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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
おぅねぇすてぃ
【祥伝社】
宇江佐真理
本体 1,600円
2001/11
ISBN-4396632002
石井 英和
評価:D
この作品で著者は一体、何を描きたかったのだろう?明治初期に英語習得を志した男の青春の日々と、その恋の顛末を描いてはいるのだが、「志」は、初期のエピソ−ドをなぞっただけのしり切れとんぼで終わってしまい、スケッチ以上のものになっていない。恋の顛末に関しても、二人がそれぞれに抱える「都合」が、まるで響きあっていないし、そもそもこの二人が牽かれ合う理由もよく分からないので、その恋の行方にさっぱり興味が沸かないのだ。小説の末尾で著者は、明治の先人に比して今日の日本人の英語能力がウンヌンといった指摘をしているが、そのような演説を末尾に置く資格が生まれるほどの「英語関連人物伝」になっているであろうか、これは?まるで大河小説を書きおえたかのような口調が、なんだか笑える。
今井 義男
評価:A
時代が違えば男女の愛の形もいまとは違う。以前なら考えもしなかった。所詮男と女だ。それほど変わりがあるはずなかろうと、ずっと思っていた。けどやっぱり違う。いや違っていてほしい。とくに出会い系サイトや援助交際が<市民権>を得たような錯覚に陥る時代とは。そんなつまらない私の願望をこの小説はかなえてくれた。ここで描かれているのは不倫である。なんだそれなら掃いて捨てるほど聞く話ではないか、といわれればその通りである。不倫にいいも悪いもない。だが、筋の通し方が明らかに違う。これは主に女性の側の意志に負うところが大きい。科を認め、晴れて会えるその日まで身を慎むその姿には強く打たれる。いわば凛とした不倫である。明治や江戸は決してユートピアではない。ガチガチの身分制度が支配する社会である。だからこそ風穴を開ける気骨も生まれたのだ。翻ってこのタガの外れた現代にお順や遊女小鶴のような女性が生まれる余地があるだろうか。あるなら是非とも会ってみたいものだ。
唐木 幸子
評価:B
この4、5年、私が身を置く社会の色んな尺度、価値観が劇的に変化を遂げた。それまでの40年間、何もかもがボチボチ変わっていくペースに慣れていたせいか、大体が物珍しがりの私でも未だに以前の方式を懐かしがっていることが多い。例えば、サラリーマンの報酬が成果主義なんて言わないで、私が入社した頃みたいに、年功序列、永久就職だったら気が楽だったなあ、と正直言って思う。しかし、明治維新の頃の社会構造の変化は、こんなもんじゃあなかったろうなあ。文明開化、なんて教科書で習えば1ページだが、チョンマゲ落とすだけでも武士は大決心だったことだろう。そんな激動の時代を著者はいつもの大らかさ明るさを以って実に自然に描いている。難点を申せば、主人公の男女の恋愛模様には今ひとつ魅力を感じない。また、著者の作品は、中間小説誌で一話づつ読むと面白いのだが1冊の単行本になると印象が薄い感じがする。6つの各話(半年おきの連載)の繋がりが今ひとつ、薄いからではないか。
阪本 直子
評価:D
時代劇は難しい。
読者に判るように書かなければならないのは勿論だけど、いかにも昔らしい感じがなければ気分は出ない。この配慮は、時代設定が現代に近ければ近いほど、むしろ必要になりますね。明治維新以降、昭和中期くらいまで。都筑道夫や京極夏彦は、この辺の雰囲気の作り方が上手いです。
で、この本。何か、現代っぽいんですよ。
文章のせいなのかな。どうも平板に説明調、教科書か副読本でも読んでるみたい。児童書みたいな注の入れ方はちょっとつらいぞ。外国人の日本語、を全部カタカナ表記してるのも、今時、何か違和感です。
それに恋愛小説としても弱い。この主人公二人の間には、物理的なもの以外何も障害がないんだもの。全て二人の意志力で解決できることばかり。嫉妬も不安も渇望もない(本人達はあると言うでしょうけど)。堅固な仲過ぎてつまんないよお。私はこの主人公カップルよりも、小鶴さんの方が好きでした。
谷家 幸子
評価:D
明治浪漫と聞いて思い浮かべるイメージ通りにすっぽり収まっていて、そのあまりの収まりの良さに物足りなさが残る。というか、実はほんの少し入れ物との間に隙間がある感じで、イメージ通りとは言ってもいい意味での予定調和の爽快さはない。
明治維新辺りが舞台になったこの手のお話につきものの史実の織り込みがこの場合は足枷になっていて、何だか全体に窮屈な感じがつきまとう。主人公ふたりの「激しくも一途な恋」とかいうやつも、全然胸に迫ってこない。やっぱり時代物であろうと現代のものであろうと、主人公(それが駄目ならせめて登場人物の誰か)にある程度共感できないと、物語の中には入っていきにくい。少なくとも私は絶対そうだ。で、このふたりはどうにもよそよそしくて、距離が縮められなかった。読み手の感情が揺さぶられないのでは、本を読む楽しさは感じられない。
連載をまとめたものらしく、章変わりごとに繰り返される前章のあらすじが、かなり興を削いでいる。本にするにあたって、何とかならのかったのか疑問。
中川 大一
評価:C
本書の唯一にして最大の欠点は、ヒロインのお順に魅力が感じられないところだ。明治初期、時代の潮目にあって、英語の通詞(通訳)をめざして苦闘する雨竜千吉。彼がなぜお順に惹かれるのか? 幼なじみだから、じゃあ通らないでしょう。なぜなら、千吉は時の流れにしたがってどんどん変わっていっている。女性観もまた子どもの頃とは違う、と見るのが自然だ。お順って、当時珍しい国際結婚をして、翔んだ女性に見えるけど、内実は自分と身の回りのことにしか目の届かない古いタイプじゃないか。逆に言うと、そこ以外は作者の力量がいかんなく発揮された秀作だ。むしろ恋愛を後景に退かせ、開国後の混乱や珍しい風物の流入など社会の動きと、千吉の人生との関わりを中心に描いた方がよかったのかもしれないね。
仲田 卓央
評価:D
舞台は明治初期、英語通詞(今でいう通訳ですな)を夢見る男・千吉とその幼なじみで今では米国人の妻となっている女・お順の恋の物語。でもこの話、なんかちぐはぐ。出てくる人々、皆がみんな唐突なのです。久し振りに再会したお順に「俺について来い」的なことを言う千吉も千吉なら、それに「嬉し……」とキスで応じるお順もお順。言っておくが明治5年である。お順は「コーヒーなんぞより日本茶のほうが数段好き」という女である。さらに後半、居留地の米国人医師が千吉の友人を射殺、お順は自分をつけまわしていた男を簪で刺す。頼む、みんな落ち着け!物語には起伏が必要だからといってそんな事しちゃいかんだろ。そうこうしているうちに話はクライマックス、最終章を迎えるのだが、ここに至っては登場人物以上に、地の文が唐突。物語の本筋よりもそっちの方が面白い。特にラストの数頁は必読。突込みどころ満載です。
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