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死は炎のごとく
【毎日新聞社】
梁石日
本体 1,800円
2001/1
ISBN-4620106216
今井 義男
評価:A
いまにして顧みれば、時代そのものが熱にうかされていた。この頃、世界は米・ソによる二極対決の原理に染まっており、両陣営が自らの振りまく幻想に酔いしれてもいた。その図式を具現化していたのがインドシナ半島であり、朝鮮半島だった。この激烈な小説のモデルは74年の《文世光事件》である。北でもなく南でもない<在日>の青年が、祖国の統一を阻む独裁政権に天誅を加えるのは自分しかない、と決起に至るまでの足取りが克明に活写される。圧制者をその手で討たんとする者は、民族の英雄となるか有象無象のテロリストとして葬られるしか道はない。我々は文世光の放った弾丸の行方も、事の顛末も知っている。しかしそのために緊迫感が損なわれることは微塵もない。肥大化していく青年の自意識に、熱く息苦しかった時代の空気がまざまざと蘇える。どんなに強固な個人の意志も、より巨大な国家権力の前では<無>に等しいという基本原則はいまも揺るぎはなく、隘路に陥ったアジアの現実を再確認させられた。風穴を開ける方法論は依然としてどこにもない。
小園江 和之
評価:C
映画なんかに出てくるテロリストってのは、なんだか生まれた時からそんな人格みたいに描かれてますし、まあ最後にはヒーローに殺されちゃうから細かいこたぁどうでもいいようです。ところがどっこい、この本には持って生まれた資質+状況+タイミングがぴったし合致すると、まっとうな人生を歩むはずの人間がテロリストになり得る、ってなことが書いてありました。んで、その資質ってのはなんだってことですが、どうやら自分の人生展望において欠落感の強い人間がなりやすいって事らしいです。なにしろ主人公の思想的基盤がありそうでなさそうなんで、この人がいとおしい家族を捨ててまでどうしてこんな暴挙に出られるのか不思議でしたが、そう考えるとこういうのも有りかなと思えてきます。ざらついた読み味は決して心地よいものではないけれど、退屈ではありません。
松本 真美
評価:B
『血と骨』は私のオールタイム衝撃本の三指に入る。以来、ヤン・ソギルの作品は、自分の気合に自信がなくて読んでなかった。とんでもない男の話に決まってるから。で、今回、どうだったかというと、やっぱり凄かった。序盤は「けっこう静的じゃん」と思ったが、徐々に明らかになる主人公の内部のアツさたるや。喩えれば、青い炎の方が温度が高い、だな。別に喩えなくてもいいけど、タイトルに炎があるもので。金大中事件当時、私は子供だったので、氏が小林桂樹に似てたことぐらいしか印象にないが、日本、南北朝鮮、そしてアメリカのトップと小判ザメの思惑と保身の澱を、ストレートでワイルドな在日の大阪人が、不穏当な表現を承知で言えば、被爆し、崇高な目的に対してはどんどん純化し、日常行動はぐんぐん本能の赴くまま、に一気に疾走する様子が、熱くてクールな筆致で描かれ、読後はクラクラした。あ、句点不足のわかりづらい文章ですみません。
石井 英和
評価:C
韓国大統領暗殺を謀った実話に材を取り、影に蠢く国際政治の裏舞台にも触れる、手に汗を握りつつペ−ジを繰っても良さそうな話なのだが、どうもパッとしない。主人公が、思い詰めてテロに傾斜して行く前半部分。が、その後、テロが実行に移されるまでの中間部分で、彼の存在はやや脇に置かれ、「その他の裏事情」が話のメインとなる。ここで、最初に物語が持っていた緊張感が棚上げされてしまうのだ。この後、テロ決行までの主人公は「中だるみ」の状態に置かれ、やたらとセックスばかりをする事となるが、それは決行を前にした心象の表出と言うより単に場つなぎのようで、滑稽な印象が残る。「不倫付き観光旅行」のシ−ンは尚更だ。その後、物語は、クライマックスの暗殺シ−ンに向けて緊迫を加えて行くが、主人公を失速状態から救い出すことは出来なかったようだ。
中川 大一
評価:B
祝開店アジア・ノワール賛江。本書はシリーズ第1弾。同じく大統領暗殺ものの『ジャッカルの日』と比べてみよう。緻密な構成、練られた文章、巧みな伏線――どれもフォーサイスに軍配が上がる、とみるのが一般的だろう。だがジャッカルには、標的抹殺に込めた焦げるような思いが欠けている。結局彼は雇われの殺し屋にすぎず、最終目標はリゾートでくつろぐことなのだ。その点私は、祖国の革命に身を投じた宋義哲を推したい。けれどラストは不満。本書は、社会を、時代を、民族を、熱く語ってきたのではなかったか。そうならば、単に暗殺計画の成否を慌ただしく述べただけで幕を引くことは、許されないはずだ。主人公のテロルは韓日米の未来にいかなる爪痕を残したか。そこまで書いてくれないと、不完全燃焼だ。
唐木 幸子
評価:C
宋義哲は精神も肉体もきわめて健全で理解力も判断力もある23歳の青年である。妻と子供が待つ家庭を愛し、大事にしている。なのに何故、大統領暗殺などというまず成功しそうにない任務に自ら身を投じていくのか。けっして巻き込まれて行ったのではなく、宋義哲は自分の決意と覚悟で祖国統一のために命を投げ出している。何かにつき動かされて行く様子が怖いほどリアルに描かれている。一番切ないのは、妻が子供を幼稚園に通わせることを相談した時、宋義哲が『通わせたらええねん』ときっぱり答えて妻子を喜ばせるシーンだ。子供の幼稚園どころか、共に暮らすことさえもうかなわない時点なのに。日本人ならさんざんの言い訳と涙があるところ、一切の迷いがないので余計に読後感は真っ暗闇である。
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