えなくて、、、、と単純だが、昭和40年前後の時代の出来事をうまく取り入れた展開が巧みで、つい引き込まれてしまう。物語に現れては消えて行くその場限りの登場人物も多いし、萄子のお嬢様ぶりも類型的だが、行き当たりばったりのうちにも話がぐんぐん盛り上がる。ラストまで一気に読もう。
【幻冬舎】
乃南アサ
本体 1800円
2000/12
ISBN-4344000412
「心では重すぎる」
評価:C
私は東京に住んで20年以上になるが、渋谷は今でも苦手な街だ。行くたびに迷う。山手線で降りても目指す出口に行き着けないくらいだ。その渋谷が舞台のこの小説の読後の印象はまさに渋谷そのもの。私立探偵・佐久間公が追い求めるものが、消えたベストセラー漫画家なのか、チームにはびこる薬物なのか、謎の美少女なのか、病んでいる少年の救済なのか、テーマがとにかく複雑だ。そこに暴力団の抗争や新興宗教まで出てくるので、もう、追いきれない。著者が描こうとした世界がズバリ、そうした混沌とした現代なのだろうけれど、私には重すぎた。それとは別に、少年漫画週刊誌がこんなに苛酷な世界だとは知らなかったなあ。あの綴じ込みの読者アンケートハガキが、連載打ち切りにも関係する重要なものだったとは、、、、。
【文藝春秋】
大沢在昌
本体 2000円
2000/11
ISBN-4163197303
「アニマル・ファクトリー」
評価:C
刑務所ものというと、私はS.キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』、『グリーン・マイル』に強い印象を受けているのだが、本書で描かれるアメリカン・プリズンはS.キングもののような暗さ、物悲しさ、起伏ある生活感、ストーリーというものが殆どない。暴力と恐怖に支配された社会がひたすら延々と語られる。この油断も隙もない単調さこそが真の姿だろう、こっちの方が本当なのだろう、と思わせる迫力がある。何故、こんなに原色的なリアリティがあるか、というのは茶木則雄さんの解説を読んで納得した。米国版『塀の中の懲りない面々』だったわけだ。日本とは比較にならない闇の深さ、病みの深刻さは救いようがないが、茶木さんの適確な解説のおかげで読後感が和らいだ。
【ソニー・マガジンズ】
エドワード・バンカー
本体 1800円
2000/10
ISBN-4789716171
「冥府の虜」
評価:C
こういう話の場合、陰謀の中心にいるイレーナ(絶世の美女なんだし)をもっと派手に登場させてくれなくては。語り手である大学教授の嶋木、娘の薫、心を寄せ合う真砂子、警察庁の梶山など、登場人物の多くが印象深く描かれて、周辺の構成はとても良く出来ているのだが、肝心のストーリーの事件性やサスペンスが盛り上がらない。お饅頭の皮は大変に美味しいのにアンコの味が薄い感じで残念だ。ところで、会話文でないところで、『向田の奥さんの映子は・・・』『秘書の鈴木さんが・・・』など、さん付けの単語が何度も出てくる。本文が一人称とはいえ、違和感があってしょうがなかった。向田の妻の映子は・・・、秘書の鈴木○子が・・・と書けるところだと思うが。
【祥伝社】
高嶋哲夫
本体 1900円
2000/12
ISBN-4396631820
「岡山女」
評価:B
宮部みゆきの『怪』に比べて、本書の全般に漂う屈託とひねくれぶりはどうだろう。あやしげな人間ばかりで、真っ当な善人が誰一人として出てこない。しかし私は、この著者に決して不快ではない個性と正直さも感じた。愛人に刀で目を突きつぶされたタミエが、代わりに得た霊能力を以って生業とするようになる、、、という設定は悲惨だ。しかし、裏で実は両親が依頼者の身辺を探ってタミエを助けていたり、霊媒者であるタミエ自身が生霊死霊を恐れていたりして、その描かれる日常が非常に人間的なのだ。怪奇小説ではあるものの、彼らのうろたえぶりには可笑しささえ感じる。また、清水義則の『蕎麦ときしめん』を読んだときの衝撃と同じ地方感の面白さを堪能した。岡山って奥が深そうだ。
【角川書店】
岩井志麻子
本体 1300円
2000/11
ISBN-4048732633
「ダイブ2」
評価:C
前巻では知季だった主人公が、今回は飛沫に変わっているのを知って、私は直ぐに理解した。これが下巻で終わりじゃないのだ。第2巻だったのね。来年夏に第3巻が出るらしいが、そこでは要一が主人公だったりして。登場人物の中で私は、この冷静沈着な要一が一番の気に入りなのだ。しかし、この調子ではオリンピックに行くまでまだまだ遠そうだ。5巻くらいまでは行くかもしれんぞ。他の課題本と違って1時間くらいで軽く楽しく読めるので私はそれなりに気に入っているのだが、これ、児童文学というジャンルで良いの? だって、腰を痛めて故郷に戻ったはずの選手が恋人と同棲して毎晩抱き合って、、、、なんてシーンも出てくる。今の小中学生はこんなの当然なんだろうか。別にいいけど。
【講談社】
森絵都
本体 950円
2000/12
ISBN-4062105209
「終極の標的」
評価:B
2千万ドルの偽札を積んだ飛行機が墜落する冒頭から、そのままアクション映画になりそうなシーン続出だ。戦友エディを惨殺されたスタフォードと、エディの妹のジャネットが組んで陰謀に挑むのだが、この2人が強いこと強いこと。CIAやシークレット・サービスが間抜けに見えるくらいの戦闘能力と冷静さで、冒険小説の主人公として文句の付けようがない。ジャネットは射撃も格闘も、特殊部隊出身のスタフォードを凌ぐくらいだが、料理になると材料を切って混ぜるだけのツナサラダも作れない、すごい!女だ。しかし、見とれた男が電柱にぶつかって気絶するくらいの美しさも持っている。このジャネットの魅力だけで最後まで一気読み出来る満足の1冊だった。
【早川書房】
J・C・ポロック
本体 1800円
2000/12
ISBN-4152083212
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