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「魔女」
【文藝春秋】
樋口有介
本体 1905円
2001/4
ISBN-4163199802
今井 義男
評価:AA
表題が比喩か、真正の魔女を指しているかはあえて秘す。就職浪人・広也のかつての恋人千秋が焼死する。テレビキャスターである姉の命令で、放火殺人の可能性を探る広也の前に現れる思いがけない事実は、千秋の隠された哀しい素顔を物語るものだった。彼女の短かった半生に、呪術的要素が投げかける翳りは濃く、切ない。現在でも<魔女>が無意味な記号ではないことと、他人と分かり合う難しさ。私はそれを思い知った。非業の死が呼び水となって人間の陰陽が暴き出される小説だが、少しも陰惨さはなく、たゆたう空気は晴朗として澄んでいる。それはひとえに、広也を取り巻く屈託のない人間関係と、老人の描写に顕著な、丹精を凝らした人物造形によるところが大きい。倒木によって呼び込まれた日差しが新たな発芽をうながすように、開けた未来を予感させる広也と千秋の妹・みかんの交流が清清しい。
原平 随了
評価:C
樋口有介のデビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』は、今も記憶に鮮明だ。出だしの文章がとってもシャレていた。会話がとってもセンス良かった。キャラクターがとってもフレッシュだった。ついでに、お話がとってもセンチメンタルだった。要するに、とってもシャレていることが、樋口有介の魅力なのだ。――で、久しぶりに読んだ、この『魔女』というミステリーはどうか。就職浪人である主人公の〈ぼく〉は、以前つきあっていたコの死の謎を探る探偵役だ。そんな〈ぼく〉にハッパをかける、テレビ局の報道部勤務の姉も、〈みかん〉という名前のちょっと片意地な女の子も、うむ、全員、しっかり、樋口有介キャラだ。もちろん、文章もセリフもお話も、頭からケツまで徹底的に樋口有介的青春ミステリーの世界である(まあ、当然だけど)。でもって思うのだが、もう、こうゆうスタイルって、実は、ちっとも、シャレてないのではあるまいか。
小園江 和之
評価:C
マンションの自室で焼死した元恋人の身辺を調べる青年が、自分の知らなかった彼女のさまざまな顔を見つけていくんですが、それが何かはネタバレだから書きません。ただねえ、この青年が調査をはじめるきっかけってのがどうも納得できないんですよ。その理由付けのためのキャラクター設定がされてはいるものの、私だったらやらんと思うがなあ。だって、この青年がいまつきあってる女性のほうがずっといいんじゃないかと思うんだもの。全体にからっとしたトーンで後半に出てくる重苦しい素材にもかかわらず、読み味は悪くはなかったです。でもエキセントリックな娘って若いうちゃいいけど、ねえ。
松本 真美
評価:C
ついに我が偏愛作家が登場。それだけでご飯3杯はイケるので、感想なんてどうだっていい気が個人的にはしますが。…相変わらずの確信犯的予定調和ワールド。押しが弱くてはっきりせず、女達に翻弄されまくる、男性にとってはある意味で憧れ(?)の主人公がいて、翻弄係の強気の女(今回は姉ですね)が立ちはだかり、生意気で愛想がなくて傷つきやすい少女がからむ…。ユースケ本で今まで違う人物設定ってあったっけ?日本のD.フランシスか。でも、競馬シリーズにも再読したいものとそうでないのがあるように、ユースケ本にも、ある。『ともだち』なんかは私にとっては名作だった。で、今回だが、はっきり言って再読はしないだろうな。もう一度読むタイプの話じゃない。でもユースケはこれでいいのだ。…これって感想にもエールにもなってませんね。
石井 英和
評価:D
この進行はあんまりだ。当初に提示された「謎」の解明が、物語の後半、それまでの話の流れには無かったエピソ−ドが継ぎ足される形で成されて行く運びなのだ。なんらかの伏線を張った後に現れるのが「意外な展開」だろうに。伏線らしきものがある場合もあるのだが、それは先行するヒントといった性質のものではない。例えば「山形と行徳」の話が、伏線というに十分な形で提示されているだろうか?伏線とは<ある単語を話に出しておけば、後に「実はこうだったのだ」と、それ絡みのどのような展開を持ち出してもかまわない>という作家の方便のための免罪符ではない筈だ。最後の「犯人当て」も、なぜそのような推理が可能だったか、まるで納得できない。また、物語の展開と共に進行する「恋愛」も、男女共に相手に惚れる理由があるとは思えないのだが。
中川 大一
評価:D
主人公のお姉さんが面白い人でね。弟との会話は毎回笑わせてくれる。「私の躰は服を着るためじゃなく、服を脱ぐためにあるの」だって。うひゃひゃ。山形弁のおばあさんもいい味だしてる。今どきこんな方言しか喋らない人いないよ、って思うかもしれんが、そんなことないぜ。私は愚妻の里で親戚に囲まれると、いまだに若い世代に通訳してもらってるんだ。また、アホな主婦のセリフ回しも決まってる。最初は誤植かと思ったけど、この女のキャラクターだったんだ。ことほどさようにパーツは優秀揃いなんだが、組み立てがどうも……。こっから先はネタバレなんで、読もうかなって人は見ないでね。いい? 言うよ? 結局は、幽霊の、正体見たり枯れ尾花。それだけのネタで一冊まるまるはキツかったっス。
唐木 幸子
評価:B
冒頭、千秋がアパートの自室で焼け死ぬ場面の描写が秀逸だ。炎に包まれて死ぬときの感覚は本当にこんな感覚かもしれない、と思わせられてショッキングだった。その千秋の死の謎を追う主人公・弘也の回りには、母親、姉・水穂、年上の恋人・美波、、、、と、何だか変なキャラクターの女が群れている。仕事には有能だが唯我独尊、全員、弘也にとって理解不能の魔女たちだ。しかし彼女らは自分勝手のようでいて周辺状況への勘も鋭く、弘也に若い恋人が出来たことを水穂も美波も素早く見抜いて見逃してやる器量がある。そして、彼女らとは正反対のおっとり者の弘也は意外にも真相にじりじりと迫り、本当の魔女は誰だったかが炎の向うに浮かび上がってくる。その犯罪の仕掛けがちょっと小ぶりに終わるのが残念。
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