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MISSING
【双葉文庫】
本多孝好
本体 600円
2001/11
ISBN-4575508039
石井 千湖
評価:A
失ったものは戻らないからこそ美しい。なんて。気障なことを言ってしまいたくなる本だ。特にお気に入りは『祈灯』と『蝉の証』。『祈灯』は説明しすぎないところがいい。妹の過去に何があったのか。「幽霊ちゃん」と呼ばれる女の子のこと。わからないことはわからないままだ。『蝉の証』は主人公が老人ホームに入っている祖母に奇妙なことを依頼される。ある老人の孫を調べて欲しいというのだ。「死」の間近にいる人間のエゴイスティックな渇望が痛々しい。人生の最後の時期に自分は何を求めるだろうか、と考えてしまった。亡くなった祖父のことも思い出した。他にも『眠りの海』や『瑠璃』は切ないし、不気味な『彼の棲む場所』も面白い。まだこの本と長編一冊しか出していない作家なのでこれからが期待という点でも今月のイチオシ。
内山 沙貴
評価:A
初めはちょっと臭いかなと思った。駆け出しの作家が必死になってかっこいいモノを作ろうとした足跡を見てしまったから。深い思い入れ、どこかで一度は見たことがあるでき過ぎた光景の描写、はかられたセリフ。でもいつのまにかそのシミが、すうっと消えて気づけば私は魅入っていた。それはもう、穴が開くくらいに。タンタンと進む会話、言葉尻に星が煌くようなセンスのあるセリフ、強引ではないのに心惹きつけてやまない意味のある素敵なストーリィ。ちょっとはまった。これは、どうしようもなくはまった。懐かしいなんてものじゃない。これは、この作家が残した道行きの残骸でしかない。その場で、その色に染まることを拒絶する、今しかないのだとういうその潔さが気持ちいい。私はこの本を宝物にするつもりである。
大場 義行
評価:B
ちょっとこれは評価が揺れ動いてしまう。先生と生徒の関係が事故によって壊される。幽霊というあだ名の彼女の秘密。尾行のバイト、親戚のルコ、親友の告白。全部ありそうで、無い、あったらそれはそれで良い思い出かもしれない物語。特にルコの話なんて、ああ、こんな従姉妹いればなあ、なんて事を思ってしまったり。でもこれが、謎を解いてしまうと、嫌なものがたちまち現れて、途端に嫌な現実を見せられる。この裏切られた感覚。その為だろうか、なんだろう、途中から良い話で終わってくれと願わずにはいられなかった。良い話で終わったら、何も残らないかもしれないが、ラストが衝撃的で忘れられないものになっているのは確か。でもこんなに死をもてあそぶというか、利用というか、ある意味美化しているのは、正直どうかと思ってしまうのも確かだ。歯切れが悪くて申しわけないが、良くも悪くも忘れる事が出来ない短編集だった。
操上 恭子
評価:C
このミス10位と帯にあるのでミステリなのかと思ったら、どちらかといえばホラーだった。タイトル通り「大切なものをなくした人たちの物語」なのだろうけれど、最初の2編以外はあまりそういうイメージを受けなかった。どちらかというと全体を統一するテーマは自殺。「自ら死を選ぶ人たちの物語」だ。私自身は真剣に「死にたい」と思ったことは一度もないのでよくわからないが、こういうものに共感する人はかなり多いのだろうと思う。ただ、男の視点で女のことを考えているという設定の作品のせいか、どこがどうとはっきりとは指摘できないのだが、男の身勝手なエゴが見え隠れするようで読んでいて居心地の悪さを感じた。最終話の「彼の棲む場所」だけは、かなり真剣に無気味で怖い。
小久保 哲也
評価:A
なんでこの本が「このミス」の10位なんだろう?読み終わってそう思った。人の心は分からないもので、人生なんて不思議でいっぱい。せつない想いや、哀しい想いがたくさん詰まったこの作品が、なにゆえに「このミステリー」なのか理解に苦しむ。もちろん10位に選ばれたことで、より多くの人に読まれるのは歓迎するのだけど。。。収録された最初の作品『眠りの海』で、まず驚いた。そうして、あとは気が付くと読み終わっていた。特に、4作目の『瑠璃』。これだけは、ぜひ読んで欲しい。読み終わった時に、読んでいた時間が愛しく思えるような、ひさびさの短編だ。
佐久間 素子
評価:A
どうしても、気になってしまう。村上春樹に似すぎている。本質がちがっていても、影響をうけていてもいなくても、ビッグネームに似ていると思われるのは圧倒的に不利だ。全速力で村上春樹から逃げた方がいいと思うな。特に5作目は、村上春樹が五反田くんを作ってしまった以上、アイデア的にも二番煎じにしか思えない。もったいない。だって、この短編集、すごくいいのだ。死にオチは反則だとか感傷的だとか、傷も見えるけれど、それを忘れるくらい中3作はいい。うまいのは、人間の醜さが一瞬にして愛しさに変わる『蝉の証』。好きなのは、切なさ爆発の『瑠璃』。なくしてしまった美しい日々は、どうしていつもこんな白い光に包まれているんだろうね。
山田 岳
評価:B-
「僕の中で何かが永遠に失われてしまった」この言葉は、なぜか何も失ったことのない青年のあこがれをかきたてる。物書きならば、自分の作品で使ってみたいとさえ思う。そして大方は失敗に終わる。何も失ったことのない青年の言葉はうわすべりして、読者の魂に到達することがないからだ。本書の「瑠璃」もまた、そのような失敗例のひとつと言える。だれもが初期の村上春樹のように、いとも簡単に<喪失感>を表現できるもんじゃないのだ。
「彼の棲む場所」は、まったくと言っていいほど村上春樹の後追い。主人公は、わけのわからないジョークをとばし、「彼」はサトウ君という高校時代の同級生の誰ひとりとしておぼえていない<幽霊>に良心を揺さぶられている。小説推理新人賞を受賞した「眠りの海」は、どうにも言葉が足りない。20年前なら「書き込み不足」と酷評されたことだろう。もうやめようよ、若いってだけで賞をあげるのは。「祈灯」「蝉の証」はむだな<ポーズ>がない分、まずまず読ませてくれる。佐藤正午ファンにはお勧めの一冊。あれ? これってミステリーだったの(笑)?
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