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├2001年6月
└2001年5月
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
翼はいつまでも
【集英社】
川上健一
本体 1,600円
2001/7
ISBN-4087752917
今井 義男
評価:AAA
私はパソコンの画面をにらみながら何時間も逡巡している。他の作品の原稿は割合すらすらと書けたのに、この少年小説に関してだけはいっこうに筆が進まないのである。いや、言葉が出てこないのではない。感情の赴くまま正直に書き連ねるとアホ丸出しになりそうなので怖くて書けないのだった。かといって書かないわけにはいかないし。という風に実に困り果てていて、要領を得ない文章になってしまうがお許しを。私は元々運動が苦手で野球少年ではなかった。奥手だったのでまともに女子生徒としゃべったこともないし、臆病者ゆえに教師に逆らったこともない。だからこの小説に描かれているようなことは何一つ経験していない。つまり私の体現できなかったことのすべてがこの本の中に詰まっているといってもいい。決してリセットのできない、かけがえのない少年時代のである。……駄目だ。こうして横道にそれたつもりでいても感情がどんどん高ぶってきてしまう。とにかくお読みいただきたい。いまはそれしかいえない。
原平 随了
評価:D
コレって、やっぱり、感動しなきゃいけないんだろうな。……そう思いつつ、結局、最後までノれなかった。素朴さとか、ノスタルジックな感傷がけっして嫌いなわけではないが、しかし、それを高らかに謳い上げようとする本は、その裏に作家の計算やら何やらが透けて見えて、どうも信用できない。あるいはまた、主人公である中学生の性の目覚めを扱うその手つきや、ラストに用意された一章のやけにお行儀の良いまとめ方などに、あざとさやわざとらしさを感じ取ってしまうのは、こちらがひねくれ者だからか?しかし、前作『雨鱒の川』から、決してそんな印象を受けたりはしなかった。そもそも、中二って、ホントにこんなに純朴? 少なくとも、自分のその頃を振り返ってみるなら、幼さはこの通りだったとしても、何かもっと激しい焦燥や渇き、怒りのようなものを抱え込んでいたような気がするのだが……。
小園江 和之
評価:A
中学三年生の神山君は夏休みの数日間を十和田湖畔で野宿することにしたのですが、そこで偶然出逢ったクラスメートの斉藤さんと恋をしてしまいます。それ以外にもいろいろなことが前後にあるんですが、この半ば無謀ともいえる野宿行の動機が「へっぺがしたい」ってのはなかなかいいです。男の子はこうでなくっちゃいけません。神山君の野望が果たされるかどうかは読んでのお楽しみとして、とにかく下手なギミックは一切なしの、思いっきり青春小説です。ちょっと気恥ずかしいくらいなんですが、一気読みでありました。やはりメインテーマは大人と非大人の対立でして、こればかりは今も昔も変わらない図式なんでしょう。単純に、大人は分かっちゃいない、の話ではなく「いまの大人みたいにはならない。わたしはわたしになるんだ」って斉藤さんに言わせるあたり、いぶし銀の味わいも。ぬちゃどろ少年犯罪だけが、この年代を描く題材じゃないってことですね。とても爽やかな読み味です。
松本 真美
評価:B
なんで小説を読むかといえば翻弄されたいからで、何よりの快感はトリップ感だ。それ以外の理由や感触はハナクソ以下だ、と思う。これを読んでいる最中の私はずっと、福島市立信陵中3-2の石本真美(あ、旧姓です)であり、同時に、斉藤多恵ちゃんや神山君や輪島をやれなかったことを心底残念に思う四半世紀後の東京都江戸川区の主婦松本真美だった。自分がパラレルワールド好きな理由がわかった気がする。今まで生きてきた時間分の自分、とは少し別な自分に果てしなく憧れ続けているからなのだ、きっと。みんなの前で好きな曲を唄える自分、理不尽な先生に「約束を守って下さい」と言える自分、最後の部活でチームメートの奇蹟を見る自分、好きな異性のかっこよさが誇らしくて「みんな見て!あれが私の好きな人だよ」と叫びたくなる自分…。実際に起こらなかったことも思い出にすることは、出来る。これを読んで泣けたのは、ストーリーが琴線に触れたからというより、帰らない日々こそ永遠で、そのせつなさの深淵を垣間見ちゃったから、のような気がする。
石井 英和
評価:A
中学生の頃、新米教師が赴任してきて私のクラスの担任になったのだが、彼女が何かの文集に寄せた、教師1年生としての感想文に「子供というのはオ−ソドックスなものだと分かりました」とあった。我々は「そうか、俺たちはオ−ソドックスなのか」と感心したものだった。その意味は分からなかったが。この小説であるが、極めてオ−ソドックスな青春小説である。分からず屋の大人たちとの抗争あり、ぶきっちょな恋愛あり、出会いあり別れあり、夢あり希望あり絶望あり再生あり。何も新しい発見などはないのだが、それでかまわないだろう。子供というものはオ−ソドックスなものだから。ここには、生まれたての目で見る世界のみずみずしい感触があり、そして、そんな世界に勇気を持って最初の一歩を踏み出す不安やときめきがあり、ストレ−トに感動を呼ぶ。それで十分だろう。
中川 大一
評価:A
一人でも多くの人に本書を読んでもらうために、どんなコメントを書けばいいんだろう? 思春期に聴く音楽がアイデンティティ形成に果たす役割について論ずるべきか。著者が属する団塊の世代がビートルズから受けたインパクトに関して語ればいいのか。いやいや、それじゃダメだ。この本の魅力は、そんな社会背景をとっぱらったあとに残るサムシングにこそあるはずだから。かといって、出会いとか別れとか、性の目覚めとか教師への反発とか、粗筋を紹介してお茶を濁すこともしたくないんだ。「なーんだ、よくある話しじゃん」と言われちゃいそうだから。ええい、もう、役割放棄、業務停止。とにかく読んでもらうしかないでしょう! と、最大の評価を捧げることにためらいはないが、一点だけ違和感を表明せざるをえない。十和田の中学生である主人公たちが、なぜ標準語でしゃべるのか。例えば、井上ひさしの一連の青春小説をみてほしい。東北弁でしか表せない臨場感というものが、間違いなくあるはずなのだが。
唐木 幸子
評価:AA
ああ良かった、ちゃんと未だ小説を書いていたのだ! 思い起こせば、私が18歳で初めて小説現代を買った時、『跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ』で新人賞を取っていたのが川上健一だった。バスケット選手の凸凹コンビが出てくる今でも忘れられない青春小説だ。受賞者の写真を見ると、これがまた、西郷輝彦(古い!)からニヤケを取って凛々しくしたような男前で、若かった私は、よし、この人を贔屓にしようと誓ったものだった。なのに、この人、寡作な作家で滅多に本が出ない。やっぱりそばにいてくれないと如何に恋しい人でも遠ざかるよ・・・ともう忘れかけたところでこの新刊本だ。手に取ったら懐かしさのあまり涙が出そうになった。そうして読み始めるともう、鼻をかみ目をぬぐいして胸熱くすること幾たびか。この著者が書くとどうして、どこにでもあっただろう日常が、一人一人の少年が少女が、こんなに透明に清潔に描かれるのだろう。でも余り期待して、さあ泣くぞ、と思って読む本ではないのでここら辺にしておこう。何気なく手にとって読んでみたら宝物、そんな感じのイチ押し小説だ。
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