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つきのふね
【角川書店】
森 絵都
定価460円(税込)
2005/11
ISBN-404379102X
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
北嶋 美由紀
評価:
★★★★
1998年12月。ノストラダムスの予言が重くのしかかる世紀末の頃、という設定が一つの要素となっている。中2のさくらは大切なものを次々と失いつつあった。主人公が万引きの常習犯というのはちょっとショックだったが、15歳にして未来に絶望する少女達のやるせなさが伝わってくる。強い者が弱い者を救うというのではなく、みんながお互いを思っているのに空回りしてしまう。それぞれが「自分は孤独だ」と思っているその間を駆け回るおせっかいの存在はなかなかよいし、人類全員を救う宇宙船の設計に憑かれる智さんの姿もインパクト十分。空中分解してしまったカケラが集合、結合していくような希望にホッと胸をなでおろす。最後まで「へび」だった店長は少しかわいそうだったが。
ひとつだけツッコミをいれさせてもらうと、せっかく最後の感動的な手紙なのに、あれは大人が考えた子供の文だ。頭の良い小2(智さんはそういう設定だったはず)は「は」と「わ」をあれほど間違えませんって。
久保田 泉
評価:
★
★
★
★
森絵都の作家としての才能と、職人的な物語を紡ぎだす姿勢は、今さら私が言うまでもなく信頼できるものだと思う。本著は傑作「DIVE!」の前に書かれた中学生のさくらの憂鬱を軸にした物語だ。そもそも憂鬱じゃない中学生なんているんだろうか。森絵都の描く中学生を読むと、自分も一瞬中学生に戻れた気がする。遠い昔の心の底が透けて見える気がする。森絵都の小説にはそういう力が確かにある。さくらの冒頭のセリフがつくづくいい。親友の梨利を裏切ったことを悔やみ、すくすく伸びろと強要する学校に疲れ、しみじみ植物がうらやましいさくら。このさくらの心情のリアルさといったらない。植物は間違わないが、人間は常に間違うのだ。宇宙船で人類を救う妄想と生きる智さん、同級生の勝田君、不良グループに引きずられる梨利、放火事件。物語はどんどん加速し、不穏に進んでいく。そして最後に、幼かった智さんの静かで感動的な手紙へとたどり着く。ちなみに、解説にあるYH文学は森絵都同様、みなお勧めです!
林 あゆ美
評価:★★★
この作者の本は全部読んでいる。デビュー作からじわりじわりとうまくなり、この『つきのふね』を読んだときに化けたと思った。いやになるくらい、上手に気持ちを言葉にのせているのだ。
主人公さくらは中学生。友だちを無くしたくはないけれど、かといって親分にあやつられるように万引きを繰り返すのはもっといやだ。だからグループから離れ、ひとりを選んだ。大丈夫、さくらには智さんがいる。でもその智さんも……。
人とは群れていた方が楽なはず。ひとりを選ぶ方がずっと山あり谷ありの道を歩まなければならない。その大変な方を選んだことからして、さくらは意志が強く優しい。作者は、若者のいばら(?)の道を少しだけ上品に描く。どろくささがないとはいえ、リアリティは失っていない。悩みのない青春なんてない、と思う。でも求めていれば、助けの手はどこかにあるのだとも思う。そう信じられるラストの一文がいい。
手島 洋
評価:★★
ちょっとしたきっかけから友人たちと万引きをするようになった中学生さくら。自分はそこから抜け出したが、彼女と仲のよかった友達の梨利はやめられず、グループに残ってしまう。その原因は自分にあると考えながらも、梨利とうまくいかなくなって疎遠になっていく。
今まで読んだものすべてが当たりだった森絵都作品で初の外れでした。主人公の女の子と友人との心のすれ違いの描き方は確かに見事。自分が悪いとお互いに思いながらも関係が修復できず、そのままになってしまう経験は誰にでもあると思う。しかし、どうしても気になってしまったのは彼女たちの友人の男の子、勝田くんや、さくらの心の拠り所の智の変化があまりにも都合がよすぎてリアリティのない存在に見えてしまうこと。さくらと梨利の関係に変化がなく、彼女たち自身はなにもしていないのに、梨利と精神的に追い込まれた智を救うべく勝田くんが大活躍。こんな少年がクラスにひとりいてくれるといいんでしょうが。
山田 絵理
評価:★★★★
シンプルでわかりやすい筋書き、ストレートに伝わってくるメッセージ、登場人物がどこかひねくれていても前を向きまっすぐであること。ティーンエイジャー向けに書かれた小説のような特徴を持ちつつも、読者をぐいぐい物語の中に引っ張りこんで離さない力を持った物語だ。
親友との仲に悩み、クラスの中での自分の位置に気を使う、中学生のあたし。クラスのリーダー格に命じられるままに万引きをし、自分の知らない世界をもつ年上の男性に魅かれ、彼の部屋に通う。
悲しいかな、多感な少女の日常と非日常を鮮やかに織り成して作り上げられたストーリーに自分の姿を重ね合わせて読むには、もう年をとり過ぎてしまったと思う。でも主人公のきらきらとした輝きと、壁にぶつかったり悩んだりしながらも、無限に広がる未来を感じさせる物語に、大きな元気をもらった気がした。
吉田 崇
評価:★★★
最初に言っとくと、僕は児童文学の正しい読み手ではないし、子供の頃から「けっ、子供向けの本なんて読めるかよ」とつばを吐く様な子供だったので、児童文学賞出身の作者の書く本を読むといつも考えてしまうのだ。「この本、一体誰が喜ぶのだろう?」
児童を対象にしているから児童文学なのか、児童を主人公にしているから児童文学なのか、非常にレベルの低い定義問題なもんで思いっきりはしょりますが、最良の児童文学は、ただ文学たり得、月並みな児童文学は子供に読ませてはならないほど人工着色料の豊富な読み物なのだという気がします。それって、煙草とパイポくらいは違うんだぞ。
で、本書、ヤングアダルトって言うんですか、女子中学生が主人公で、何だか壊れたキャラが一人いて、宇宙船を設計したりしてるんですけれど、正直なんかもやもやのまま終了。ははは、まるでこの書評みたいだ。
ブギー・ポップの方が大げさで面白いや。