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中川 大一の<<書評>>
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「模倣犯 The copy cat」
評価:A
2週間、鞄に入れて持ち歩き、寸暇を惜しんで読み継いだ。重かったけど楽しかった。ストーリーテリングの技法としては、一つの頂点に達しているのではないか。ホラーや笑いに走らず、調べた資料をひけらかさない。マスコミ、被害者、加害者のいずれかを悪者に仕立て上げることを避ける、つまり読者の溜飲を安直には下げさせない。エンターテインメントの枠を保ちつつ、必要以上のえぐい描写はしない。現代小説のあり方として、ある種の理想を極めたと言える。当然A。ただ……。作者は、話しの筋の間隙に、今の日本に感じる「ひっかかり」をぶち込んだと思う。そのメッセージは、残念ながら大きなまとまりを持ったものとしては伝わってこなかった。それでも私は、作中人物の次のようなつぶやきに象徴されるヌルついた社会状況の中で、真正面からこの時代に取り組んだ著者に、拍手を送りたい。「本当に闘うべき『敵』は、いったいどこにいるのだろう?」
【小学館】
宮部みゆき
本体 1,900円
2001/4
(上)ISBN-409379264X
(下)ISBN-4093792658
●課題図書一覧
「異端の夏」
評価:C
【少々ネタバレ御免】「こちら葛飾区亀有公園前派出所」に、こんなギャグがあったっけ。泥棒が現場に残した車を捜索していたら、両津勘吉が、何と犯人の免許証を発見。大得意になってるところへ、別の警官が今度は犯人の「戸籍謄本」を見つけた。ああ、分かり易すぎる手掛かり! 本書の犯人も、これほどではないにしろ、えらいもんを現場に落としていってるで。1回ならともかく2回も。ちゃんと持っとかんかい。ポケットのボタンかけとけ。まあ、それは些少なキズかもしれん。身代金受け渡しの場面など、あっと驚く趣向で楽しめることは確かやし。だけんども、しかし((c)かなざわいっせい)。ラストシーン、犯人が一気にぺらぺらと真相を喋り通すのは聞いててつらい。分かっててもやめられへんかったんかなあ、作者も犯人も。
【講談社】
藤田宜永
本体 2200円
2001/3
ISBN-4062104660
●課題図書一覧
「邪魔」
評価:C
小説は何のために読むのか、改めて考えてしまった。手に汗握る冒険や、心温まるストーリー。知的ゲームとしての本格に、思わず震えるホラー。そういう古典的な価値観を抱いて本書を読む人は、手厳しく裏切られるだろう。病んだ登場人物に、救いのない展開。薄暗い結末に、ざらついた読後感。唯一日だまりのように感じられる○○と□□との交情の場面も、結局は……。しかしながら、最後まで目が離せず読まされたことも確かなんだ。話しの組み立ては相当に巧み。毎日刺激がなくて退屈だ、ちっとは世間の厳しさを味わってみたい、っていう人にはおすすめ。毎日世間の厳しさを味わってる人は、やめときましょう。それにしても、この作者が前向きの話しを書いてくれたら……きっとイヤなんでしょうねえ(目頭を揉む)。
【講談社】
奥田英朗
本体 1900円
2001/4
ISBN-4062097966
●課題図書一覧
「カレーライフ」
評価:C
「それってカレーの話し?」「うん」「カレーライスのカレー?」「うんうん」「フィクション? ノンフィクション?」「青春小説」「えっ?」「若いイトコたちが、じいさんのカレー屋を再興しようと、味を模索しつつアメリカやらインド、沖縄やらを旅する物語」「沖縄?」「メニューにラフテー(沖縄の豚肉料理)入りカレーがあるんやね」「へえー、美味しそうやん」「昆布出汁にカツオ出汁」「うーん」「インドのスパイスもたっぷり」「あー」「泡盛で煮込んだ豚角」「くー、たまらん」「確かに、腹のへってる時に読むと、ツバキがずびずびわいてくる」「汚いなあ」「でもなあ、展開のわりにちいと長すぎて……」「長すぎて?」「読んでる間にせっかくのカレーが冷めてしまうで」「ザブトン全部よこせ!」
【集英社】
竹内真
本体 1900円
2001/3
ISBN-4087752828
●課題図書一覧
「ペニス」
評価:E
うっうっう〜、薄ッ気味悪いハナシ! そもそも私の嗜好としちゃ、オビに「少年の屍体と暮らす」なんて書いてある本、手にとらない。なのに食指が動いたのは、紙版本誌5月号で大森望氏が絶賛してたから。「ページを繰る手が止まらない。純文学の方法論とジャンル小説の娯楽性が完璧に融合した希有な傑作」だって。読まねば! しかしっ、ページを繰る手が動かない(笑)。オビ文はこう続いているよ。「性的不能者の現実が幻想世界に溶けこむとき、言葉は虚空に踊る」。言葉は虚空に踊る……か。確かに。そういう意味だったのか(軽くため息)。幻想と虚空の二本立てで攻め込まれちゃあ、リアリストの読者はたまりません。私のような凡庸な感性の持ち主に忌避されて、作者としちゃ本望かもしれんねえ(深くため息)。
【双葉社】
津原泰水
本体 2,000円
2001/4
ISBN-4575234117
●課題図書一覧
「魔女」
評価:D
主人公のお姉さんが面白い人でね。弟との会話は毎回笑わせてくれる。「私の躰は服を着るためじゃなく、服を脱ぐためにあるの」だって。うひゃひゃ。山形弁のおばあさんもいい味だしてる。今どきこんな方言しか喋らない人いないよ、って思うかもしれんが、そんなことないぜ。私は愚妻の里で親戚に囲まれると、いまだに若い世代に通訳してもらってるんだ。また、アホな主婦のセリフ回しも決まってる。最初は誤植かと思ったけど、この女のキャラクターだったんだ。ことほどさようにパーツは優秀揃いなんだが、組み立てがどうも……。こっから先はネタバレなんで、読もうかなって人は見ないでね。いい? 言うよ? 結局は、幽霊の、正体見たり枯れ尾花。それだけのネタで一冊まるまるはキツかったっス。
【文藝春秋】
樋口有介
本体 1905円
2001/4
ISBN-4163199802
●課題図書一覧
「片想い」
評価:B
刺激的な内容なのに地味〜なタイトル。単色のカバーをめくると、表紙はカラー。よっぽど自信がないと、こういう趣向にはできません。小説家なら誰しも、ショッキングだけれど際物じゃなく、特殊な事例ながら普遍的な関心を喚起できるトピックを探してるはず。なるほど、こういう領域がありましたか。それは……読んでのお楽しみ、内緒内緒。残念なのは二点。一つは、主役の性格付け。屈折はあるものの、まずは育ちのよいクールな青年に描かれている。その彼がなぜ、10年も前の友人の探索にここまでしゃかりきになるのか。モチベーションにやや不可解な感じが残る。今一つは、何回かある友人の消失があざといまでに唐突なこと。これだと、「小説を盛り上げるためですがな」っちゅう感じが伝わってきちゃいます。
【文藝春秋】
東野圭吾
本体 1714円
2001/3
ISBN-4163198806
●課題図書一覧
「レディたちのフィンバーズ・ホテル」
評価:D
一つの短編の主人公が、別の短編では背景としてチラッと登場する。ユニークな仕掛けだなあ。阿刀田高の『街の観覧車』もそんな趣向だった。もっと砕いて言うなら、バカボンのパパが「おそ松くん」に一コマ出てくるみたいなもんだね(「おじさん、出るマンガ違うみたい」(C)赤塚不二夫)。この本は、それぞれの短編を別々の著者が書いてるんだから、構想段階で回し読みしてるわけだ。凝ってる凝ってる。それはいいんだが、肝腎の話自体が、うーむ……? 最初と最後の2本はOK、間の5本はピンとこなかった、という逆サンドイッチ状態。この打率はつらい。が、巻末の解説を読むと、こっちが楽しみ方を知らないのかなあという気にもなる。ただこの解説、ネタをばらしすぎだぜ。読むなら本文の後にしよう。
【東京創元社】
ダーモット・ボルジャー編
本体 1900円
2001/3
ISBN-4488016332
●課題図書一覧
「父の輝くほほえみの光で」
評価:D
アメリカ合衆国において、アフリカ系の人びとは差別されている。では、彼らは差別する側に回ることはないのか。そんなことはない。黒人男性は黒人女性をないがしろにしている。レイシズムとセクシズム。二重の差別構造の中で、抑圧された女たちの主体を解放せよ。精神的に? それだけじゃなく性的にこそ。おのれのセクシャリティを我が手に! ちょっと強調しすぎたかな。読んでてそんなメッセージ色を感じるわけじゃない。むしろ、抑圧された者は解放闘争のことばっかり考えてるというステレオタイプを破っているところが、少なくとも私は新しく感じた。でも、小説としてうまく行ってるとは思わない。生硬なメモ書きを輪ゴムで束ねたような文章で、何回も休みつつようよう読了しました。
【集英社】
アリス・ウォーカー
本体 2300円
2001/3
ISBN-4087733440
●課題図書一覧
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