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野性の正義
【早川書房】
フィリップ・マーゴリン
本体 2,000円
2001/6
ISBN-4152083514
今井 義男
評価:C
より残虐により劇的により多くの血を。それがサイコ・サスペンスの必要条件だとしたら、本書に登場するサイコ・キラーの律儀さは特筆ものだ。なにしろあの<聖地>ベイツ・モーテルでの事件がおとぎ話にしか思えないぐらい、凄惨な犯行が何度も繰り返される。死体の数も蹂躙のされ方も半端じゃない。だが、その度にこちらのセンサーが相応の揺れを示したかといえば、そうでもない。実際、針は計器に固定されたままぴくりとも動かなかった。これではヴァーリ・トゥードを見慣れて刺激を感じなくなった単純な観客と同じだ。もう、そろそろこの種の小説は曲がり角にきているのではないだろうか。ストーリーは二転三転するが、作者が本気で犯人の正体を隠す気があったのかどうか疑わしい。
原平 随了
評価:B
予想もつかない意外な犯人……、といえば、やっぱり、マーゴリンかディーヴァーだろう。では、この二人、いったいどっちがあざといか。読み手の裏の裏の更に裏までかくのがディーヴァー、読み手の予想の裏の裏あたりで抑えるのが、マーゴリンといったところか。物語をいびつにしてまで、読者サービスしちゃうのがディーヴァーであり、マーゴリンにはそれはない。というわけで、わたし、マーゴリン派なんです。この『野生の正義』は、はっきり言って、途中で犯人が割れてしまうけど、それでも、最後まで読み手を飽きさせない。法廷モノとサイコ・サスペンスを絶妙なバランスで融合させ、物語のツボをしっかり押さえるマーゴリンの手腕は、実に堅実。読み終えた途端、すぐに内容を忘れてしまうという点では、マーゴリンもディーヴァーもほぼ同格なんだけどね。
石井 英和
評価:C
冒頭の数ペ−ジを読んだ段階では、「これは第1級の作品だな」との手触りを持ったのだが・・・スト−リ−運び、各登場人物の設定、巻き起こされる猟奇的事件、キビキビしたその語り口等々、どれもキリッと引き締まってこちらの興味をそらさない、見事な立ち上がりだった。闇の中で、鞭のようにしなう強靱な律動がずっと続いて行くような、妖しげな魅力にあふれる物語に思えた。が・・・法廷シ−ンが始まると、なんだか急に失速してしまうのだ。これは本来、登場人物たちが激しく動き回り、織りなしてゆくべき物語だったのだと信ずる。重箱の隅をほじくり合うような法廷での言い合いのシ−ンなど似合いではなかったし、組み込むべきではなかった。そして、どんでん返しのためのどんでん返し、とでも言うべき場面が繰り返される終幕も、なんだか興ざめ。期待したんだがなあ。
中川 大一
評価:A
「監禁、拷問、惨殺、解剖、臓器密売」(オビの宣伝文句)。おえええっ。未読候補ナンバーワン、近づかないよう気をつけていた一冊だった。それが読む気になったのは「訳者あとがき」を見てのこと。私ゃ前から思ってたんだけど、どの本もここを注意深く読めば、どの程度面白いかかなり的確に当たりをつけられるよね? 思うに翻訳家って誠実なもんで、訳しても一つピンと来なかった作品は、手放しでは誉められないんだよ、いくらあとがきでも。さて本作では、冒頭に書いたようなグロい場面は直接には描かれない。残虐な行為の前と後とを示すことによって、読者の想像力を借りて恐怖を煽る趣向なのだ。よって上質な知的ミステリに仕上がっており、御婦人(ふ、古ー)でも安心して楽しめる。
唐木 幸子
評価:B
冒頭から伏線をまとって姿を現す犯人。どうも趣味は手術めいた拷問で、手当たり次第に殺しまくっているらしい。性別さえわからない、謎に満ちたその犯人の姿が効果的に登場して、半分あたりまではドキドキしながら読んだ。間違いなくA、ラストが決まっていたらAAだ、と嬉しくなって夜更かしした。しかし後半、サスペンスの要素を詰め込みすぎ、大サービスのしすぎでウンザリ感が上昇。ひねり技をありったけバラまいた割に、犯人の意外性はイマイチだし、弁護士と医師、刑事にマフィアが入り乱れて過ぎて終盤はコミカルでさえある。話のつくりにコクがないのだ。作者が安易にテクニックを弄しすぎて、「ここらで生首出しといたら読者は喜ぶずら」というような手抜き感さえ漂う。私を唸らせたディーヴァーや『子供の眼』とは余りに大きな隔たりがあると言わざるを得ない。
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