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恋わずらい
【毎日新聞社】
高橋三千綱
本体 1,800円
2001/1
ISBN-4022575565
今井 義男
評価:D
『仮に自分が海だとする。ある日なにやら透明な物体が漂ってくる。大抵のものはやがて朽ちて分解するのだが、石油を原料にしたこの物体はいつまでもその形態を保ったまま沈殿し、海である自分にはこの体内に生じた違和感をどうにもできない』うろ覚えだが、二十代の頃に購読していた《ニュー・ミュージック・マガジン》誌上で《シショーネン》のアルバムを評した北中正和さんの文章である。聖月、冴子、サキ、とひたすら逢瀬を重ねる修二の遍歴を読み終えたときにふと思い出した。それにしても仕事をしない作家だ。この種の作品に心を動かされることは今後もないだろう。海底のビニール袋のように私には吸収も排出もできそうにないからだ。だからといってこの小説の価値を貶めるつもりはない。単に私と相性が悪かっただけのことである。そんな出会いだって当然ある。
原平 随了
評価:D
無頼な作家の恋の遍歴と、その破滅的な生き方を描いた文芸作品ということになるのだろうが、主人公に〈津坂修二〉という、太宰を想起させる名前をつけたり、冒頭、「小説を命懸けで書いた」などという表現が出てきたりして、しょっぱなから、浅薄な印象を受けてしまった。かつて、心中を試みて未遂に終わり、一人生き残ってしまったことが、この主人公の虚無の根底にあるらしいのだが、そんな手前勝手な破滅指向も読んでいて鬱陶しく、恋人の〈あのとき〉の声を分析してみせるなど、他者に向けられた主人公の眼差しはニヒルでも、自身を見据える目の冷徹さに欠けているのではなかろうか。また、内容から、ついつい連想してしまう某著名作家のベストセラー小説などと比べても、性愛描写に瑞々しさがなく、全体に、古風な作風というよりも、どうしても、古臭さの方を強く感じてしまったのだが。
小園江 和之
評価:D
帯に「自伝的長編小説」とあるんで、作者が女性にもてた話を読まされるなんざ居酒屋で上司の自慢話を聞かされるようなもんだろなと腰が引けました。でまあ、ほんとうに出だしはそんな感じで、未読にしたろか、と思いましたが、我慢して読み進んでいくと主人公のただならぬ破滅指向に感心しちゃいました。この人は自分を「恋をするに値しない人間」と評価していて、女性との関係をあくまで情事にとどめておこうとする。それは相手の感情をおもんばかってとかいうんでもなく、束縛されたくない、ってのが本音だと気付いてもいる。駄々っ子のようなアルコール依存症の中年男が、いつのまにか育っていたおのれの恋心にうろたえつつ、追いすがったときには相手が身を引きはじめていて……なぁんて切なそうだけど、この男、ちゃんと妻子がいるんですよ。つまらなくはないですが、買ってまで読みたいとは思いません。
松本 真美
評価:D
実は期待して読んだ。でも趣味じゃなかった。<情痴の挙げ句にこそ見えた純愛>とでも言いたいのか。私には全編、腹を括れない子供男の自己弁護にしか思えなかった。それって私が男女の機微に疎いってこと?…そうなんだろうな、きっと。無頼派でも火宅でも全然OKだけど、主人公の開き直り方が好みじゃなかった。それにしても男女共しょっちゅう欲情するもんだなあと感心。しかも女性陣が彼にとって都合のいい女ばっかりって印象。いまどきの21才の女が「おいたが過ぎます」なんて言うか?三十代の女優サキが「女学生」と言うのも妙に気になった。でも、ところどころにすっごくいいセリフや印象的な想いもあった。そんときだけ「さっすが!伊達に漫画の原作やってないな」なんて思いました。
石井 英和
評価:E
オヤジくさっ!とにかく何もかもがオヤジ臭い。中年男が若い女と「ほら、こんなに胸がドキドキしている」「どれどれ」「あ。触っちゃイヤッ!」なんてやった挙げ句に、ウンチク垂れつつダンゴ食って湯豆腐食って、「あなたの周囲にはオ−ラがある」とか言われつつセックスして・・・とにかく、執拗にオヤジのいい気な自己愛が開陳され、うんざりさせられる。その後、かっての同人誌仲間の悲痛な人生や、不倫相手の女優や人妻の生活と意見(説明的な長台詞による)などが描かれて行くが、各エピソ−ドは響き合わず、雑然とした世間話の感しかない。また、主人公の心の傷として残っている設定の、過去の心中(?)事件に関しても、彼の現状への言い訳としてそこに置かれているだけでリアリティはない。で、結局、何の物語だ?後に残るのは、オヤジの愚痴や甘えばかりだが。
中川 大一
評価:C
「わざとらしくすねた言い方をして」「上目遣いにいって唇をとがらせた」「鼻にかかった声で、子供じみた口調で」……。どうです? これが、主人公である作家が情事を重ねる相手の仕草。「おっ、いい女!」「かわゆーい」と思った人には、いいんじゃないでしょうか。適当に濡れ場あり、京都の観光案内ありの、軽い読み物として。「ふんっ」と吐き捨てたあなた、やめときましょう。ポルノとしては使えませんし。私自身はあんまり(肩をすくめる)。確かに、例えばアメリカ産ミステリには、自立と強さを凝り固めたような女性がしばしば登場し、あれはあれで辟易する。だからといって、本書の聖月(みづき)みたいに甘えん坊で媚び媚びで依存心の強い女なんて……ああ、唐木採点員のしかめっ面が目に浮かぶ!
唐木 幸子
評価:B
先日、小説雑誌で著者の近影を見て驚いた。ほんの10年位前までは、明るさと冷たさが絶妙にブレンドされた非常に美しい男だった著者が、すっかり老けていたのだ。あの変貌ぶりはただ事ではないような気がするが、一体、何があったのだろう。本書は自伝的小説とのことだが、明らかに美男子だった頃のお話だ。でなければ許されないような甘えや冷たい仕打ちを、主人公の修二は若い恋人にも妻子にもしている。確かに女の呼吸を的確に理解しているな、という描写もあるが、更に奥の心理を面倒くさがって見ようとしない。なのに男同士だと結構律儀で、友人の島村を裏切ったその妻に対しては手の込んだ仕掛けで追い詰めるのだ。この誠実さの半分でも何故、女性に向けられんのだ!と私は怒りつつ本を閉じた。
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