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喜知次
【講談社文庫】
乙川優三郎
本体667円
2001/3
ISBN-4062730774
石井 千湖
評価:B
血のつながらない兄妹もの、というだけでオーッと盛り上がってしまう。昔の少女漫画みたい。なんてことはさておき、冒頭の花哉と小太郎が菊の花を摘む場面の美しさにやられた。仏壇に供えるのではなく枕を作るのだ。菊枕!風流だねえ。一面の黄色い菊、一株だけの白い菊の対比の鮮やかさ。花哉の白い腕と重なって映像が頭に浮かぶ。菊の花弁にたまった露を飲むところなんか堪らない。佗び寂び系ロマンティック。ほかにも茅花とか笹舟とか空の色とかせつない想い出を彩る小道具がきいている。うまい。たまにはこういう情緒たっぷりの小説もいいものだ。個人的にはもっと曖昧じゃないほうが好みだがしっとりした雰囲気重視のひとにはお薦め。
内山 沙貴
評価:B
白い菊の花のような妹、民の安泰に気をはせる主人公、父親の報復のためにどぶねずみのような目の光を放つようになった友人、自分の思いを遂げるために別々に別れて行った親友たち。懐かしい思い出のように鮮明な記憶が、美しい朝の木洩れ日のように身体を包み込む。この本の主題が「喜知次」に終結してしまったことがとても気に入らないが、それさえなければこの本は身をゆだねていて気持ちのいい本である。いつまでも、菊の花の中に埋もれた幼い妹の、兄を見つめる顔が頭に浮かぶ。そんな目を細めたくなるような光景がじっと続いてほしいと思った。
大場 義行
評価:B
少年たちは権力闘争、復讐、家柄と様々な波にもまれながら成長し、女の子喜知次はそれを見守りながら一人成長していく。こんな感じで地味目の本だが、静かながらも読み応えのある作品だった。一言でこの本をいうとさわやか。余り色恋沙汰に発展しすぎず、権力争いもどろどろしすぎず、きりがいい感じで、引き際も見事。人が死にまくったり、どろどろの恋愛モノを読んだ後、すっきりするのにもってこい。まさに胃薬的な本だ。
小久保 哲也
評価:B
題名は『喜知次』なのである。でも、作者はストレートに『喜知次』を描くことをしない。義兄・小太郎の日々を描くことで、『喜知次』を浮かび上がらせる。この、浮かび上がらせ方が絶妙なのだ。いろいろな事件に翻弄される小太郎の姿の背後に微妙に『喜知次』の姿が見え隠れしているのだ。そうして最終章の「菊香る」で初めて綴られる、『喜知次』の想いが、一気に心に染みてくる。秘めた想いがすれ違う、作者が描いてみせたこの物語は、初恋の頃を思い出させる。 そうなのだ。この作品は、初恋の味なのだ。。。そう思うと、なんとなくしみじみと酒が飲みたくなるなぁ。。
佐久間 素子
評価:C
派閥闘争で腐りかけた藩に育つ少年の物語。裕福な祐筆の家に生まれた小太郎が、藩政改革のため、現場仕事である郡方を志す姿は清々しい。しかし、醜い権力争いのとばっちりをうけるばかりで、内情をまるで窺えないもどかしさ、努力しても何も変えられないやりきれなさは、あまりにも現実的だ。読書という行為の興がすっと冷める程に。ビルドゥングスなのに、この冷静さは珍しいように思う。題名『喜知次』は、主人公が心の支えとし、ほのかに思いを寄せる義妹のあだ名。喜知次と小太郎がすごす場面の描写はどれも美しい。菊を摘むときも、笹舟をうかべるときも、何でもない光も雨も。それは、無力で無駄な、でも、かけがえのない人生に訪れる、一時の幸福を映して、はかない。
山田 岳
評価:A
あさの連続テレビ小説にうってつけやね。子ども時代にはわんぱく仲間がいはって、友にふりかかる災難からなんとかたすけようとしはる。あれこれしはるうちに農業の技術指導という、じぶんの進むべき道を主人公は見つけはる。おしよせる嵐もなんのその。青春のエネルギーを治水にぶつける。それを見守る妹、喜知次。ええなあ。テレビ化の問題点はただひとつ、あさから時代劇を見ることを視聴者がうけいれてくれはるかどうか(笑)。農民に天災があるように、武士には幕府という人災がある。それで話が一変するけ’ど、それはもう、エピローグやねえ。兄妹の淡いおもいは夢と消え、主人公の志しも挫折。そやのに読後感はふしぎ’とさわやか。
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