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兄弟
【文春文庫】
なかにし礼
本体552円
2001/3
ISBN-4167152061
石井 千湖
評価:C
こういうものは冷静には読めない。なぜなら死んだ祖父のことを思い出してしまうからだ。祖父の場合は妹だ。浪費をして借金をし兄である祖父に迷惑をかけ続け、祖父の死後は姉妹にもたかってそのうちひとりを死に追いやり、恥知らずにも平然と生きている。祖父は職人で贅沢もせず真面目にこつこつと働いてためてきたお金の大部分を妹の不始末に費やし意気消沈したまま亡くなった。それでも妹だから仕方ないと言っていた。血のつながりがそんなに大したものか。たとえ家族だろうと自分以外の人生を台無しにする権利なんてない。本を読んでまた怒りがぶりかえした。家族の愛憎を完成度の高い小説にできた著者はすごいが凡人はなかなかそうはいかないのである。
内山 沙貴
評価:C
例えば朝、太陽が昇る。灰色の雲が雨を落とす。満ちた潮が岩壁に打ちつける。強い風が大木を折る。それをすんなりと受け止める。その心が広いのかどうかは分からない。狭くはないと思うが。金をたかる。借金を肩代わりさせる。他人のものを堂々と我が物にする。そんな兄を当然のように受け止める。自然に八当りしないように、兄に対して八当りしない。憎まない。かといって無視もしない。まるで流れる水にさらされた石ころのよう。やってきては去る出来事を静かに受け止めて静かに見送る。その客体性がどれほどのいいことなのか、私にはどうでもよいことだけど、この人生はちょっと寂しいかなと思った。当人が一番自覚のある、影の、奥の人の寂しさが漂っていた。
大場 義行
評価:B
だからなんだと云えばそれまでなのだが、そう云わせないところがこの本の凄い所。兄弟愛で泣かせるわけでなし、かといってなかにし礼のサクセスストーリーでもない。戦争の犠牲者とか、戦後の被害者とか、それも余り関係ない。だけれども、なにかとんでもないモノを覗き見てしまった感じがして、しょうがないのだ。衝撃を与える力を持っている。とにかくこの兄貴が凄すぎる。
小久保 哲也
評価:B
浪費を繰り返し、やがて身を滅ぼして行ってしまう兄と、彼に翻弄される弟の姿が、終戦から現在までの時間を軸に、浮き彫りにされている。簡単には割り切ってしまえない兄弟の絆が、兄の死に対し「死んでくれてありがとう」と言う弟の姿に表れている。その言葉は、兄に苦しめられた弟の、吐き棄てるような言葉ではない。むしろ、最後まで放蕩な兄に依存してしまっている弟の、哀しいまでの兄への甘えが染み込んだ、そうした言葉なのだ。なかにし礼というと、どうしても作曲家というイメージが強く、あまり期待しないで読み始めたがぐいぐいと引き付ける展開のうまさや、よみさすい文体は、まったく予想以上。題名が演歌っぽく、ちょっと引いてしまうのが、惜しい。
山田 岳
評価:A
ちわ、ビートたけしです(嘘)。テレビの「兄弟」ではよ、オイラのやった「兄さん」が一方的に悪者にされちまったけどよー、原作読むと、けっこう似たとこあったんじゃねえか「禮三さん」にもよ。まえに娼婦やってたかもしれねえっだけで女と確かめもしねぇで別れちまったり、芸能界で羽ばたくにはジャマだってんで妻子をすてちまったり、テメーも、とんでもねーことやってんじゃねぇかっての。顔つきまで似てるっていうじゃねぇか。だから捨てられなかったんだ、「兄さん」をよ。「なにかもっと投げやりな、人生を真面目にうけとめていないような、生意気で無感覚な衝動」から兄弟ふたりして逃げられなかったわけだ。そしてこの「衝動」を植えつけたのはよ、戦争だったんだ。よくおぼえとけ、コノヤロ!チャンチャン!!
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