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曼荼羅道
【文藝春秋】
坂東眞砂子
本体 1,857円
2001/11
ISBN-4163205209
石井 英和
評価:D
自分を捨てて「帰国」してしまった「夫」を追い、マレ−半島から終戦直後の日本にやって来た「現地妻」、そして、山中深くに続く怪しげな曼荼羅道・・・なかなかに期待させられるオ−プニングだったのだが、読み進み、作品の全容が明らかになるにつれ、すっかり脱力させられてしまった。結局これは、著者自身の戦争やら女性を巡る問題やら、に関する生のままの見解の単なる絵解きを、恋愛絡みで脈絡なく並べ立てたに過ぎない話だ。意味ありげだった曼荼羅道も、それら各エピソ−ドを無理やりつなぎ合わせるための「安易な異次元」を提供する場でしかなかった。前半部と「山中の怪異」はさっぱり噛み合っていないし、幻想小説の看板を発想垂れ流しの免罪符に使われてはたまらない。また、終盤は、「出来合いの感動的らしき場面」の連発で、これにもがっかりさせられた。
今井 義男
評価:AA
曼荼羅道は生者と死者、またはそのどちらでもない者が往き来する道だ。人が生きる道すがら、体からこそげ落としていく垢のような罪や古皮に染み付いた諦め。落としても落としても浄化しない我々の魂は、やがて行く当てを失い、さらなる老廃物のリサイクルを繰り返す。そこに生者と死者の違いなんてない。生ける亡者が死せる同胞の影に寄り添ったとき、世界は一変する。破滅した未来から帰還する者を待つ、破綻した現在。薬師を求めて歩きつづける異形の一行は、聖なる者=災いをもたらす者という見事な隠喩である。どういうめぐり合わせか、私はこの作家に縁がなかった。何冊か買った本がどこかに埋もれている間に坂東眞砂子は『死国』からずいぶんと遠くへ旅立っていた。この生命力みなぎる幻想小説を読み終えて、私がミステリやホラーを昔ほど面白いと思わなくなった訳が少しわかったような気がした。
唐木 幸子
評価:C
太平洋戦争中の東南アジアで日本人の現地妻だったサヤが、その男を追って戦後の混乱時に日本にやって来る。冒頭のこのシーンは汗ばむような緊張感で溢れている。彼女の登場で、富山の薬売りのそれなりに平穏な家族が一気にただならぬ雰囲気に追い込まれる様子もリアルで、私は一気に物語に引き込まれた。また、それと同時並行で、その家族の孫達の世代が登場して、まるで謎解きのように曼荼羅道へ旅に出る、この過去と現在の語られ具合はとても良いのだ。だが。先月の坊ちゃん忍者ほどではないが、だんだんと話がファンタジーに転じて、しまいに、ありゃこれは未来なのか過去なのか、とわからないくらいに混乱して読みきれなくなって残念。唯一、愛情とやる気の欠如した孫息子夫婦の乾燥した関係と、その落とし前の付き具合には納得するものがあった。
阪本 直子
評価:B
富山の薬売りの一家。戦時中、マレー半島まで渡って商売をしていた祖父と、その現地妻だった女性。現代に生きる孫夫婦。二組の男女の姿が交互に描かれる……と思って読み進んでいったら、あれれ。思っても見なかった展開です。帯にあった「時空を超えて」って、こういう意味だったんだ。
でも、別に時空を超えなくてもよかったんじゃないのかなあ。特に、サヤはともかく蓮太郎と麻史は。二人がそれぞれ自分の生き方を反省する部分は、何かそこだけとってつけたみたいで、この小説全体の雰囲気とそぐわない気がするのですが。
私としては、この男達二人の自己省察なんかよりも、滝子さんや美晴さんのことももっと読みたかったですよ。
文章が実にいいです。セックスや憎悪の話にこそ、やはり品格がなくっちゃね。
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