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千のプライド
【集英社】
桐生典子
本体 1,700円
2001/8
ISBN-4087745430
石井 英和
評価:A
作中に、持ち込まれた花束があまりに大量のために、その芳香で車内がむせ返りそうになる、そんな描写がある。この小説の読後感も、それに近いものがある。「彼への私の愛はこのような形だった」と、登場する女性たちが入れかわり立ちかわり開陳する濃厚な恋愛妄想見本市に、息詰まるような気分にさせられるのだ。とにかく登場する女性すべてが、熱に浮かされたように恋愛に仮託した自己撞着の無限地獄で身悶えを続ける。彼女らの足跡を追う主人公もまた、その地獄から自由ではいられない。「恋愛」というたった一つの窓口から覗かれた「世界」の歪んだ様相と織りなされる異様な物語りに魅了された。反面、辟易もしたが。ラストのどんでん返しは作り過ぎの感もあるが、もともとが普通ではない物語なので、さほどの違和感はない。と言うか、論理的決着など不要な話なのかも。
今井 義男
評価:AA
一人の男が自殺した。遺書には《いまでも自分をもっとも愛してくれている女性に遺産の一部を贈る》とある。依頼を受けた弁護士見習いの可南子は調査のため、幾人かの女性と出会う。彼女たちの虚実入り混じった半生はどれもあざとく、読んでいて疲れるほど濃厚だ。作者の眼差しは未熟なマジシャンの手許を凝視する観客のように意地が悪い。誤解を招くかもしれないがこれは褒め言葉である。同性の愚かさをここまで書くか、と途中何度も思った。聴き取り調査と同時進行で描かれる可南子の恋愛が、合わせ鏡のごとく輻輳する構成は<技あり>である。依頼主の塔子だけは世俗に染めてほしくなかったが、作者はそんなに甘くない。読み手をさらにぐったりとさせる結末は当分尾を引きそうだ。こういう小説を読むと、ユングの提唱した《ペルソナ》を俄然支持したくなる。小谷野敦はこの心理学者を全否定してるけど。
唐木 幸子
評価:C
主人公の可南子は弁護士の卵で真面目な性格。それが、ある男の遺産をどの愛人に分けるかというような変な仕事を任される。そこで愛人を尋ね歩いて、男を一番愛していた愛人を探すのだが、これがまた、この愛人たちが高圧的だったり見栄っ張りだったり我儘だったり冷たかったり・・・・、イヤな女のオンパレード。こんな女たちを愛した男なんてどう考えても見るべきものなし、と考えたいところだが・・・・。この連作小説は【小説すばる】に連載された作品だ。初篇は形容詞過多で読み辛い文章だったのが、後になるにつれて余計な力が抜けてテンポが良くなって来る。この調子で、次作では冷静で仕事の出来る女性も一人くらいは登場させて欲しいものだ。
阪本 直子
評価:C
ある男が20歳から51歳までの間に関わった8人の女。今生きている7人のうち、彼を最も愛していたのは誰なのか? 同じ男について語っている筈の彼女達の話は、どれも食い違っている……。1人の人間の色々な顔。過去を訪ねる旅。ともにありがちな設定です。うまくいけば実に面白くなるんだけどね。だけど本書は……残念ながら、成功してません。
人物に魅力がない。何しろこれが致命的。偏狭な奴は偏狭なりに、俗物は俗物なりに、小説の登場人物なら輝きがほしい。だけどここでの描写は現実世界の偏狭な奴、俗物な奴のレベルでとまってる。だから彼らが後生大事にしてる「プライド」も、ただ卑小で滑稽なだけのものとしか見えてこない。鷺沢可南子の位置付けも、ヒロインなのか狂言回しなのか最後まで曖昧。大体、弁護士見習があんな感情的に不安定でいいのかね。朝吹里矢子はもっと毅然としてたぞ。
仲田 卓央
評価:D
自殺した男、榎本修吾の遺書にしたがって、彼の恋人だった女性に、それぞれの思い出を尋ね歩く弁護士の卵、可南子。取材を進めるに従って次第に浮かび上がってくる、修吾の真実の姿とは、そして取材を通じて成長して行く可南子は……、という話かと思ったら、違った。ネタバレになるので詳しいことは書けないのだが、問題は、そのネタバレ部分にある。つまり、わざわざそっちに話を持って行くか? そんなに結末にはどんでん返しが必要なのか? という話である。まあ確かに「ええっ?」と思ったけどね。意外な結末大いに結構。でも「意外な結末!」がいかにも取って付けたようになってしまっている場合、それまでの物語がなかなかに優れたものであったとしても、「ああ、意外だけどダメな結末だったあの話ね」ということしか頭に残らない。女性の描写には見るべきものもあって、なかなかよかったのになあ。残念。火サスの原作にはぴったりかもしれんが。
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