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いつもの道、ちがう角
【光文社文庫 】
松尾由美
定価480円(税込)
2005/12
ISBN-4334739881
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★★
最近、あまりいい感じの短編を読むことがなかったため期待はしていなかったのですが、面白い!上手い!
一冊を通してタイプの違う短編が詰め込まれています。
ちらりと後ろを振り向いてみるとそこには想像もしなかったような恐怖が!系のゾクリとさせられるような短編。
実生活でも、十分に起こりうることなので余計に「もしかしたら自分もこんなことに巻き込まれてしまうかも」
読んだ後、なんとも言えない余韻の残るすこし変てこな味わいのある短編。
どちらも好みのタイプの短編だったので大満足!
特に私が好きだったのは、後者のタイプです。想像が色々膨らんで、この先どんな事が起こるんだろう。いや、起こらないのかもしれない。とつい考えてしまうのが魅力です。
すべて同じ作者なのに、作風がまるで違うため別作家を集めたアンソロジーを読んでいるような気がしました。
松井 ゆかり
評価:★★★★
「松尾由美=若竹七海+SFテイスト」というのが、私の“松尾由美観”である。いや、おふたりとも好きなんで、こんな大雑把な認識でもご勘弁を…。
この短編集でも、松尾さんの意地悪っぽさが発揮されている。ホラー風味というのか、読後ぞっとするような。
ただし、あえてオチをつけないことで怖さを喚起しようとした作品群(「裏庭には」とか表題作とか)はさすがに放りっぱなし過ぎなのでは…という印象。なんだか、別の話になって終わっちゃったような座りの悪さを感じてしまう。巻末に西澤保彦氏が「物語に整合性を求めすぎる読者が多い」という趣旨の解説を書かれているのだけれども、やっぱりラストでぴたっとはまる快感ってあるからなあ。
西谷 昌子
評価:★★★★
王道。ラストはけして王道ではないが。驚かされる場面もドキッとする場面もないのだけれど、読み始めるともやもやと不安が胸をせりあがっていって、ラストになっても解決しているのかいないのか、怖がっていいのか悪いのか、え、ちょっと待って、何とかしてくれこの不安を、と叫びだしたくなるようなこの気持ち。ほっとさせたり疑いをかきたてたり、ストーリー運びの呼吸が絶妙。おかげで完全に作者に振り回されてしまった。この呼吸は居心地がいい。日常から次第に非日常へ、油断してほっとしたところで突き落とされる……という、ホラーの王道を辿っているからだ。ただ突き落とされた先が絶望や恐怖でなく、もやもやしたわけのわからなさであり、早く逃げたいと思ってしまうところが何とも言えない。不条理というほどわからないわけではないのだが。これは計算して書いているのだろうか、それとも作者はこのような微妙な不安だらけの世界に生きているのだろうか。
島村 真理
評価:★★★★
7つの短編は、留守の間に部屋の雰囲気が変わっているような、平らな道の上にいるのにぐらついているような、いわれのない不安とずれを感じる作品たちだ。そして、そこにはヒヤリとさせる怖さと置いてきぼりにされたような心細さが潜んでいる。どれも他愛のない日常のひとコマであるのに。“だからなんのなのよ”とも言える。けれど、理由のないものほど人を不安にさせるものはない。
特に「裏庭には」という作品に心惹かれた。独り暮らしの大学生が住むアパートの隣の家の庭についての顛末だが、用意された結末の間から見え隠れする、“わけありな”真相を考えると怖くなって急いで本を閉じてしまった。
浅谷 佳秀
評価:★★
日常と隣り合わせている非日常の裂け目。その入り口をちらっと覗かせる、といった趣の短編集。あくまで入り口。裂け目の奥まで覗き込ませた挙句、異界に引きずり込む、というところまでは行かない。暗がりの中に何かが見える。でもはっきりとは判らない。その「あとちょっとで何かが見えそうな感じ」ってツボにはまると結構怖かったりする。
ただ私としては、この作品の「ちらっと覗かせる」仕掛けにも肩透かしを食ったかなあという感じ。肝心の、裂け目の奥の闇の吸引力が弱いのだ。そう感じてしまうのは、おそらく心理描写や会話のせいだと思う。分りやすいのはいいけどちょっと親切すぎるのだ。そのせいでかえってそらぞらしさ、作り話っぽさが強調されてしまっている気がする。おかげで、読みながら背筋が凍る、なんてこともなく、せいぜい真冬にアイス食っておなかが冷えた、ってところか。作品の中では表題作が一番良かったと思う。
荒木 一人
評価:★★
ありふれた日常生活の中、ちょっと不思議な出来事。現実なのか?夢想なのか?勘違いなのか? さらりと読めるが、何と無く切れ味に欠ける。深く考えると、出口が見えない。
全200ページ程の中に、短編が7編入っており、うち6編は女性が主人公、「裏庭には」は唯一男性が主人公になっている。統一された作品群では無く、雑然と短編を集めたもの。
琥珀のなかの虫:イレギュラーなモノに異常な感心を持つ男と、同僚でその男に異常に感心を持つ女の物語。
窪地公園で:フリー・ライターが仕事で来た地方都市。子供が熱をだし…
いつもの道、ちがう角:わたしが引っ越したばかりの町で、知り合いの美容師を見かけたのがきっかけで初めて曲がった角は…
他者に対し寛容性がありブラックジョークを好む人には面白く読めるが、作品に合理性や整合性を求める人には御勧め出来ない。おちが見えるモノもちらほら。
水野 裕明
評価:★★
外国の短編「猿の手」に代表されるミステリーともSFともホラーともちょっと違う、江戸川乱歩が「奇妙な味」と呼んだグループに入る7短編集。ミステリー風の味付けで「琥珀のなかの虫」「厄介なティー・パーティ」「裏庭には」「恐ろしい絵」、ホラーっぽい「麻疹」「窪地公園で」。どれも読後感がなんともいえない奇妙な味わいを残す。オチの付け方が微妙に違っていて、「琥珀」「厄介」「恐ろしい」「窪地」はある意味オチが読み始めから想像できるオーソドックスな構成だが、「麻疹」と、最後の「いつもの道、ちがう角」はオチがないというか、はっきり言って肩スカシというべき終わり方。解説には「整合性、予定調和がない小説もあり」みたいなことが書かれているが、不合理・不条理を描くこと、解決が実はないということを描くことはあるし、解説のように整合性のない作品もあるだろうけど、これはどうだったのだろうか?なんとなく、オチがつけられなくなってしまっただけ、のような気もするが……。