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上海ベイビー
【文春文庫】
衛 慧
本体581円
2001/3
ISBN-4167218747
石井 千湖
評価:D
表紙の青みがかった黒髪の女の子は肩に蝶の刺青、真っ赤な唇には葉巻。金髪の男が後ろから腰を抱いている。細かく線が入った粒子の粗い画質といいアンニュイな表情といい、ジャケ買いしたくなる本だ。おまけに中国では性描写の多いのとドラッグが出てくるので発禁処分になったという。読んでみると期待したほどエロくないのでがっかり。刹那的な生きかたに憧れる高学歴文学少女というのは全世界に生息するのだということはわかった。上海の風俗描写とか西洋人と中国人の複雑な関係とかは面白かったし、著者は同い年なのでなんとなく親近感がわく。しかし無軌道な若者をかっこいいと思えるほどわたしは若くないし、目を細めるほど歳をとってもいないのだった。
内山 沙貴
評価:B
つらつらとあてもなく書き連なれた話が、いったいいつまで続くのだろうとずっと読んできた。それが終盤になって突然これらの物語群は意義を見出して、その形は研ぎ澄まされ、まびきされ、シンプルになり、白色になっていった。上海という煩雑で巨大な化物、モヤッとした夜景のキレイな、ポッカリと口を開いた気味の悪い化物の中で、それらの色に埋没していた主人公たちは白く浮き出し始め、まばゆい白光ですべてを塗りつぶしてしまった。後に残るのは上海の影。モヤのかかった色彩だけ。暖かいのか冷たいのかよく分からない風が胸の中をすうっと通り抜けてゆき、悲しいような、泣きたいような気分になった。
大場 義行
評価:B
本を閉じても幻想の中にいるような感覚が残った。上を見ていながら落ちていく女、下を見ていながらあがく男。この二人の不思議な恋の行方を綴っているワケだが、なんだかそれが余りに現実から離れていて、そんな感覚が残ったのかもしれない。二人のキャラクターが命のこの作品、なぜ発禁なのか? これがポルノだったら日本じゃほとんどの本が発禁だよと、そればかりが気になってしまった。これは上質な恋愛小説だと思う。
操上 恭子
評価:B-
村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を思い出した。若者たちのセックスとドラッグと頽廃、そして強烈な「私」(自意識)。もちろん英米にも、これらをテーマにした、似たような小説はいくらでもある。世界中どこでも同じようなものなのかも知れない。ただ、それを読むこちらの方が、たとえば『限りなく透明に近いブルー』を初めて読んだ時よりも二十も歳をとっているわけだから、作中の若者たちのパワーに圧倒されてしまうのかも知れない。本書の際立った特徴は、不倫をひとつのテーマとしながら純愛であること。悪意の人間がいないこと。暴力がほとんど出てこないこと。だろうか。
小久保 哲也
評価:A
小説の中で、いくつか詩が載せられている。だけど、残念なことに原文が載せられていない。中国の作品なのだから、昔学校でならった漢詩のような雰囲気なのだろうか?その、漢字だけで綴られる詩を見て、もっと作品を感じてみたい。いや、それだけではない。作品自体をすべて原文で読んでみたいと、久しぶりに思ってしまった。中国語なんて、まったくわからないのに、である。題名も、「上海ベイビー」ではなく、原題のままの「上海宝貝」のほうが、なんとなくいい。それほど、圧倒的な余韻を残すこの作品の本質は、作者の現実と虚構が奇妙に交じり合っている、その混ざりあい方にあるのだろう。もし自分が中国で生まれ育ち、原文でこの作品を読んでいたら、確実に作者に恋をしてしまうだろう。「私はあなたを愛している。これほどまでに愛している。」と作者=主人公にささやかれて、間違いなく恋に落ちる。上海の空気を吸ってみたい。単純にそう思ってしまった。
佐久間 素子
評価:B
学歴があって、経済的にもまあ自立していて、そこそこ大人の25歳。毎日が楽しいのは、エキセントリックな自分を楽しむ容姿と知性があるから。毎日がむなしいのは、愛情だけの男でも、性欲だけの男でも満たされないから。ストーリーはしょうもないし、人物も薄っぺらいけど、空気感は抜群だ。自信過剰でうっとうしくて、でも、放たれる光がまぶしくて、目が離せない、ココみたいな女の子って結構いるでしょう?期待も興奮も欠落もリアル。ストーカーになる昔の男など、細部も笑ってしまうほどリアル。国境は感じない。中国で発禁処分というのが挑発的だけど、理由はよくわからない。性描写は確かに扇情的だが、健全じゃないか。ま、宣伝になって、騒がれ得なのだけど。
山田 岳
評価:C
中国はタテマエの国やさかい、この程度の話で発禁にしはる。まあ、日本でも村上龍が『限りなく透明に近いブルー』でデビューしはったときは、おおさわぎやったけ’ど。マシンガンのような疾走感ある衛彗の文体は、上海が六本木やNYと同時代の空気をすっていることをみごとに伝えてはる。け’ど、よくよく読んでみれば、主人公の意識はエリカ・ジョングの『飛ぶのが怖い』とさほどかわらへん(ジョングも中国系アメリカ人やった)。「なにかやってなきゃ退屈で死にそう」は、フランスのマルグリット・デュラスにも通じるかな。おもろくなるのは210ページから。
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