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勝手に目利き
単行本班
文庫本班
逸脱者(上)
逸脱者
【講談社文庫】
G・ルッカ
定価各730円(税込)
2006年1月
ISBN-4062753073
ISBN-4062753103

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  松井 ゆかり
  評価:★★★★
 メガネ男子キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
 改めてよく考えてみると、メガネをかけた探偵が主人公というのは珍しいのかも。解説で香山二三郎氏(ご本人もメガネを着用されてますね。素敵です)も主人公アティカスが「メガネ男子」であることを指摘されてるくらいだ。仕事に関してはプロフェッショナルでハードボイルド(異性に関してのガードはやや甘いようだが)、冷静でありながら時に熱くもなるという人物像は、女性読者のハートを揺さぶらずにおかないのではないか(私も含めて)。
 が、終盤の急展開は、こんなキャラ萌え要素を吹き飛ばすような重さ。うーん…辛いなあ。アティカスをはじめ、登場人物たちがこの闇を抜ける道はあるのか。とりあえず、シリーズこれまでの作品をすべて読みたくなった。私もこの「逸脱者」からいきなり読み始めたが、できれば順番に読まれた方がいいのではないかと思う。損はさせませんよ!(だから、読んでないんだが)

  島村 真理
  評価:★★★
 ボディーガード・アティカスシリーズ第4弾。
 かつて対決した暗殺者ドラマの影をちらつかせ、前半の流れからは予想がつかない展開で、一気に読ませます。このシリーズは初めて読んだのですが、今まで読まなかったのを悔やまれるほど引き込まれました。少しでも興味を持たれたら、詳細はぜひ読んで味わってもらいたい一冊。
 注目は、もちろん主人公のアティカス。見かけも好みだけれど(ボディーガードだから体も鍛えられてるし、スーツだし、メガネだし)、警護対象者を命を張ってくれるという、仕事を越えた信頼を置ける相手だから。それに一本通った信念を持っているところが気持ちいい。おかげでストーリーが大変な展開をしてしまうのだが、ゆずれない意地を通す魅力には抗しがたいのだ。
 シリーズとしてはここで方向転換のようだけれど、この次どんな形でアティカスたちと出会えるのかと今から楽しみにしている。

  浅谷 佳秀
  評価:★★★
 要人警護の会社を立ち上げたアティカスと仲間たちが、人権運動家の女性を警護するところから物語が始まり、そこから物語は意外な方向へと展開してゆく。
 私はこの作品を手にしてから読了するまで一週間以上かかってしまった。これはこの作品のせいではない。たまたま研修会やら、飲み会やら、徹夜麻雀などが重なったためである。で、こういうハリウッド映画的な作品をだらだら時間をかけて読むと駄目だと痛感した次第である。やはり映画を観る感覚で集中して一気に読んだ方がいい。でないと鮮度がどんどん落ちてきて、こちらも意地悪な方向へと目が向く。いかにも大学の創作科出の著者が、ヒットを計算して生み出したシリーズらしいというか、読者をきっちりマーケティングし、コンセプトを固めているあざとさみたいなのが鼻についてくるのだ。ジョーク交じりのセリフもいちいち気障だし。あと、いろんな種類の銃が出てくるところも感覚的に嫌だ。ただ「狙撃は女の仕事だ」という主人公のセリフには、妙にぞくっときた。いろんな意味で。それと、アティカスの今後にはちょっと興味をそそられる。

  荒木 一人
  評価:★★★★★
 抜群に、面白い! 翻訳本なんだが、良い出来のハードボイルド小説。ボディーガードのアティカス・コディアックのシリーズの第四弾。登場する女性陣が強烈で、魅力的で、肝っ玉が座っている。
「暗殺者」で意気投合したナタリー、デイル、コリーとわたし(アティカス)4人でボディーガードKTMH社を立ち上げた。仕事が無く困っていた処へ、英国の友人から警護の協力依頼が舞い込む。完全なまぐれを味方に、世界的に著名な人権唱道者を窮地から救ったことで、一躍全米中の注目を集める。女優スカイの警護を袖にし、恋人のブリジットと過ごした朝、FBIから呼出がきた。急転、ストーカー、暗殺者、要人交換、もうひとりの暗殺者。
上・下巻の2冊組なのだが…上巻を読んだ時点で中断した。理由は、シリーズの第一弾「守護者」を買いに走ってしまったから。その後、本棚にはシリーズが揃ってしまった(笑)

  水野 裕明
  評価:★★★
 プロのボディガード、アティカスを主人公としたシリーズ物の第4作(第3作は番外編でパートナーの女性が主人公)で、前作で登場した女性暗殺者が再度現れて、なんとアティカスにボディガードを依頼するというストーリー。ゴルゴ13みたいな凄腕の暗殺者があまり優秀とも思えないボディガードに警護を依頼するというのは、ちょっとリアリティに欠けるし、その依頼を伝えるためにアティカスが警護している要人を誘拐し、その人物と引き換えにおびき寄せて警護を頼むというのも、あまりにまだるっこく、ストーリーのためのストーリーという感じを受けた。ロシアンマフィアとか、暗殺組織テンと、いかにもステレオタイプで、全体にハリウッド映画のノベライゼーションのようで、緻密さ緊密さに欠ける感を受けた。シリーズ物なので、前作で培われた(らしい。読んでないのでわからないが……)女性暗殺者とアティカスの共感性とかもいまいち分かりにくく、そんな点もノベライゼーションと感じさせたのかもしれない。

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