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パイロットの妻
【新潮社】
アニータ・シュリーヴ
本体 2,000円
2001/8
ISBN-4105900250
石井 英和
評価:D
夫の操縦する旅客機が墜落したと知らされたパイロットの妻は、何を感じ、どのような行動を取るか?こう聞いて、大方の人が想像するであろう事々が、まず物語の半分近くを費やして語られる。悲嘆やら、彼との日々の思い出、等々。その後、パイロットが死後に残した「謎」が提示されるのだが、それに関する謎解きの面白さが用意されている訳ではない。最後に「意外な真相」も置かれてはいるのだが、それに到る伏線が張られているわけでもなし、「いきなりそんな話をされても」と呆れるばかり。結局、小説の主眼は、場面場面における主人公の心の描写に置かれているのであって、スト−リ−展開によって何事か物語ろうという性質のものではない。また、その心理描写もさほど深いものではなく、底の浅いメロドラマとしか言いようがない。
今井 義男
評価:D
身内の乗る飛行機が墜落したと聞かされて、取り乱さない者はいまいが、乗客の命を預かるパイロットの妻ともなれば事情は少しく異なる。しかも事故の原因は夫にあるという。犠牲になったおおぜいの乗客を悼むぐらいのことは、せめてもの礼儀だろう。だが、ヒロインのメモリーは、新たに入力された夫の二重生活疑惑の処理だけで全容量を占めていた。普通の人間ならば真っ先に事故現場へ駆けつけそうなものなのに、彼女の向かった場所は夫の愛人宅だ。いきなり押しかけた上に断りもなく寝室へ忍び込み、浮気の痕跡を探る。もはや常識の埒外である。組合から派遣されて来た男も鼻持ちならない。どうもこの二人は、我々一般庶民の感情とは遠くかけ離れた世界に生きているようである。
阪本 直子
評価:AAA
午前3時24分、目覚めるのが惜しいような夢から起こされたキャスリンは夫ジャックの死を知らされた。機長を務める旅客機が空中爆発したのだ。押し寄せる報道陣。次々と湧き起こる疑問。キャスリンは謎を追うが……
といっても航空サスペンスではありません。勿論、事故の真相も追及はされるけど、キャスリンにとって最大の謎は夫のこと。死んでしまった後になって、自分は16年も生活をともにした男のことを殆ど知らなかったのだと気付かされてしまう。この追及は苦しい。知ることが喜びをもたらさないから。知れば知るほど、愛と信頼の記憶が不確かなものになっていくばかりなのだ。そんな人の心とは対照的に、外界の事物の語られ方は常に静か。昔は修道院だった家、その窓から見える夕焼け。霧の浜辺。古い家具。これらの落ち着いた美しさが全体の雰囲気を救っていて、読むことが辛くならない。
生きることは美しい。愚かさと悲嘆に満ちていても。
仲田 卓央
評価:B
突然パイロットである夫を喪い、さらに生前の夫の裏切りを知ることになった妻の再生の物語である。なのであるが、この作品が最も優れている点は、再生は不可能だ、と明示したことにある。何かを失った人間に残されているのは、再生や忘却といった道ではない。そこに適応していくしかないのだ。これはおそらく、遺された者とっては最も辛いことで、最も悲しいことだろう。もし自分の大切な人間を失ったら、しばらくはなにも喉を通らないだろう。1日中泣いているだろう。しかし、しばらくすればトーストや、味噌汁や、餃子定食なんかを口に運んでいる自分がいる。誰かと話して笑う事もあるかもしれない。だからこそ、悲しい。シュリーヴはそういった適応の道程を、逃避や八つ当たりも含めて実に丁寧に描き出す。その丹念な描写が、この作品を出色のものにしている。
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