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  ゲーム・プレイヤー  ゲーム・プレイヤー
  【角川文庫】
  イアン・M・バンクス
  本体 895円
  2001/10
  ISBN-4042886019
 

 
  操上 恭子
  評価:B
  〈カルチャー〉という超未来社会を舞台にしたSFアドベンチャー。主人公の置かれている状況の説明や人物造型をじっくり描き込んだやや冗長な前半と、〈火の惑星〉に舞台を移し一気にもりあがってクライマックスへとダイナミックになだれ込む後半に大きく2分される。前半は読み辛いが後半は楽しめるという読者が多いのではないかと思うが、私には前半の方が後半よりも面白かった。後半のクライマックスは設定の差はあれありがちな冒険活劇の一種だが、前半のこの〈カルチャー〉という理想的な社会を説明した詳細な書き込みが素晴らしい。なによりすごいのは、人類が人格と人権をもったAIと共存していること。人格をもったAIならありきたりだが、どうやらこの〈カルチャー〉では人間とAIは対等らしい。しかもこのAI、ヒト型でさえないのだからすごい。実はこの〈カルチャー〉シリーズ、既に何作も書かれているらしい。翻訳が待ち遠しいところだ。

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