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>> 本やタウン
愛という
【角川書店】
前川麻子
本体 1,500円
2001/8
ISBN-4048733257
石井 英和
評価:D
表紙に、あんまり見ていたくないな、という嫌な気分にさせる女の顔を描いた絵があって、う−ん、その印象通りの小説だ。わざとインパクト狙いでこうしてるんだろうか?では、冒頭に「時に<男らしい>と表現される、さっぱりした性格の女」と主人公が紹介されるが、その彼女の性格がちっともさっぱりしていないのも、計算なんだろうか。それとも、読む人が読めば「さっぱり」と感じられるんだろうか?物語の片側に、「主人公がかって係わっていた映画の世界」が置かれているが、取ってつけたようで、彼女の「内的世界」を奥深げに見せるハッタリとしか思えない。また、男たちとの「関係」も、いかにも絵空事臭いし、スト−リ−構成もアンバランスに感ずる。結局、思わせぶりなだけの小説という印象しか残らないのだが。
今井 義男
評価:B
結婚生活は毎日ほぼ同じことの繰り返しで、退屈なものと決まっている。だが、カウンター・カルチャーを神聖視する者にはそんな簡単なことが分からない。分からないというより受け付けないのだ。『釣りバカ日誌』より『ロッキー・ホラー・ショー』が、コンビニより映画製作現場の方が輝いて見える紅美がそうだ。そんな女性と所帯をもった渡部が痛ましい。二人の立っているステージには段差がありすぎた。空虚な現実から眼をそらすために不倫を楽しむ紅美。それをとりもつのが映画である。私はそこに拭い難い嫌悪をおぼえる。かつてのカルトを礼賛した風潮は、世間の価値基準を否定しながら別の絶対的価値に酔いしれる自家中毒症状そのものだった。自嘲の念とともに、いうにいえない苦味がこみ上げる小説だ。
唐木 幸子
評価:C
主人公の紅美は、こういう結婚は失敗するって、とわかりきっっているような結婚を繰り返す。しかも異なるパターンで。最初の結婚では夫の実家で両親と同居するのだが、これが大変にリアルだ。働き者の夫に飽いてしまった妻から見た生活のつまらなさや、修復不能の夫婦のことあるごとの食い違いが手に取るように描かれる。この著者は脚本家であり女優でもあるのだという。ある分野ではプロフェッショナルの人が小説を書くと、男性の場合は何かと無理を感じる場合が多いのだが、女性はこんな風に、上手い!と唸ることがよくある。女の方が多才というより、冷静なのだろう。多分、この著者は、カット割や舞台の照明まで想像しながらこの小説を書き上げたのではなかろうか。ちょっと会話が多すぎる感がなきにしもあらずだが、手抜きと感じる一歩手前で持ちこたえている。
阪本 直子
評価:E
何じゃこりゃ? である。
プロローグ部分、ヒロインについて、「野望をしっかりと抱いて、紅美はいつでも男らしく果敢に生きている」と、あるんですがね。
どこがだよ?
作者はどうも本気でそう思って書いてるみたいなんだけどさ。ただのヤな女じゃん、こんな奴。バカで愚かで自己中で。で、そんな女なのに男どもがよってたかって賞賛してるから、今度はそいつらがまた全員救いようのないバカに見えるわけで。大体ねえ、そもそも内容を云々する以前に大問題があるぞ。この小説、下手くそです。文章、構成、人物造形、会話のさせ方……どれをとっても余りにも下手過ぎ。編集者は一体何をやってたんですか。自分から本気で惚れることが遂にできない。そんな奴が大きな顔して主役やってるような本の題名に、「愛」なんて言葉を平気で使うなよ。
谷家 幸子
評価:E
なんなんだろうねえ、この紅美という女は。どこにも、欠片も共感できない。彼女を評して、盛んに「男らしい」という言葉を使ってるけど、どこが男らしいっちゅーんじゃ。この程度のことで「果敢に生きる」(新刊案内の紹介文)などと言ってもらっては困る。ちゃんちゃらおかしいというか、私にとってははっきりと不愉快だ。まあでも、ぺらぺらな女性誌辺りが言いそうなことではある。これも、いわゆるひとつの自分探し、ってやつなんでしょうか。冷静に考えてみれば、現実はこういった陳腐さの積み重ねだ。そういう意味では非常にリアルだともいえる。自分を確かめたい女の気まぐれに付き合わされてるコンビニ店長、バイトの大学生、ビデオ映画専門の売れないカメラマン、一代目二代目三代目などと言われて笑ってる場合ではないと思うが、結婚なんてこんなものだといわれればそうなのかもしれない。だとすれば、何の魅力も感じないけど。あと、中途半端に差しはさまれる映画周辺のエピソードも、魅力を感じない。映画好きと自称するある種の人々の妙な自意識が鼻につくのみ。
中川 大一
評価:D
帯にはこう書いてある。「婚約破棄、結婚、不倫、離婚、同棲、再婚、再離婚――」。そして読んでみると、まるっきりその通りの展開だ。それでええやんけ。何か文句あんのか? いや、ない。確かにそれでいいけど、この文面から連想される愛と憎しみとか、嫉妬と猜疑とか、涙と笑いとか、小説らしい盛り上がりは感じられない。そもそも主人公の紅美(べにみ)という女、一冊分つきあわにゃならんほどの魅力があるのかな? 淡々と流れる筆致には、作り物のわざとらしさはないが、楽しめる凹凸もない。そうだ! 本書を面白いと思えるかどうか、あらかじめ分かる方法があるよ。「ターミネーター2」が大好きな人は、読まなくてもいい。作中で、凡夫の好むツマラヌ映画との位置づけがなされているのだ。
仲田 卓央
評価:B
ヒロインの紅美は、なんとも中途半端で、頭の悪いことを言う、実に困った女である。結婚しては離婚、しかも結婚生活の真っ最中でもどんどん浮気してしまう、それを本人にしかわからない理屈で繰り返すわけだから、周りの男としては堪ったものではない。そういうタイプのヒロインをヘタクソな新人小説家、もしくは自己模倣を繰り返すベテラン小説家が描いた場合、とんでもないことになる。やたら奇行に走るエキセントリックな女になるか、反対にありきたりの愛だの何だのを口走る陳腐な女になってしまう。ところが前川麻子は、そのどちらにも走らず、走りたくなるであろう衝動を抑えつつ、ギリギリのところで紅美という人間を描いてみせる。この辺のバランス感覚は秀逸で、あくまで上品な線を外さず、それでいて、キッチリと生々しい。難をいうならエンディングがやや、甘ったるい。そこがほんの少しだけ、惜しい所である。
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