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仲蔵狂乱
【講談社文庫】
松井今朝子
本体752円
2001/2
ISBN-4062730715
石井 千湖
評価:A
夢中になって読んだ。気がついたら午前三時。睡眠時間を削ってでも読んだ甲斐があった。孤児から当世随一の人気役者になるまでの仲蔵の人生の浮き沈みの凄まじさ。冒頭からして身投げをしようとする場面から始まるのである。ちょっといいことがあったかと思うと途端に奈落に突き落とされる、というようなことの繰り返し。気を緩める暇もない展開に貧乏・病気・子供の感動三点セットつきだ。仲蔵は迫力ある境遇にもかかわらずお人好しで貧乏籤ばかりひく。しかし芸には妥協しない。端役をふられたときにもふてくされず、視点を変えて今までとはまったく違った魅力ある役に見せてしまう。かっこいいなあ。他の役者の個性も味わいがあり、今まで興味がなかった歌舞伎が観たくなったほど。今月のイチオシだ。
大場 義行
評価:A
仲蔵狂乱というタイトルですでに引き込まれたのだが、読んで大場狂乱。歌舞伎の知識もいらないし、あえて芸人と思う必要もないと、いい感じに力を抜いて読めた。しかも粋な芸人の物語ではなく、一人の男の物語として読め、ひさびさに読書によって感動させてもらった。苦しくても自分を投げず、お人良しを貫き、それでいて嬲りものにならないという、ひじょうに難しい中村仲蔵の生き方を眺めているだけで感動し、そして頑張ろうと張り合いが出てくる。文章もどこか格調高く、「仲蔵はかけがいのない者を失って狂気する男の心を舞う」所はあまりに美しく哀しい。最後が急ぎ過ぎる気もするが、とにかくそんな事をぶっとばす程の本だった。
操上 恭子
評価:C+
歌舞伎にはまったく興味がないので、この中村仲蔵というのが実在の人物なのか架空の存在なのかわからない。解説などにも特には書いていない。この本に出てくる松本幸四郎とか市川団十郎とか成田屋とかいうのは実在するんだと思うんだけど。で、この中村仲蔵という役者がドン底から這い上がっていく物語なわけだが、これが実にカッコ良い。ハンサムで、踊りの才能があって、努力家で人情家。声が悪いという欠点も技術と工夫でおぎなってあまりある。誰にでも好かれる好人物でありながら、数奇な運命にもてあそばれる波乱万丈の人生。歌舞伎を知らなくても十分楽める。だけど、このカッコ良い仲蔵が、あの白塗り隈取りの歌舞伎役者だってことに、逆に違和感を覚えてしまうんだよな。
小久保 哲也
評価:B
江戸時代の人気歌舞伎役者、仲蔵。彼の波乱の生涯をつづったこの作品。ページを読み進むごとに、物語にのめり込んで行き、孤児から千両役者まで駆け上がる主人公の姿から目を離すことができない。難点を言えば、そのときどきの主人公の年齢が分かり難いこと。気が付くと30歳になっていて、おおっと思うと50歳になっていたりする。もっと、主人公にとっての時間の流れを感じさせてくれれば文句無しのAランクだったのに、惜しい。でも、気になったのはそこだけ。時代小説ビギナーの私が読んで、まったく問題ないこの作品。ある意味、宮部みゆきの「怪し」と同じように、時代小説の枠を超えていると言える。最近のTVドラマで「松たか子」のファンになって、歌舞伎ってどんなものなのだろう、と疑問に思っている人にもお勧め。
佐久間 素子
評価:A
初代仲蔵といえば、定九郎の扮装を変えた人物として有名だが、考えてみると知っているエピソードはそれくらいだ。当然クライマックスに使われると思っていると、以外とさらりとした扱いである。浮き沈みのある長い役者人生の一場面にすぎないのだ。描かれる仲蔵は、人生のどの場面でも、芸に魅入られ、努力と才能を惜しまない。同輩にも、客にも、芸の世界の魔のようなものにも愛された一生は気高いほどだ。作者はこの非凡な役者を、人なつっこい、どちらかといえば平凡な性格に描く。ひいき客のような心配と優しさをもったまなざしが常に感じられ、おかげでこちらまですっかり仲蔵びいきだ。ナマの舞台をみているような興奮も快感。
山田 岳
評価:A
おうおうおう!時代物だからって、歌舞伎の話だからって、すっとばすんじゃねーぜ。作者は京都は南座ちかくの育ちってゆーじゃねえか。そいつがちゃきちゃきの江戸っ子ことばをあやつって、義理と人情がからみあう役者屋稼業を描こうってんだから、こいつはおもしれえ。歌舞伎はこの時代、古典なんかじゃねえ、ばりばりの芸能界よ。そのなかで浮いちゃあ沈み、沈んじゃあ浮かぶ仲蔵の役者人生。ふつーは、いちど沈んじまったら一巻のおわりよ。こいつはてえしたもんだ。歌舞伎のことなんざあ知れねぇでも、かまいやしねえ。仲蔵の心意気だけを汲みとってやっておくんなせえ。しらず、歌舞伎のこともわかってくるってもんだ。
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