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ぢん・ぢん・ぢん
【祥伝社文庫】
花村萬月
本体819円
2001/3
ISBN-439632846X
ISBN-4396328478
石井 千湖
評価:A
主人公の美少年イクオが出会った究極の醜女・則江がいい。誰もに疎まれる容姿と屈折した性格。徹底的に描かれる凄まじいまでの醜さに感動した。うじゃうじゃ出てくる美女の存在が霞んでしまうくらいだ。葛藤のない者、屈託のない者、劣等感のない者はいない。本来ならドロドロしてない人間なんていないはずなのに「私はさっぱりしてます」という顔をしているのは嘘っぱちだ。普段の自分は必死で劣等感と折り合いをつけつつ、ちっぽけな自尊心を保っている。だから則江に惹かれるのだろう。負の部分が共鳴するのだ。惨めで滑稽で鬱陶しいところに。切実な気持ちでのめりこんでいるとラストで大爆発。すごい。ほんとうにすごいとしかいいようがない。萬月、最高。文句なく今月のイチオシだっ。
内山 沙貴
評価:A
とろんとした眼差しをした人物の思ってもみなかった本心を聞く。ハッとする。どこにでもいる青年が、目をランと輝かせて肉欲に溺れ、暴力に走る。やるせない閉塞感の爆発ではない。世界の中心で自分がスポットライトに熱せられているのに気づいた時の、高揚感の表現である。一時の喜びも悲しみもただ人生のある一幕に過ぎず、ハッピーエンドもアンハッピーエンドも本当は存在しない。この世の実態はいつまでも泥の中をゆくような粘着質のだらだらした人生の集大成であり、人の付けた終止符だけがあちこちに残る。この本にあるのは血の赤や空の青い色ではなく、つややかであるいはしわの寄った、生々しいばかりの肌の色、人間の色。気づけば吸い付けられたように見入ってしまう、妖しい肌の感触だった。
大場 義行
評価:A
これはマラソンと同じだ。我々のような素人がフルマラソンに挑むと、とにかく、ぼろぼろになっても走りまくる。走っている当人はどっちに向かっているか段々判らなくなる。でも走る。走るしかない。この感覚が登場人物たちと共通している。みんな必死になってなにかを目指すのだが、その結果が何を意味するのか分からない。主人公であるイクオ、典江、みんなの走りぶりが堪らない、切ない。今の花村萬月はこの作品の後から凄味を失った。そう云われてもしかたが無いくらいの凄味溢れる作品だったと思う。
小久保 哲也
評価:B
この作品は、理屈っぽい。ヒモを目指す主人公イクオの視線を通して、さまざまな世界の理屈に触れてしまう。浮浪者、ヒモ、同性愛、性転換、在日外国人。しかも、それぞれの世界に住む人々の理屈が胸に迫ってくるのだ。なかには、青臭い理屈もあるものの、ここまで迫力があると、何気に説得されてしまう。そして、最後の最後まで、どこに連れて行かれるのか予想のできないプロットにも脱帽だ。この一気に読ませるドライブ感は、「ジャンゴ」に見られるものと同一。さすが萬月。でも、あいかわらず、彼の本を続けて読もうとは思わないけれど。。。特に心にズシンと響いたのは、「豊富な語彙は表現を豊かにするというよりも、問題をより複雑化するだけ」という文章だ。そうなのだ。本当に心から伝えたい想いがあれば、語彙などは関係ないのだ。そして、この作品には、その想いが隅々からほとばしっている。
佐久間 素子
評価:A
冒頭の輪姦シーンで、最高にむかついて、こんな主人公に千ページもつきあえるか!と息巻いていた割には、A評価。主人公イクオはヒモ見習いなのでやり放題なのだけれど、修行で女を抱くときも、欲望のままに抱くときも考えることをやめない。セックスしては考え、考えてはセックスをする。当然、読者もイクオの考えにつきあわなければならない。青臭くても、理解できなくても、理解したくなくても。つきあっているうちに、発作のように愛しさがおそってくる。しゃれにならないくらいアウトローな登場人物がこうも愛しいとは。人間であり続けることはつくづくかなしい。
山田 岳
評価:D
おもろいけど、評者はスプラッターがあかんねん。上巻287ページからの指詰シーンはパスしたい! セックス、暴力、オカマの「萬月の法則」は今回も健在。ちゅうか、より強化されたかんじやね。
「薄汚く、不細工なものを人前にさらすのは、犯罪だ」「うんこ味のカレー、カレー味のうんこ、どうしてもどちらかを食べなければならないとしたら、どちらを食べるか」「この一歩は小さな一歩であるが、大きな第一歩である」等々、「格言・名(迷)言」がそのままプロットになってはる。「人はなぜ、性にとらわれて苦しむのか」「孤独は腐った匂いがする」純文学からはもっとも遠い方法で、純文学を追及してはんのやねえ。
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