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ハード・タイム
【早川書房】
サラ・パレツキー
本体 2,000円
2000/12
ISBN-4152083085
今井 義男
評価:C
あまり稼業が儲かってなさそうな点は好感が持てた。ミステリ業界には浮世離れした探偵が結構いる。車の修理代に汲々としたり、本筋以外のルーティン・ワークに足を止められたりと細部もきちんと描かれていて、超人的なヒロインでないのがよい。人気シリーズに相応しく交友関係も嫌味がない。2段組みでこの厚みでもV・Iの活躍に喝采を送る固定ファンには納得できるのだろう。ただし一見の客として正直な感想を述べると少々展開が遅い。事件も地味だし敵対する相手にもさほど凄みがない。したがってラストスパートでも胸のすくような反撃とまではいかない。これがいつもの作風であるのなら私が四の五のいう必要はこれっぽっちもないが。この作品での収穫はアメリカの刑務所環境には男女の差別がないという事実を知ったことだ。つまり金輪際人間扱いされない場所なのだった。
原平 随了
評価:C
敵のキャラクターがあまりにも単純で、話を引っ張っていく謎の底も浅く、ミステリーとしてはかなり不満が残るものの、それでも、久しぶりの〈ヴィク〉シリーズを、それなりに楽しむことができたと思う。今回、ヴィクは、何と、誘拐犯として刑務所に収監されてしまうのだが、その刑務所内での彼女の活躍が最大の見せ所ともいうべき箇所で、実際、なかなか、読み応えのあるシーンになっている。また、女だてらに(おっと、失礼)、探偵というハードな職業を全うしようとしている、ヒロイン・ヴィクの心意気や、大都会シカゴで生きる息づかいのようなものを感じさせる生活の細かな描写など、そういった魅力も、あいかわらず、健在だ。ただ、訳文がぎくしゃくしていて読みづらいという点が、どうも、ちょっと……。
小園江 和之
評価:A
これ、読むのに結構てこずりました。二段抜きで字が小さいってこともあるんですが、例の翻訳物独特の言い回しに慣れるまでに時間がかかってしまって。で、まあ筋立て自体はそんなに複雑でもないし、最後にどどーんとカタルシスが待ってるわけでもない。それでも主人公の圧倒的魅力が全てをなぎ倒してしまいます。四十歳を過ぎた女性探偵がこんなにタフなはずはないよなあ、と思いつつむんずと引き込まれてしまいました。「それを容認したら自分に我慢出来なくなるのが怖い」という、たったそれだけの理由でおぞましい闘いに身を投じていくなんて、痛々しくて泣けてきます。しかもこの人、決してワンダー・ウーマンじゃない。時には仕掛けられた罠におびえ、膝をかかえて泣き出しそうになる。でも次の瞬間には立ち上がり、やるべきことの準備をする。こんなキャラ、ちょっと居ませんよね。帯のコピーも泣かせます。それにしてもハードカヴァだけでもスピンをつけていただけませんか、早川書房さん。
松本 真美
評価:B
VもIも何の略かいまだソラで言えるほど、かつてはハマったシリーズだが、私の中ではすっかり終わってた。だから本の厚さと活字の組みを見たときは「悪いけど未読本の最右翼候補」と思った。が、帯の「40歳を越えた。後戻りはしない。」を見たら、なんだか自分に発信されてるみたいで読まないわけにはいかなくなった。去年から私も何かとハードタイムなせいか、今回は怒り女V.Iに共感し、「自分の手で問題解決にあたらなければ、この先ずっと悲惨な無力感に悩まされるだろう…」に共鳴。私だって無理や無茶を承知で突っ走らなきゃなんないこともあるしさ。それと、<権力者に濡れ衣を着せられる>ってのに弱いの私。ジャッキー・チェンの『ポリス・ストーリー』とか。そんなこんなでけっこう面白かった。読んでよかった。あ、内容ね。刑務所を含めて<悪>があまりにステレオタイプで、真相にひねりがないと思ったけど、ヒロインを際立たせ、元気を欲しがる女性読者の期待に答える意味で確信犯ならこれで充分なんじゃないっすか。
石井 英和
評価:B
謎の解明に向かうヒロインの姿勢がアクティヴで、好感が持てる。奥深い背景の描写。事件に絡む人種問題をめぐってあぶりだされて行く、アメリカ社会の暗部。十分、こちらの血を逆流させる敵役の設定。印象に残る脇役陣。また、主人公の女探偵に託し、物語の通奏低音として示される著者の「女性と社会・論」は、それと分からないくらい重心を落として語られるからこそ、逆に説得力を持って迫ってくる。そして、それら各要素が重層的に絡まり合い、織りなすドラマは、さすが手練の作という感じがする。惜しいのは、起承転結で言えば「承」の部分で、ちょっとダレるのと、ラストの「種明かし」部分の説明的長話。この終わり方は残念だ。(そもそも、記者会見場における記者たちは、こんなにも都合のよい聞き手であり得るのか?)
中川 大一
評価:B
おっ。装丁、江口寿史だって。最近は、漫画よりこういう仕事をしてるんでしょうか。サラ・パレツキー初読。よって、初めキャラクターの名と関係を頭に入れるのに苦労した。それはいいんだけど、どうしても気になる疑問が二つ。一つは、本書の中では、刑務所の運営が民間企業に委託されていること。ほんまかいな? いくら何でも「小さな政府」すぎるぜ。もう一つ、刑務所と留置所が併設されており、中で、双方の収容者が出会ったりしていること。そんなアホな! アメリカの現実に照らし、小説として納得できる範囲の虚構なのかどうか、私には分からないんだ<m(__)m>。この設定はストーリーの骨格と強く結びついており、描写としても最もスリリングなのが刑務所のシーンだから……うーん、判断が難しい。
唐木 幸子
評価:AA
孤立を恐れず自分の力で苦難を乗り越えて行くような女が主人公だと、それだけで私は【A】と書いてしまいそうになる。おまけに本書の主人公の私立探偵・ヴィクは私と同じ40代の女性だ。体制に媚びずに冷静に自分の仕事をしていて、おまけに喧嘩も強い。偉い!【AA】で今月のお勧め本に決定だ。しかしヴィクに仕掛けられる罠の残酷さ、彼女の身に降りかかる危険と暴力は余りにもひどすぎる。死にかかるほどブチのめされるこういう役って、普通は男だろう。多少の苦難はあれど、女性の主人公は頭脳と才能と美貌に恵まれてあくまでも危険を逃れて、物語の表面を颯爽と歩いていくもんじゃあないのか。その意外性は読むのも辛いほどだが、それが次第にヴィクの強靭な闘争心への尊敬の念に変わってくるので読後感が救われる。ヴィク以外にも印象的な女性が沢山出てくる。同じブルジョア妻でも、冷酷で強い性格のエリナ−とヴィクを受け入れるアビゲイルを巧みに書き分けていて、その表現力は感動ものだ。
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