「穢れしものに祝福を 」 評価:AA 「ウルフムーンの夜」の主人公アレックスもタフだったが、こちらの主人公パトリックとアンジーはさらにタフ。それだけでなく、取り柄の一つが「情け容赦がないこと」というのが個人的にはぐっとくる。誰が嘘をついているのか、誰が一番悪い奴なのか、それともみんな悪い奴なのか、さっぱり判らないまま物語が進行していくワケだが、こいつ悪い奴と判断するやいなや容赦のない男女探偵。娘を捜してくれと云う依頼人、その娘、娘を捜しにいったまま姿を消した名探偵、仲間のギャングども、「絶望の癒しの会」の奴、登場人物がひとくせもふたくせもあり、面白すぎ。というか、冷静に考えれば、登場人物のほとんどが悪党で、主人公ですら正義を振りかざす悪党どもという作品はなかなかないのでは。いい人はすぐ死んじゃうし。まさしく穢れしものどもの饗宴。そくこのシリーズの購入を決定しました。