「穢れしものに祝福を 」 評価:C この小説の世界には善や悪は存在しない。代わりに忠実な利害関係と人の感情がある。巣に群がるはたら蜂の大群のように、みんなてんでばらばらに動き回る。ぶつからないように気を付けながら。あるとき、彼ら眺めていた大きな手が何かをかすめ取っていく。蜂はその埋め合わせに他の蜂を攻撃したり、他の巣から蜂を連れて来たりする。彼ら二人もそんな蜂だった。そして最高にクールでかっこいい蜂だった。誰からも信用されて、頼りになり、評判はよく、最後まで自分たちのやり方を通す。大きな手が何かを彼らからさらっていった時、彼らは容赦情け無く他の蜂を攻撃した。たとえ他の蜂が一匹もいなくなり、巣もめちゃめちゃに壊されても、この二人はやっていけるだろう。侘しいような落ち着くようなそんなおかしな気持ちを起こさせる作品だった。