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空へ
【文春文庫】
ジョン・クラカワー
本体819円
2000/12
ISBN-4167651017
石井 千湖
評価:B
私は根っからのインドア派だ。山は嫌いだし登ろうとも思わないのでまるで別世界のできごとだ。国家の威信や成功への野心、自己顕示欲、夢の実現などさまざまな思惑を胸にエヴェレストの登頂に挑戦するひとびと。プロのクライマーは必ずゴミを持ち帰らなければいけないとか経済的な側面とかロマンに遠い現実のことが興味深い。ヤク・バーガーやシェルパ・ティーがなぜかとっても美味しそうなどと呑気で食いしん坊な私は感じてしまったのだが、ここで多くの人命が落とされたことは重い。どん なに気をつけていても危険はあること、それでもなお登りたいひとびとがいること。残された遺族の叫びやシェルパ族の孤児からの手紙は読んでいてあまりにも辛い。
大場 義行
評価:B
恐ろしいとしか云いようがない。書物の一つの本質は、未体験の出来事を味わう事だと思っている。この本はエヴェレストなどの自然が持つ凶悪なまでの力を疑似体験させてくれた。コタツに入りながらもブリザードを体験出来た気がする。これは未曾有の遭難事故を、文字通り岩に刻み込むかのような意気込みで再現した著者の力量のお陰だろう。一章一章ごとに高度が書かれ、なにが起きたのか鮮明に書かれているのだ。一人、また一人倒れ、それでもなお許さないエヴェレスト。怖いってば、この本。本格的な登山は普通の人のピクニックや山登りとは全く違う。苦行だ。そこに意味があるのかとは云わないが、私はこの本の中だけでたくさんだ。
小久保 哲也
評価:A
今月の一押し作品。読み終わってからもしばらくは、作品の中から気持ちが戻ってこない。山の世界に浸ったきり、実世界に心が戻ってこないのだ。希薄な空気に、息をするたび焼け付く肺。聞こえるのは自分の喘ぐ声と、吹きすさぶ寒風。薄いテント一枚をはさんで横たわる死の世界、聳え立つエベレスト。手を伸ばせば届くほどの距離で、涙を流し断念して引き返す者と、疲労困憊して座り込み、二度と起き上がれない者。そして、遺体となった登山者の横を通過しながら頂上を目指す者。読みながら吐く息が、白く凍えてしまうような錯覚を覚える。山に登ることが、これほど身に迫ってきたのは、新田次郎の「孤高の人」以来久しぶり。この作品が今月のお勧め。一押しだ。ただ、題名が惜しい。原題「IntoThinAir」の「Thin」をもっと生かした題名にして欲しかった。とっても残念。
佐久間 素子
評価:B
K2って何だっけ程度の未体験ゾーンに、こんなハードな本でのりこむなんて。いや、幻想がない分入りやすかったのかもしれない。人間とは何?としばし考え込む、エヴェレスト遭難記録である。長い前段においては、多分に商業的・政治的な現代の登山事情、高所での厳しい生活、さらには登山という行為・精神論についてつぶさに書かれていて、興味深い。読んでいられない程つらい遭難記録はもちろんなのだが、出版後におこったという論争が痛ましい。無酸素で頂上にむかい、顧客より先に下降したガイドの言い分は(作者の記述を信じるのならば)ごまかしにすぎないが、その卑怯に何より傷ついたのは誇り高いクライマーでもあるガイド本人であったはずだ。生還後も憑かれたように山に挑み、翌年山で死んだ彼の、業の深さを思う。
山田 岳
評価:B
おもしろい本や。そやけど、線の細い活字(フォント)は吹雪のよ’うに物語をかすませ、1ページのなかにこれでもか!と組み込まれてはる活字は厳しい岩肌のよ’うに行く手をさえぎりはる。四十路の評者には、読み進めること自体が、エヴェレスト(現地名チョモランマ)登山のように遅々として進まれへん。もっと若くて、体力があれば、ガシガシと進んでいけるねんけど、と、ため息をつくこともしばしばやった。
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