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炎都
【徳間文庫】
柴田よしき
本体648円
2000/11
ISBN-4198914060
石井 千湖
評価:A
すごいぞ、かっこいいぞ木梨香流。妖怪と闘うのは地質調査会社の女技師。陰陽師でも風水師でも妖怪ハンターでも古本屋でもない。女の技師を信用しない顧客や見合いを強要する親にうんざりしながらもテキパキと仕事をこなすキャリアウーマンが、京都を襲うバケモノをバッタバッタとなぎ倒していくさまがなんとも痛快。彼女が惚れる真行寺君之は対照的で花を愛する繊細な芸術家。地震の直後にドライフラワーつくったりしちゃう現実感の無さ。勇者が女でお姫様が男でもいいじゃない?君之はお洒落に無頓着な香流を美しく変身させ、香流は気弱な君之に闘う勇気を与える。彼らを助けるスーパーヤモリや新しいもの好きの天狗など面白い脇役もたくさん。現代の京都が大地震で孤立するだけでも驚きの設定なのにそこに1000年越しの悲恋だのアルルの謎文字だのが絡む。全くとんでもない小説だ。久しぶりに荒唐無稽の楽しさを味わった。大満足。
内山 沙貴
評価:D
文章が臭い。漫画をそのまま小説にした感じだ。開いた本をにぎりしめながら百歩後ろに引いてしまった。文字で書かれた文章には映像とリズムがある。文を読んでいるときに頭の中にわいてくるイメージが"映像"で、単語や文、文章から匂い立つ、音声を離れた"リズム"は映像に対して"香り"かな。文章からつくりだす、頭の中の想像と、文章そのものの、目を飛ばした先々から受ける印象と。この「炎都」という物語、内容というか、映像としてとらえるには悪くない。ケド、文章がヤダ。鳥肌が立つ。リズムが最悪。セリフにセンスがない。とまあ綺麗なリズムが大好きな私なので散散に罵倒してしまうけれど、でもね「炎都」は読む価値がある。話の内容や良いところは他の採点員さんの書評を参考にしてね、気になる人は読んでみてくださいね。
大場 義行
評価:D
妖怪というのは、もうホラーの要素としてはダメなのかもしれない。どうしても妖怪が出てくるものは妖怪大戦争(ゲゲゲの鬼太郎より)みたいにみえてくる。だいたい烏天狗がちゅうちゅうと血を吸うというだけで笑ってしまいそうになる。内容的にも漫画に近いし。それに一番気になったのは大味な事。主要な登場人物かと思っていたら、ずーっと出てこない。かと思えば最後にしゃしゃり出てきて、しかもやっぱり重要だったなどとは、あまりにも大胆。漫画原作としては面白いかもしれないが、小説となるとちとスルーしてしまいたくなる作品だった。
操上 恭子
評価:C+
嘘っぱちだとわかり切っているのに、いかにもありそうなことのような気がしてくる物語。それが本書だ。このような、歴史と伝説と妖怪譚を題材にした小説を読むのは初めてではないが、現代を舞台に生活感あふれる日常の生活が崩壊していく様をリアルに描いたものは初体験だった。読みはじめた時には「オカルトは苦手なんだよな」と思っていたのだが、そんなことはすぐに忘れてしまった。何といっても、主人公の香流がいい。自由で、強く逞しく、でも自然体だ。惚れてしまいそうな程いい女だ。活躍を見守りたくなる。ヤモリの珠星もいい味だしている。相手役の君之は蹴飛ばしたくなるような、情けない奴だが。
小久保 哲也
評価:C
ストーリーは、昔の怪獣・妖怪映画のノリだが、テンポのいいストーリーに加え、情景描写もしっかりとしている。カッパが人を襲うシーンをはじめ、印象的なシーンが盛りだくさん。だけど読後感が、非常に軽い。その軽さがいいと言えばいいのだろうが今の自分には、ちょっと軽すぎる。文体が読み易いので余計にそういう印象を抱いてしまう。もしかすると、この作品にハマるには、ちょっと歳を取りすぎているのかもしれない。
佐久間 素子
評価:A
ノベルズが出たとき私は京都に住んでいた。読後、夜道でびくびくしたり、京 都に理不尽なほどの愛情を感じたりしたものだ。大地震で陸の孤島になった京都に、山から天狗が、川から河童が襲ってきて、町はパニックに陥る。転生した一条帝、火妖族の姫君、陰陽道にクトゥルー神話まで飛び出す大笑いな設定なのに、このリアリティーはどうだ。京都という町の何でもありな懐の深さを味方につけて、物語は最後までかけぬける。少々甘すぎるロマンスも、筆が走りすぎているクライマックスも、読んでいるときはほとんど気にならない。文句なしの痛快感だ。ラストに向けて絶望から立ち上がる人々の姿がいい。北山に祈る人、比叡山に逃げ込む人、京都に戻る人、逃げずに戦う人・・・敬虔な気持ちさえ覚える。パニック小説だというのに。ものすごい筆力だ。異論はあるだろうが、私にとっては緑子物より園長物よりおもしろいシリーズだ。続編『禍都』『遙都』と、さらにホラが大きくなっていくので、今後どう収拾をつけるのか本当に心配、かつ楽しみである。
山田 岳
評価:A
京都の闇は深い! 街灯のあかりは闇にすいこまれてしまいそうや。京都の歴史が落とす影のためやろか。東京うまれの著者は京都の闇におどろきな’がらも、そのなかに目を凝らしはる。そこでうごめいているもんは怪物たちの百鬼夜行や。こわい! せやけど、めっちゃおもしろい!登場人物の「(京都が)好きだというよりも、なぜか引き寄せられたという感じがするんですよ」という言葉は、著者自身の気持ちやねんなあ。建設現場で祠が壊されたことをきっかけに妖怪たちの封印が解けはったという設定も、現在の京都で起こってはることへの著者の怒りやねんなあ。読後は、この本を片手に京都観光はどない?鞍馬山なんかほんまに赤いオーロラがかかって、飛黒烏たちが飛んではりそうやで。
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