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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
本棚探偵の冒険
【双葉社】
喜国雅彦
本体 2,500円
2001/12
ISBN-4575292818
石井 英和
評価:A
いやあ、無意味なことって楽しいなあ!採点のための課題本であることを完全に忘れて、ニヤニヤ笑いながら読みふけってしまいました。著者の本業であるマンガの方は以前からファンで、「日本一チンコのきれいな男」なる作品(こう書いてもいいんだよね?このタイトルで出版されているんだから)などは実に傑作と感服しているのだが、彼がここまで重症の古書マニアだとは知らずにいた。興味のない人間には全く無価値なことどもを追い求め悪戦苦闘する人々の姿は、いつもまことに切実にして馬鹿馬鹿しく、人生の深淵を穿つ。彼はそんな自らの姿をク−ルに客観視して見事な自虐型ドタバタ・コメディを展開、大笑いさせてくれる。また、その大仰な装丁も、まことにもっともらしくもアホらしい荘重な出来上がりで、嬉しくなってしまう。
今井 義男
評価:AA
古きよき時代の探偵小説ファンの一人として非常にうれしい本だ。おそらくページを繰っている間、私の顔はずっとチェシャ猫のようだったろう。いやはや愉快な人がいるものである。著者は探偵小説に魅せられ、その収集に全精力を注ぐつわものだ。本は読むためのもの、と考える一般市民にはおよそ理解しがたい狂熱的風景がここにある。無意味なこだわりが、無尽蔵のエネルギーを生み出し、バカげた欲望が金銭感覚を麻痺させ、出版社の都合でコロコロ変わる文庫の装丁が、奥付の単なる数字が、函が、帯が、明日なき暴走に駆り立てる。古本仲間の生態も楽しく、レトロな造本、添付の月報も◎。続編が待たれる。三国一の幸せ者だ喜国雅彦は。オサキ、トウビョウ、ハカゼ、ゲドー…。多種多様な日本の憑きもの分布に私は<コショ>という新種を付け加えたい。吉田禎吾先生どう思われますか。
唐木 幸子
評価:A
デパートの古本市で朝から行列すると、いざ、売り場へ案内されるエレベーターで小競り合いが起きるのだそうだ。先に並んでた人が奥になって、エレベーターから出るときに遅くなるからだって。なんという熱意、おそるべき競争心。そういう古本収集家の実態をテンポ良く書いていく著者の文章が笑えて笑えて、この本、外見がとても古風なので、一体何だろうと訝しく思っている人、とにかく読み始めて欲しい。面白いの何のって。他人の家の本を並べさせて貰いに行く話も、話題の古本の町を探し旅する話も大笑い。横溝正史の文庫本装丁のバラエティーがこんなに奥深いなんて知らなかったなあ。この著者、漫画家だそうだがどんな人だろうと思っていたら、出てくるのだ、著者の写真が。これが思いもよらないほど可愛い。ものすごい精巧な豆本を作り上げて、大事そうに持って寝てる著者、嬉しそうに豆本を掲げて笑う著者。まるで少年のように明るく雑念がない。好きなものに夢中になっている人のおかしさが満載の楽しい1冊だ。
阪本 直子
評価:AAA
わはははははは。いやあとんでもない。バカである。しかし笑うことはできない。確かに私は古書市の行列に朝から並んだり寝る時間も削って目録に印をつけたり既に持っている本の表紙違いを買ったりはしたことがない。しかしポケミスの『修道士の頭巾』を、現代教養文庫版を持っているのに買ったことならある。それから本ではないが大滝詠一のサンプル盤に3万円はたいたこともある(で、聴いてない)。だから笑うことはできない。確かに自分が著者のような行動をとることはちょっと考えにくいのだが、しかしそれはただ物理的理由のみによるものかもしれないのだ。神田神保町に電車で行ける場所に住み、家が広く、時間に融通のきく職業だったならば……。
という訳でA3つは当然だ。何しろ函つき帯つき月報つき、奥付には著者検印もあるんだよ。え、中味に関係ないじゃないかって? 本の値段はこれらが左右すると、著者も書いてるじゃありませんか。あ、それは古本か。
中川 大一
評価:A
「あー、楽しかった!」「何それ、古本?」「うんにゃ、新しい本だよ。テーマは古書だけど」「ふーん、オタクっぽそうね」「そんなことないよ。誰でも笑える開かれたエッセイさ」「オタク出てこないの?」「……出てくる」「オタクじゃない人は?」「……出てこない」「何じゃそりゃ。自分がオタクだから気が合うんでしょ?」「何ッ。俺はオタクじゃないぞっ」「じゃあなんで、毎月10冊もタダで送ってくるのに、まだ自分で本を買ってくるのさ」「それは……秘密」「あほ。だいたい次々増える本、どこに置くつもり?」「そうだ、この本には、苦労しつつも工夫して本を収納する話しが出てくるから、大いに参考になるぞ!」「へえー。どう工夫してんの?」「家とは別に、書庫を借りとんねん」「いい加減にしなさい!」
仲田 卓央
評価:C
喜国雅彦は実は、とても真面目で照れ屋だ。本作を読んで改めてそう思う。彼の漫画はシモの話が多いくせに決して「下品」に落ちない。むしろ優しい話だと思わせられるのだが、それは何故なのか。本作を読んでちょっとわかったように気になる。
このエッセイは彼の古本への愛情(を通り越してむしろ執着)と、古本に振り回される生活を綴ったものだ。その入れ込み具合は、対象が古本ということはなくても、何かを「蒐集」したことのある人間なら、あるよな、こういうことって、と共感できるもので、特に面白いのはその蒐集作業の合間で喜国雅彦の照れ屋ぶりや真面目さが顔を出すところ。なぜ古本を集めるようになったのかを語る『黒背表紙を求めて』という一編や、一日でどれだけハヤカワ・ポケットミステリを集められるかに挑戦した『ポケミスマラソン』は、実に「いい話」である。意外に(と言っては失礼なのだが)広い交友関係にも驚かされて、「喜国観」の変わる一冊である。まあ、「喜国観」を変えることに何の興味もない、という人は読まなくてもいっこうに構わないのだが。
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