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>> Amazon.co.jp
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アースクエイク・バード
【早川書房】
スザンナ・ジョーンズ
本体 1,600円
2001/12
ISBN-4152083840
石井 英和
評価:A
文化の相貌を描くかに見せてそうでもなく、奇妙な恋愛小説かに見せかけてそうでもなく・・・異境である東京における異様な体験を、意図あって作り上げた、一人称のような三人称のような一癖ある文体で描くことで、意識の胎内巡りを鏡の上に映し出してみせるのが、この小説の目的のようだ。東京という「異境としてのアジアの一都市」という歪んだ鏡の上に。そこに結ばれているのが、どこまでが真正の像で、どこが虚偽の像やら判然とせぬまま物語りは進んでゆく。結果、ちょっとした迷宮世界が構築されていて刺激的だ。何しろ日本が舞台ゆえ、やや尻こそばゆい感じがあり、もし私が日本人でなければ、もっと別の楽しみ方が出来た気もするのだが。ラストでソコハカとなく「再生の物語」っぽい方向へ持っていこうとしているのは、ちょっと無理を感じた。
今井 義男
評価:B
<朦朧系>、つまり事実関係や結末が判然としないまま、フェイドアウトしてしまうミステリである。被害者がいて、犯罪の痕跡は歴然としてあり、状況が指し示す被疑者もいる。ただ、真実だけが薄い皮膜で覆われている。それらしい解釈は、いく通りか用意されるものの、いずれもいまひとつ決め手に欠ける。白黒はっきりさせないと我慢できない人には、さぞ、もどかしいことだろうが、私はこれこそサイコ・サスペンスの本来あるべき姿だと信じて疑わない。歪みはフラットな面に生じるから、不安を募らせる要因になりうる。内面のほころびを突き詰めていけばいくほど、霧はますます濃く深くなる。なんでもかんでもサイコパスのせいにして、歪みの在り処を限定する小説に真の恐怖は描けない。本書には食い足りなさも残るが、私が異国での暮らしを経験していたら、いま以上の震撼にさらされていたのは想像に難くない。
唐木 幸子
評価:D
英国作家推理協会の最優秀新人賞受賞作なんだそうだ。ハリウッド映画で扱われる日本人および日本文化ほどではないが、やはり、日本を異国と捉えたイメージ先行で書かれた表現が多くて苛立たしい。地震や食事や布団など、それほどでもないだろうということを意味ありげに書かれても困るのだ。英国人向けにはこういうのが喜ばれたんだろうな。ところで語り役が自分のことを【あたし】と言ったり、【ルーシー】と言ったりする。帯に、『作者がしかけた甘美な罠』だの『語りを自由に操るこの作者』だのと書いてあるので、私はもしかしてロートレック荘事件(筒井康隆の著作の中で私が一番大好きな作品)のような仕掛けがあるのではないかと神経を尖らせたが、そんなもんは何もないのである。
阪本 直子
評価:A
ヒロインの名前はルーシーという。イギリスから日本に来た。東京湾で見つかったバラバラ死体は、友人のリリーであるらしい……。
という冒頭をまず見ると、近年世間を騒がせたある特定の殺人事件の記憶が当然のように呼び覚まされますが、意図してのことではないな、これは。一人称「あたし」と三人称「ルーシー」が入り混じるこの作品世界は、際物狙いで作り出せるものではありません。
英国推理作家協会賞の最優秀新人賞受賞作品。その先入観で読み始めると戸惑うかも。確かに殺人事件は発生しているし、ヒロインは警察に引っ張られてもいる。しかし事件を「解決」する方へは物語は進んでは行かない。謎はむしろより深まっていくばかりなのだ。
そう、謎。犯罪小説、推理小説としてのミステリではなく、謎の物語としてのミステリです。
特筆すべきは東京という街の描写。五感に迫って、匂い立つかのようだ。
中川 大一
評価:D
不思議なムードに満ち満ちた心理サスペンスなのか。それとも、見かけ倒しの凡作なのか。けっこう迷ったんだけど、針は少し後者に振れました。青い目が見たニッポン。いい加減カビの生えたそういうノリで、本書はずいぶん底上げされてる気がするんだ。つまり、作者がしばらく日本に滞在してたイギリス人で、それだけで「へえー」と思わされる。「現代の日本の文化を巧みにとらえた」(オビ裏)って、どこがやねん。まさか富士山・芸者・侍じゃないにせよ、蕎麦とか魚とか、わりと陳腐なイメージだぜ。結論。私は、「解説」(「訳者あとがき」じゃなく)が要るようなややこしいミステリが基本的に苦手なんだな。それに賛成の人は読まなくていいでしょう。
仲田 卓央
評価:E
例えば、昼飯を食いにうどん屋に入っとしよう。混んでいて、金髪碧眼の人と相席になったとする。その人がうどんを食っているのを見て、会話をするとしたら何と言うか。お箸上手に使えますね、とは言いたくない。たぶんその人は何回も同じことを言われているだろう。同じことを何回も、というのは、相当に腹立たしい。それだけではなく、例えば自分がイギリスで飯を食っていたとして、「アナタ、ふぉーくトないふ、オジョーズデスネ」とか言われたら、なめてんのか、と思うに違いないからだ。ところが、問題がひとつ。それは、その人が「誉めてもらいたくて箸でうどんを食っている」場合だ。相手は誉めてもらいたい、ところがこちらはそうしない。するとその人は残念に思うか、あるいはこちらに恨みがましい視線を投げつけるかもしれない。
『アースクエイク・バード』はイギリス人が日本を舞台に書いたミステリーである。外国人が日本をこんなにきちんと描けるとは!というのは本当は賛辞ではなくて侮辱なのだが、肝心の作品がつまらなかった場合どうしたらいいのか。やはり、いやあ、外国人なのに日本の姿がしっかり描けてますねえ、とごまかしておくのが、正しいジャパニーズスタイルであるように思われる。
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