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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
ジョッキー
【集英社】
松樹剛史
本体 1,500円
2002/1
ISBN-4087745678
石井 英和
評価:A
とにかく試合の際の疾走感溢れる馬の描写に魅了された。詳細に活写された競馬界の内情も物語のなかにうまく生かされ、その方面でも興味深い出来上がりになっている。敵役の設定や筋運びなど、定石をうまく押さえてのドラマ作りに、形通りだなあと思いつつも、乗せられてしまう。ちょっと疑問に思ったのは、主人公を騎乗の機会に恵まれないアウトサイダ−的立場の騎手にしたこと。結果として全体の視線が、やや引き気味になってしまっていて、読み手のこちらとしては不完全燃焼というか、物足りない感があるのだ。そのフラストレイションは、末尾におかれた主人公の再生物語によって解消されはするのだが。また、女性が絡むと中学生初恋日記、みたいな純情で日向臭い感じになって恰好悪いので、この著者はあまり話に恋愛は絡ませないほうがいいんじゃないかな、と思った。
今井 義男
評価:AAA
私はギャンブルにまったく興味がない。だからD・フランシスの競馬シリーズも麻田哲也の麻雀小説も読まない。記念すべき第一回新刊採点の課題テキスト『マジックドラゴン』も未読だった。最近は多少利口になって、なんでも読めるようになり、このような幸運にも出会う。<馬には乗ってみよ>とはよくいったものである。勝馬投票券を買う気にはならないが、競馬社会の仕組みはすこぶる面白い。騎手と厩舎、馬主と厩舎、調教師と厩務員、そして彼と彼女らと馬。どの断面にも興味の尽きないドラマがある。競走馬は騎手だけでなく、関わった人たち全ての思いを乗せて走っていたのだった。先日、余熱の覚めやらぬ頭で初めて真剣にテレビの競馬中継を観た。名前も知らない葦毛が土くれを高く跳ね上げ、嘆きと歓声の待つゴールを駆け抜けた。解説者とゲストが顔を見合わせて苦笑した。予想外の大番狂わせだったらしい。少し得をしたような気分になった。
唐木 幸子
評価:A
私は、競馬とは馬に乗って競走するもので、競輪は自転車に乗る、競艇はボートだよね、私が住んでいるこのあたりだと立川と府中にあるよね、くらいの知識しか持たないが、この本を読んで競馬の裏表をすっかり理解した気持ちになって感動した。主人公の中島八弥はフリーのジョッキーだ(騎手にフリージョッキーと厩舎所属の騎手がいるなんてことも私は知らなかったのだが)。この八弥が実に自然で格好良い男なのだ。食べるものにも苦労しながら、難しい人間関係を彼なりに波風立てずに乗り越え、それでいて自分を失わず、華やかな女性に好かれる人間的魅力を失っていない。これで27歳だ。私が勤務する会社で27歳って言うとホッペが赤いような少年だけれど。著者自身もまだ25歳と若いが、大変に表現力豊かだ。減量に耐えた騎手がたった1日の暴飲暴食で10kg以上も体重が戻る場面の描写にはうなった。厩務員・馬主・調教師の力関係の軋轢から少し離れたところにいる騎手たちの、そのあやうい精神状態も適確に描かれる。読後、あー面白かったという満足でいっぱいになった。
阪本 直子
評価:A
競馬小説です。競馬界小説でも馬券小説でもありません。
主人公はフリーの騎手。騎乗依頼がくれば、どんな厩舎のどんな馬でも乗る。彼が出会う人も馬も、状況や性格は実に様々。人生悲喜こもごも……という一話完結型連作長編かと思ったら、後半、迫力の追い上げに要注目。
読んでいて本当に気持ちがいい。とにかくイキがいいんだ。濡れ場、犯罪、不毛な苦悩、お涙頂戴話、一切なし。騎乗機会に恵まれない割にはこの主人公、不遇な馬の長所を発見して見事初勝利を挙げさせたりしているのだから技術はあるのだ。で、貧乏だから呑む打つ買うで身を持ち崩したりはしない。ヤクザから負けろと脅されたりもしていない。独身だから家庭内の問題を抱えてもいない。騎手も調教師も厩務員も、まあそりゃヤな奴も出てはくるけど、類は友を呼ぶで主人公の周りにいる人達は皆真っ当で凛としてる。
スポーツ・ノンフィクションが好きな人が読んだら、きっと気に入るよ。
谷家 幸子
評価:A
競馬好きである。PAT会員だし、宝島社の競馬本シリーズだっていっぱい持ってる。(そういえばこの競馬本シリーズ、北上氏もとい藤代三郎氏のアイディアがもとになってるんですよね?)競馬本シリーズの面白さは、とにかくその「読み物」としての面白さだった。近年、完全にデータやハウツー中心になってしまって、手を出さなくなってしまってたけど。
競馬自体が持っているたくさんの物語性が、これ以上ない形で「読み物」として集約されている。
ギャンブルとしての側面からだけで、競馬を敬遠している人にはぜひぜひ読んでもらいたい。
中川 大一
評価:B
GIって何? ターフってどこ? そんな私でも十分楽しめる競馬小説。いやむしろ、全然知識がないゆえに、初めて知ることのうれしさを味わえるとも言える。立ち上がりが魅力的だ。一癖ありそうな奴らが次々出てくる。いいぞ。そして、一癖ありそうな奴らがまたまた出てくる。いいぞいいぞ。さらに、一癖ありそうな……。つまり、主脈と枝葉のバランスがちょっと悪いんだ。サブストーリーが繁りすぎて、幹がたわんでるぞ。これだけいろんな人物を造型するなら、もっと大長編にできたでしょう。女の人が三人もいて狭そうだ。あるいはこの長さで決めるなら、すべての項目をメインストリームに収斂させる手綱さばきが必要。とまれ、一気読みの快作保証。長さといい値段といい、買って損はないでしょう。
仲田 卓央
評価:C
「小説すばる新人賞受賞作!」である。「小説すばる新人賞」というのはかの花村萬月や、村山由佳を輩出していて、個人的に「なかなかにお目が高い賞」として注目しているのだ。さて、本作はどうだろう。
印象は「爽やか」の一言に尽きる。主人公はなかなかの男前で、背も高く、才能はあるけれどもチャンスに恵まれないジョッキーという設定も爽やかなら、登場人物が皆、基本的に「善意の人」であることも爽やか。全編から「勉強も運動もできて、でもちょっと悪いこともしちゃう話のわかる優等生」の匂いが漂ってくるように思うのは「勉強も運動もできなくて、かといって悪いことはできない気の小さい劣等生」である私のヒガミか? しかし、「馬に乗る」という本業にあぶれ、厩舎の留守番というバイト仕事で食い扶ちを稼ぐ主人公が、夢破れた先輩ジョッキーのことを思い出し、「こんなことしてる場合じゃないだろうに」と呟くシーン、このあたりはなかなかにスルドイものがある。この人が「爽やか」ではない作品を書く日を待っている。
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