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  鳥頭紀行ぜんぶ  鳥頭紀行ぜんぶ
  【朝日文庫】
  西原理恵子
  本体 476円
  2001/5
  ISBN-4022642661
 

 
  石井 千湖
  評価:A
  湿気が多くて気持ち悪い日には痛快な本を読むにかぎる。『恨ミシュラン』のころからファンなのだがほんとうにサイバラはカッコいい。その目線の低さ、潔さ。どんなに下ネタを書いても汚い言葉づかいをしても読んでいて不愉快ではない。相手が大物だろうが高学歴の編集者だろうがヤンキーの友達だろうが変わらぬ率直な言動が気持ちいい。そこまでやるう?というくらい傍若無人、怖いものなし。『鳥頭紀行ぜんぶ』はそんなサイバラの面白さをぎゅっと凝縮しているのでものすごくお薦め。なんと結婚してしまうことになる鴨ちゃんと出会ったタイ編が私は特にお気に入りだ。ただし女性がハマると平気で下ネタを言うようになって周囲をひかせてしまうかも。電車のなかでの読書も思わず吹き出してしまう恐れがあるので注意。

 
  内山 沙貴
  評価:C
  あちらこちらといろんなところに行って、いろんなことをやって、愉快なことを考えているりえぞうさんですが、いいのか、え、いいのか、ほんとうにそれでいいのか、と思うようなことをバシバシ語ってらっしゃいますね。やっていること自体は笑えるわけではないのに、りえぞうさんが感じたままに表現すると、なんか笑える、いや笑えるのを通り越してこわくなるくらいです。惜しむべくは字が小さいこと。わざわざ文庫版にして、読みづらくしなくても、と思います。字が大きければ、もっとスピード感が出て良かったと思うのですが。

 
  大場 義行
  評価:B
  面白さは抜群なのだが、この本を小さくするという事は、喜ぶべき事なのだろうか。値段が下がったり、電車などにも簡単も持ち込めたりといいのだが、本を読んでいて笑ってしまう事ほど恥ずかしい事は無い。それにもともと読みづらい西原式手書き文字が、さらに読めないという事態に。それに、ただ単に縮小コピーしたかのような印刷が薄い箇所もあるし。さらに云えばこの文庫のために書き下ろされたのはたったの8コマ(4コマ漫画二つ)。と、脱力ぶりが面白すぎる鳥頭紀行だったが、さらに拍車がかかっている。読みづらささえ突破すれば、とにかく楽しめるはずだが、これはやっぱり文庫ではなく、もとの単行本で読むのが正しい姿勢のような気がしてならない。

 
  操上 恭子
  評価:C
  この新刊採点のリストにこれを入れるのは反則なんじゃないかと思いつつ(だってマンガだもん)、西原理恵子は好きなので許す。この本はずっと前に単行本で読んでいるのだが、今読み返すと当時とは別の意味で面白い。何よりおかしいのが、後に子供の父というか、夫となった鴨志田譲との出会い。そのすぐ後ろの空白ページ穴埋めイラストには「ここにさえ行かなきゃ」と書いてある。抱腹絶倒。りえぞう自画像の変遷も、これ一冊でかなり楽しめる。それにしても、この本に出てくる「かっちゃん」が、あのジャーナリストの勝谷誠彦氏と同一人物だとはとても思えない。そう考えると、西原マンガにでてくる人たちは、みんな……

 
  小久保 哲也
  評価:D(文庫でなければB)
  読みにくい。文庫にしたせいで、字が小さすぎ。ところどころ印刷がおかしく、字が2重になっているところもあり最悪。しかし、西原理恵子の言葉の感覚はすごい。最初から最後まで、飛ばしまくりの一冊は、感激もの。せめて、1サイズ大きくて、目に優しければ、文句無く楽しめたのに。目の良い人には超お勧めだけど、最近目が疲れて眼精疲労気味、という私のような人には勧められないのがとっても哀しい。正直言って、30分以上連続して読むことができませんでした。。。とほほ。

 
  佐久間 素子
  評価:C
  オールカラーなのに、五百円でおつりがくるという、価格設定は嬉しいのだが、もう決定的に字が小さくて読みづらい。眉根を寄せて活字を追っているうちに何だかむなしくなってしまった。なぜ文庫化?目が痛いじゃないか。さて、中身だが、三誌にわたって連載された鳥頭紀行と、とってつけたような青春物という適当なつくり(わざとなのかも)。一見ラブリーな絵に、くりだされる下ネタとげろシーンの嵐は、わかっていてもちょっとひく。もっとも、ツボにはまるとやたらおかしいので、上品ぶっていても無駄だ。個人的には、文春編集者花ちゃんとの弥次喜多ぶりがほほえましいマルコポーロ編が好き。女の子同士の旅行ってこれだから楽しいんだよねー。いや、ちがうって。

 
  山田 岳
  評価:A
  ねぇねぇ、読んだ読んだ読んだ?「どこへ行っても三歩で忘れる」って、あたしのことかと思っちゃったわよ。こないだもね、コーヒー買おってスーパーに行ったのにィ、牛肉の特売を見た瞬間に忘れちゃったのよォ。え? あたしのことは、どうでもいい? ねねね、この「タイ編」のさいごに出てくる「鴨志田くん」って、いま西原のパートナーになっでる「鴨」のことじゃない? いやーねぇー、こんなところで出会ったのよォ(どんなところだ?)。でも、あたしも絵が描けたらよかったナ。だって、こんなに絵がへたでも、おもしろい本がつくれるのよォ。活字で一生懸命書いても、誰も読んでくれないのよォ(バギッ!)イッタ〜い。(こんなことを言う奴はキライだろうな、西原は。ひとがイヤがることをするのが鳥頭主義)読むと性格がわるくなるので、こどもには読ませないように。

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